日本では、待ちに待っていた、SONYさんの、

 

SONY mora qualitas ;

 

 

欠点はあるが、

それを補えるメリット

 

「ハイレゾ」と「音質」で他を圧倒

 

 

 

 

 

 

 

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https://www.phileweb.com/review/article/201910/25/3631.html

 

ソニーのハイレゾストリーミング「mora qualitas」速攻レビュー! Amazonと音質ガチ比較

 
 
編集部:押野 由宇
 
 
ソニー・ミュージックエンタテインメントの “ロスレス/ハイレゾストリーミングサービス” 「mora qualitas」が、11月25日よりスタートする。これに先行して、無料体験が10月24日から行えるようになった。早速、その使い勝手などを確かめてみたい。
 
 
 
 
 


mora qualitasは、CDクオリティのロスレス音源や最高96kHz/24bitのハイレゾ音源を取り扱う高音質ストリーミングサービス。価格は1,980円/月(税抜)で、フォーマットはFLAC方式。楽曲数は明らかにされていないが、数百万曲クラスといったところだろう。

サービスの利用はブラウザではなく、アプリをパソコンにインストールして行う。Windows/macOS向けが用意されているが、本稿ではMac版で検証を進めていきたい。

必要十分な機能を揃える、楽曲数はもう一歩

UIは後発のサービスということもあり、自由に構成できる「プレイリスト」など、ストリーミングサービスに求められる機能を一通り搭載している印象だ。松任谷由実など日本人アーティストのバイオグラフィーが日本語で表示されるあたりは、日本発のサービスならではの良さである。

ホーム画面に「TOPアルバム Hi-Res」「ニューリリース Hi-Res」などのチャートが表示されるのもありがたい。「とりあえず人気曲を聴いてみる」「新規配信の楽曲に気づく」といった新しい音楽との出会いの機会は、結局こういう場所にあることが多いからだ。

またホーム画面の上部には3組のアーティストが表示されるが、これは再生履歴などからレコメンドされて選択される。「おすすめ」などのメニューもあるため、「お気に入り」などに楽曲をどんどん追加していくことで、自分好みのソフトへ成長していくことが期待できる。
 
 
 
 

 
 

 

ホーム画面のトップには3組のクローズアップアーティストが表示され、そこから下にスクロールすると「TOPアルバム Hi-Res」「ニューリリース Hi-Res」チャートが現れる


ラインナップされる楽曲だが、ソニーが母体のサービスだからといって、ソニーミュージックやSACRA MUSICのタイトルが揃っているかというと、そうでもない。他のストリーミングサービスにあるものはあるし、ないものはない。むしろスペックを絞っている分、他サービスにはあってmora qualitasにはないものも多い。

この楽曲ラインナップは、提供側レーベルの、ストリーミングへの意向が反映されているのだろうが、できれば「邦楽が多い」「独占タイトルがある」など本サービスならではの特典が欲しかった。moraでハイレゾ配信を行っているAimerなどの曲がなく、それらが別サービスでは聴けるという状況はどうも違和感がある。もちろん今後増えていくことが予想されるので、さらなる充実に期待したい。

そのほか、アプリの反応が少し遅いことも不満点として挙げておきたい。「検索からの結果表示」「楽曲を選んで再生」など、クリックしてから動作するまで、少し時間がかかる。これは単純にストレスだし、反応していないのかとクリックを繰り返すと誤操作にもつながる。ちなみにAmazon Music HDは、反応速度はともかくとして、サンプリングレートが表示されたりしなかったり、ライブアルバムにシングル曲が収録されてたり(秦基博『evergreen』の「ひまわりの約束」など)といった挙動不審なところがある。いずれにせよ、アプリの改善は両サービスに共通する課題点だろう。

Macのキーボードにある「再生/一時停止」ボタンが使えないのも不便。音楽をじっくり聴き込む用途なら問題ないのかもしれないが、気軽に普段使いするためには対応してほしいところだ。なお「曲送り/戻し」ボタンは連動するため、曲が終了する前に次の曲に飛ばすなどすれば、一応バックグラウンドでも使えなくはない
 
 
 
 
 
 
 
 
 
唯一無二となる「“高音質”の日本対応ハイレゾ・ストリーミングサービス」

さて、他のストリーミングサービスとの違いとして挙げるべき特徴は、
 
やはり
 
「ハイレゾ」と「音質」だ。ここまでいくつか不満点も挙げたが、それを補えるメリットと言える。

まず「ハイレゾ」についてだが、最大96kHz/24bit(FLAC)での配信を実現している。ハイレゾフォーマットの音源には『HR』アイコンがついている。スペックとしては44.1kHz/24bit - 96kHz/24bitまでがハイレゾ(HR)という扱いだ。

日本でいま利用できるハイレゾ・ストリーミングサービスとしては、「Amazon Music HD」に注目が集まる。Amazon Music HDでは最大192kHz/24bitの配信が行われているため、
 
一見するとスペックで優位に思えるが
 
ヨルシカ『エルマ』など、Amazon Music HDで48kHz/24bitで配信されているものが、
 
mora qualitasでは96kHz/24bitで配信されているといったケースも確認できた。
 
 
 

 
 

 

 

 

mora qualitas(左)では96kHz/24bitで配信されている楽曲が、

 

Amazon Music HD(右)では48kHz/24bitで配信されるパターンも意外とある。

 

ちなみにmora qualitasも歌詞表示を含む機能拡大には順次対応していくとのことだ


このあたりは納品データの差かもしれないし、
アップコンバートやダウンコンバートをしているかどうかが差になっているのかもしれないが、
情報が少ないためなんともいえない。
 
Amazon Music HDでは、このあたりの情報は明らかにされていない。

また現時点で、
 
Macを使った再生時の「音質」においては、明らかにmora qualitasが勝っている。
 
これは、いわゆる
 
「排他モード」をAmazon Music HDは装備していないことが大きい。
 
 
オーディオエンジン、コアオーディオを通ってしまうAmazon Music HDに対し、
 
mora qualitasでは排他モードでDACと接続して再生できるため、
 
その違いが音質の差として如実に現れる。
 
 
ただし、Amazon Music HDの再生機能を機器に内蔵している場合は、こういった問題が起きない可能性があるため、
単純には比較できないことを付言しておきたい。
 
あくまでMac+USB-DACで聴いたときの音質の違いと捉えて欲しい。
 
 
 
 
 


 

 

「排他モード」の実装がオーディオ的な注目ポイント


まず、同一タイトルを96kHz/24bit(Amazon Music HD)と96kHz/24bit(mora qualitas)で聴き比べてみたが、
 
mora qualitasの方が明らかに音が良い。
 
私だけでなく、ほかの編集部員がブラインドテストで確かめてみても、すぐに音の差を感じられるレベルだった。
 
 
少し大げさに聞こえるかもしれないが、mora qualitasと比べると、
Amazon Music HDが圧縮ストリーミングに感じられるほどなのだ。
 
特に楽器の繊細なタッチ、コーラスの厚みや広がりなどで違いが現れるので、大抵の楽曲で、イントロを聴くだけで差が分かる。
 
 
 
 


 

 

 

実力を確かめるべく、ハイエンドオーディオシステムで試聴した

 
 

次に192kHz/24bit(Amazon Music HD)と96kHz/24bit(mora qualitas)で聴き比べてみたが、

 

やっぱりmora qualitasの方が明らかに情報量が多く、

 

ハイレゾらしい聴こえ方だ。

 

 

またmora qualitasで配信されている44.1kHz/16bitと96kHz/24bitの同一タイトルを聴き比べても、やはり差が分かるので、

 

 

ハイレゾかそうでないかによる違いを体感できるクオリティを備えているということだ。

 

 

 

 

 
 

 

Eagles「Hotel California(2013 Remaster)」を比較視聴。

左のmora qualitasが96kHz/24bitで、右のAmazon Music HDが192kHz/24bitだ


加えて、念のためSpotifyと44.1kHz/16bit(mora qualitas)で同一タイトルを聴き比べたが、

当然ながら、mora qualitasに軍配が上がる。

現段階ではまだリリースされていないが、

 

mora qualitasにはモバイル向けアプリも予定されている

 

CDクオリティのロスレス配信はモバイル環境での試聴でも音質的恩恵が受けられそうだが、

 

パケット消費は気になる。

オフライン再生も実装予定だが、いずれにせよWi-Fi環境や使い放題プランでの利用を推奨したい。

mora qualitasの月額1,980円という金額設定は、強気にも思える。

ただ、TIDAL(19.99ドル/月)や

Qobuz(24.99ドル/月)といった、

 

日本で正式に開始していないサービスと比べて安いことは指摘しておきたい。

 

それでは、Amazon Music HDの1,780円/月

 

 

と比較してどうかと言うと、ここは音質とのトレードオフをどう捉えるかだろう。

44.1kHz/16bitの配信音源も含めれば、Amazon Music HDの楽曲数は膨大。

 

Amazonユーザーであれば、Amazonが提供する他のサービスと一元管理できるのも何かと便利なはずだ。

 

しかし、『ハイレゾを高音質で楽しめる日本語対応ストリーミングサービス』というmora qualitasの特徴を求める方には、払っても惜しくない金額とも言える。

ちなみに、Amazon Music HDは90日間の無料体験期間を用意している。

 

mora qualitasは10月24日から1ヶ月の先行無料体験をスタートしたが、11月25日の正式サービスインから、さらに30日間の無料体験も可能だ。どちらも十分な期間タダで試せるので、まずは触ってみるのが一番だ。