東京オリンピック「元電通専務の企業に招致委から約9億円」ロイター報道 本人は否定

3/31(火) 21:32配信

毎日新聞

 

 

 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会理事を務める大手広告代理店「電通」元専務の高橋治之氏(75)が、招致委員会から820万ドル(約8億9000万円)を受け取り、国際オリンピック委員会(IOC)委員らにロビー活動をしていたとロイター通信が30日、報じた。高橋氏は毎日新聞の取材に「真実ではない。まるでうそ」と真っ向から否定した。

 報道によると、ロイター通信は招致委から高橋氏が会長を務める会社への送金を裏付ける銀行口座記録を入手したという。高橋氏はロイター通信の取材に対し、支払いの一部はスポンサー集めに協力した「手数料」として受け取ったと説明し、「接待」のほか、マーケティングなど招致関連の活動費にあてたと回答。東京五輪招致を巡る不正疑惑で収賄容疑が持たれている、世界陸連前会長でIOC委員だったラミン・ディアク氏に腕時計やデジタルカメラを贈ったと認めた上で、賄賂など不適切なものではなかったと強調したとしている。

 関係者によると、招致委の銀行口座記録は日本側からフランス当局へ提出されている。招致委で事務局長を務めた樋口修資氏は取材に「経済界から寄付金を集める作業を高橋氏に任せ、手数料として数億円単位を支払っていた」と認めた。

 招致疑惑はフランス当局が捜査。招致委が2013年にシンガポールの会社「ブラックタイディングス」にコンサルタント料として支払った計約2億3000万円が、ディアク氏とその息子のパパマッサタ氏に渡り、集票工作に使われた疑いが持たれている。招致委理事長で日本オリンピック委員会会長だった竹田恒和氏が贈賄容疑で捜査を受けている。【田原和宏、小林悠太、松本晃】

 ◇東京五輪・パラリンピック招致を巡る不正疑惑

 2020年東京大会招致を巡り、招致委員会が、シンガポールのコンサルタント会社に現金約2億3000万円を送金。同社代表が、当時国際オリンピック委員会で有力委員だったラミン・ディアク氏の息子と友人で、コンサル料の一部が同氏側への賄賂として流れた疑いがあるとして、フランス検察当局が捜査している。ディアク氏は招致で東京を支持。フランスでは、民間同士の賄賂のやりとりでも贈収賄罪が成立する。招致委理事長だった竹田恒和・日本オリンピック委員会(JOC)前会長は、疑惑を否定したが、フランス当局は重大事件の公判前に裁判所が捜査する「予審」の手続きに移行。竹田氏はJOC会長辞任に追い込まれた

 

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