日本から世界へ!新しい感性でファッションに向き合う新進気鋭デザイナーズブランド2選
4/2(木) 20:30配信
僕らの世代が思うファッションの現在と未来
インフルエンサーが次々にブランドを手がける新たな時代。個人でも戦えるようになったファッション業界で、新しいブランドの同世代のデザイナーたちはどう考えているのだろう。彼らの洋服とともにその頭の中にも迫ってみた!
【1】 Hello April./日常のインスピレーションを やわらかな「感性」にのせる
同じようで同じ日はない、そんな日常の一瞬からひらめいたデザイン。どこか空気感のある優しげなアイテムがそろう。また、デザイ ナーとともに成長していくブランドと公言していて、価値観が上書きされれば、デザインのベクトルもまた変わるという柔軟さも潜む。
【PRODUCT】
かわいいバックプリント。4/20(土)には 「date」 と大事な予定が赤ペンの手書きで入る。
【Designer】Kentaro/ケンタロウ
高校3年時に東大生やハーバード大生など が連なるビジネスコンテストにて優勝をかっさらう。芸術家 を目指した一方でビジネスセンスも併せ持つ。
本人着用アイテム/白ジャージを用いた大胆なモノトーンで登場。着こなしセンスも抜群。
「ブランドを好きになる入り口が変わった」
――素人でも売れる洋服が作れる時代。手描きのロゴを町のプリント屋さんで印刷してもらい、インスタで「ブランドやります!」と、ポストすれば簡単にスタートできてしまう。そこで人気になるのは、インフルエンサーがやるブランドです。
投稿写真がオシャレで世界観がある。そうすると、その人をタグ付けし、まずはその人が大好きになり、次にそのブランドの服を買うという流れになる。これはもっと当たり前になっていくと思います。そして、大人たちもリスクの低いネットショップに傾倒していく。
でも、ネット買いで育った僕らとしては、だからか実店舗にも憧れがあるんです。おかげで実店舗の効率化も考えたり。たとえば、洋服だけを無人の店内に置き、いいと思ったらそこにあるQRコードを読み取り、インフルエンサーがポストしているような世界観にリンクさせる。今と逆の流れを作るのはどうかなと思うんです。しかも店舗に在庫を置かなくてもいい。これはビジネスコンテストで優勝した案です。その後、大手さんが似たような形態で試験店舗を設けているようですが。
――インフルエンサーのブランドなど、デザイナーの人ありきでその洋服を買う昨今。ブランドを好きになる入り口が変わっても、僕は洋服を見てブランドを好きになってくれる人をこれからも増やしたい。ロックバンドみたくキャラバンで各地を回るのもいいですね
YUKI UEDA/ 北米最大級のコレクションに参加が決定!
イケアのバッグをリメイクしたロンTが大ヒット。70人だったフォロワーも一夜で2000人近く増え、ユーチューバー、ハズム氏のお店で発売するときは驚くほど長蛇の列ができる。言葉や感情からもインスパイアを受け、他とかぶることのないギミックが得意。
左/ヒットのきっかけとなった伝説のアイテム。着ていたら知らない人に「売ってください」 とか、お店で販売するとなったら近くのホテルに前泊する人がいたそう。現在は参考商品
右/イケアのロンTをモチーフにし、フォントをそろえたブランドロゴを配した。
【Designer】Ueda yuki/ウエダ ユウキ
販売員時代に服作りを覚え、ハイブランドか らビンテージまで幅広い知識を持つ。招待され たバンクーバーコレクションに向け現在奮闘中。独特の製法と肘のレ ザーパッチ。首の後ろの丸いステッチはブラ ンドのアイコン。風合 いのよさも手に取って確かめて。
「ファストファッションに依存すると感性が鈍る」
――ファスト系は人気ですよね。安定感があり安いし僕も持っています。ただ、みんな頼りすぎてはいないで しょうか? 群れたがる若者は増え一方。このままだと、個性的な服を着たいけど、孤立するのが恐くて 本当に買いたい服を買えないという子が本気で出てくるんじゃないかと心配です。
しかも最近は、ハイブラ ンドのデザインを怒られない程度に 似せているものがおもしろいようにあるんです。 当然、安いから買いますよね。でも、そのデザインの背景を知るべきです。価格もそうで、値段には理由があり、低価格=材料費も安いはずなのです。 そういう事実や想像力を洋服から感じとれるような人が増えてほしい。オシャレしたくて服を買うのに、鈍感でいるとレベルは上がりません。
あと、日本人はインポートものも好きです。伊勢丹の一番目立つ位置はいつも海外ブランド。日本のものを見たことがありません。でも、日本はものづくりが得意。アパレル店員をしていた頃は、海外からのお客に「これは日本製?」ってよく聞かれたものです。車も電化製品も海外で人気ですよね。
――若い世代は、デザインや品質より、価格で決めてしまう現状がもったいないと思うのです。もっと思い入れのある洋服を着ましょうよ。『10年前に買った服だけど、まだ気に入ってて捨てられないんだよね』とか、そんな服談議って楽しいですよ。
FINEBOYS編集部
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