感謝のない、
日本で働く外国人が抱いている職場への不満TOP3、3位給料が安い、2位給料が上がらない、1位は?
4/9(木) 18:33配信
今やいなくなったら、日本の経済が回らないのではないかと思われるほど増加傾向にある外国人労働者。
多方面にわたって活躍している彼らだが、その一方で、多くが日本の就労システムに対して不満やギャップを抱えていることがこのほど、パーソル総合研究所の調査によって明らかになった。
日本で働く外国人の不満
日本で働く正社員の外国人に職場に対する不満を尋ねる調査が行われたところ、1位は「昇進・昇格が遅い」、2位は「給料が上がらない」、3位は「給料が安い」となった。
正社員の外国人が実際に感じている職場に対する不満の項目数は、企業の認識の3.4倍多い。
職場に対する不満を項目別にみると、外国人が「昇進・昇格が遅い」と感じている割合は20.2%だが、企業が認識している割合は3.5%と、5倍以上のギャップがあった。「給料が上がらない」も5倍以上のギャップがあった。
入社前のイメージと入社後のギャップ
外国人に入社前に想定していたイメージよりも悪かったことを尋ねる調査が行われたところ、1位は「住宅や生活全般に関するサポート体制」、2位は「昇進・昇格のスピード」となった。
「昇進・昇格の遅さ」は不満でも挙がっており、外国人の定着・活躍を望むのであれば対応が必要と考えられる。
正社員の外国人の孤独感
正社員の外国人のうち32.6%が「私は、孤立しているように思う」と回答するなど、パート・アルバイトに比べて正社員の外国人は孤独感を抱えがちであることが判明した。
孤独感が強い層は、仕事のパフォーマンスや会社満足度は低く、転職意向は高くなる傾向にある(重回帰分析による)。
孤独感を低減させる効果が確認できた会社の施策としては、歓迎会の開催(正社員の外国人材に対する企業の実施率47.6%)、相談窓口の設置(同12.8%)、同僚とのコミュニケーション機会の付与(同28.4%)、定期的な面談(同26.4%)、母国語対応の指導者の配置(同18.4%)が挙げられる。
外国人に対する日本人上司のマネジメント
外国人に対する日本人のマネジメントに問題があることが明らかとなった。日本人上司への不満は外国人上司に比べて約2倍となった。
大学修士以上の外国人からの日本人上司のマネジメントに対する評価は、特に厳しいことが浮き彫りとなった。
正社員の外国人が仕事選びで重視する項目
正社員の外国人と日本人では、仕事選びで重視する項目が異なり、外国人の獲得・定着を図りたい企業は対応が求められる。
「仕事とプライベートのバランス」の重視は、外国人では2番目に高い割合となったが、日本人では6位と差が開いた。
また、「自分のやりたい仕事であること」は外国人では3位だが、日本人では6位、「いろいろな知識が得られること」は外国人では4位だが、日本人では12位という結果に。
■分析コメント(パーソル総合研究所 主任研究員 小林祐児)
パーソル総合研究所では、外国人雇用に関して「企業」「日本人上司」「外国人本人」を対象とした3つの調査をこれまで実施してきた
明らかになったのは、日本人に最適化されてきたこれまでの日本企業の雇用のあり方、マネジメントの方法では、外国人にフィットしていないということだ。
その結果、多くの不満を外国人は抱えるものの、職場にはそれを伝える相手も少なく、孤独感を深めていることが浮き彫りになった。
一方、現場で働く日本人上司は外国人のマネジメントに関するノウハウの不足に苦しみ、手探り状態の中でマネジメントを行なっている。
多くの企業は、外国人に対して「特別なことはしていない」と言うが、現在の外国人を受け入れるフェーズにおいては、それは「放置」に等しい。企業としては、外国人本人はもちろん、受け入れる日本人に対する支援も充実させることが望まれる。
<調査概要>
出典元:株式会社パーソル総合研究所
構成/こじへい
@DIME
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200409-00010006-dime-soci