浸水被害3万3616棟 決壊64河川111カ所 台風19号

10/17(木) 11:05配信

毎日新聞

 

 記録的な大雨となった台風19号による深刻な住宅被害が明らかになってきた。総務省消防庁が発表した17日午前5時時点の集計では、床上と床下を合わせた浸水被害に遭った住宅は東北や関東を中心に20都県の計3万3616棟に達し、河川の堤防の決壊や氾濫の影響が広範囲に及んだ実態が浮かんだ。週末には低気圧や前線の影響で再び大雨になる恐れもあり、気象庁は河川氾濫や土砂災害への警戒を呼びかけている。

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 浸水した住宅は、都道府県別で栃木の1万8082棟が最多。長野3761棟▽埼玉2591棟▽静岡2457棟▽宮城1908棟▽茨城1696棟▽福島1546棟――と続く。一部損壊を含めた住宅の損壊被害は計1765棟。ただ、各県の担当者らによると、実地調査は追いついておらず、数字は膨らむ可能性が高い。

 栃木県では、国や県が管理する河川が多数集まり、永野川などが氾濫した栃木市に被害が集中している。市危機管理課の担当者は「未曽有の災害だった(2015年の)関東・東北豪雨の約2600棟よりもはるかに大きい。ゴミの回収や消毒作業が追いつかない」と話す。

 近年の主な豪雨災害の住宅被害は損壊と浸水を合わせると、西日本豪雨(18年)5万1110棟▽九州北部豪雨(17年)3864棟▽関東・東北豪雨(15年)2万3337棟――だった。

 国土交通省によると、台風19号で堤防が決壊したのは、宮城、福島、長野など7県で64河川111カ所(17日午前5時時点)になった。毎日新聞の集計では、全国で77人が死亡し、16人が行方不明となっている。内閣府によると、16日時点で13都県の4252人が避難所に身を寄せている。

 気象庁によると、関東甲信越と東北の各地方では、発達した低気圧や前線の影響で18日からまとまった雨が降る見込みだ。19日まで降り続く見通しで、一部地域で大雨も予想される。

 関東甲信で18日午後6時までの24時間で予想される雨量は、多い所で関東南部・甲信50~100ミリ、関東北部50ミリ。台風19号で堤防が決壊した被災地では洪水の危険性が高まるほか、地盤の緩んだ場所では土砂災害の恐れもある。【二村祐士朗、鈴木理之、大久保昂】

 

 

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