文在寅政権はバカげている
日本政府は、8月2日の閣議で韓国を「ホワイト国」から外す決定を行う見通しだ。
現実にはその3週間後に決定が施行されるが、これに先立って、韓国の李洛淵首相は日本に対して外交的解決を求めるとともに、「予期せぬ事態」となる可能性を指摘。また、韓国の康京和外相は河野太郎外相との電話会談で、日本の輸出管理の運用見直しを撤回するよう求めている。
【現場はパニック!】日本人は知らない、いま韓国でほんとうに起きていること…
これまで韓国は、日本に運用の見直しの撤回を求め、それを国際社会に訴えるだけで、この問題と真剣に取り組もうとしていない。そこにあるのは、文在寅政権の政策運営に見られるバカげた特質である。
文政権の政策運営の特質は、(1)現実無視、(2)国益無視、(3)二枚舌、二重基準(4)誤りを認めず謝罪しない、(5)無為無策である。それは日韓関係に限らず、政治、経済、外交、日韓関係全てに共通するものである。
韓国が、日本の輸出管理の運用問題にいかに向き合ってきたかは、文在寅政権の特質が顕著に表れた事例といえる(拙書『文在寅という災厄』ご参照)。
日本では、日韓関係がこれまでこじれてきたのを対話によって解決すべきとする有力な意見がある。外交の大原則は交渉による解決であり、私もその意見には反対ではない。
しかし、現実を見ると、文在寅氏のやり方では、問題解決の取っ掛かりはない。日本の一方的譲歩による解決もない。
現実にはその3週間後に決定が施行されるが、これに先立って、韓国の李洛淵首相は日本に対して外交的解決を求めるとともに、「予期せぬ事態」となる可能性を指摘。また、韓国の康京和外相は河野太郎外相との電話会談で、日本の輸出管理の運用見直しを撤回するよう求めている。
【現場はパニック!】日本人は知らない、いま韓国でほんとうに起きていること…
これまで韓国は、日本に運用の見直しの撤回を求め、それを国際社会に訴えるだけで、この問題と真剣に取り組もうとしていない。そこにあるのは、文在寅政権の政策運営に見られるバカげた特質である。
文政権の政策運営の特質は、(1)現実無視、(2)国益無視、(3)二枚舌、二重基準(4)誤りを認めず謝罪しない、(5)無為無策である。それは日韓関係に限らず、政治、経済、外交、日韓関係全てに共通するものである。
韓国が、日本の輸出管理の運用問題にいかに向き合ってきたかは、文在寅政権の特質が顕著に表れた事例といえる(拙書『文在寅という災厄』ご参照)。
日本では、日韓関係がこれまでこじれてきたのを対話によって解決すべきとする有力な意見がある。外交の大原則は交渉による解決であり、私もその意見には反対ではない。
しかし、現実を見ると、文在寅氏のやり方では、問題解決の取っ掛かりはない。日本の一方的譲歩による解決もない。
文在政権の「現実無視」と「国益無視」
文在寅政権の政策の特質が、日本の輸出管理の厳格化問題への対応にいかに表れているか。以下、具体的に見ていきたい。
まず「現実無視」については、今回の輸出規制はあくまでも日本における輸出管理の国内運用上の問題であるという点を文政権は完全に無視している。仮に日本が本気で韓国に報復するつもりであれば、日本はフッ化水素等3品目を完全に輸出禁止にしていたであろう。
それでも文政権は、徴用工に対する報復だとして、WTOで訴え、米国にも助けを求めている。しかし、WTOでは韓国の主張に対する賛同の声は聴かれず、米国もまず日韓で問題を処理せよとの立場と聞く。韓国は問題をすり替えることにより、自国の輸出管理の適正化に向けた対応を取っていない。これでは問題解決のしようがない。
北朝鮮問題でも然り、である。
たとえばベトナムでの米朝首脳会談で、北朝鮮に非核化の意思がないことが明らかとなった。しかし、韓国(中、ロは建前上同調)だけは非核化の意思を信じているようである。韓国の外交の中心は北朝鮮問題である。その北朝鮮問題で非現実的な見解を主張する韓国に、韓国の国際的信認は崩れている。
次に「国益無視」だが、それは日本がこれまで韓国を支援してきたにもかかわらず、文政権が日本を軽視する姿勢に終始していることに如実に表れている。日本が徴用工問題で、最高裁判決が国際法に反しており、そうした状態を改善するよう求めてきたが、日本の仲裁委員会開催要求に応じず、無視し続けてもいる。
文政権2周年の際、進歩系の元老を集めた意見交換会で、日韓関係の改善を提言され、文在寅氏は「日本が歴史問題を政治利用している」と答えた由。これに対し進歩系の元老でさえ、政治利用しているのは文氏の方だとマスコミに語ったようである。
日本はこれまで韓国が国際社会で活躍ができるよう支援してきた。また、経済面でも韓国を支援してきた。そうした日本との対立を助長していても国益を損なわないと考えているとすれば、文政権の体質が邪魔をしているのであろう
まず「現実無視」については、今回の輸出規制はあくまでも日本における輸出管理の国内運用上の問題であるという点を文政権は完全に無視している。仮に日本が本気で韓国に報復するつもりであれば、日本はフッ化水素等3品目を完全に輸出禁止にしていたであろう。
それでも文政権は、徴用工に対する報復だとして、WTOで訴え、米国にも助けを求めている。しかし、WTOでは韓国の主張に対する賛同の声は聴かれず、米国もまず日韓で問題を処理せよとの立場と聞く。韓国は問題をすり替えることにより、自国の輸出管理の適正化に向けた対応を取っていない。これでは問題解決のしようがない。
北朝鮮問題でも然り、である。
たとえばベトナムでの米朝首脳会談で、北朝鮮に非核化の意思がないことが明らかとなった。しかし、韓国(中、ロは建前上同調)だけは非核化の意思を信じているようである。韓国の外交の中心は北朝鮮問題である。その北朝鮮問題で非現実的な見解を主張する韓国に、韓国の国際的信認は崩れている。
次に「国益無視」だが、それは日本がこれまで韓国を支援してきたにもかかわらず、文政権が日本を軽視する姿勢に終始していることに如実に表れている。日本が徴用工問題で、最高裁判決が国際法に反しており、そうした状態を改善するよう求めてきたが、日本の仲裁委員会開催要求に応じず、無視し続けてもいる。
文政権2周年の際、進歩系の元老を集めた意見交換会で、日韓関係の改善を提言され、文在寅氏は「日本が歴史問題を政治利用している」と答えた由。これに対し進歩系の元老でさえ、政治利用しているのは文氏の方だとマスコミに語ったようである。
日本はこれまで韓国が国際社会で活躍ができるよう支援してきた。また、経済面でも韓国を支援してきた。そうした日本との対立を助長していても国益を損なわないと考えているとすれば、文政権の体質が邪魔をしているのであろう
文氏の就任演説は「ウソの饗宴」
そもそも安全保障を確保することが大統領の最大の役割の一つであるが、文氏は米国との事前の調整もなく、38度線沿いの偵察飛行、米韓合同軍事演習を中止する合意を北朝鮮と結び、韓国の国防力を著しく損なってしまった。何か共通するものを感じる。
では、「二枚舌、二重基準」についてはどうか。
文政権は日本との外交交渉による輸出管理問題の決着を目指している。しかし、文政権は日本が徴用工問題への報復として輸出管理の運用見直しを持ち出しているといいながら、徴用工の問題をまず話し合おうという姿勢は見せておらず、輸出管理の問題への話合いのみを求めている。
日本は輸出管理の問題は国内の運用の問題であるから韓国と協議する事項ではないとの立場である。しかし、韓国は協議と撤回を求めている。反面、徴用工の判決は司法の判断であるから行政府はどうしようもないと言い張る。
行政府として、個人の補償は韓国政府が担当するなどできることはあるはずである。日本に協議を求めるのなら、徴用工についても司法の判断を振りかざすべきではない。
文在寅政権は、内政問題で積弊の清算を最重要視している。積弊の精算はそもそも就任演説にはなかったが、就任直後から最重要課題に浮かび上がってきた。朝鮮日報は、文氏の就任演説は「ウソの饗宴」と揶揄している。
文政権の言動不一致は様々な分野に及び、米韓首脳会談のブリーフなどでも、自分に都合のいいことばかりいい、必ず食い違う。これでは、文政権を信頼することは困難である。
では、「二枚舌、二重基準」についてはどうか。
文政権は日本との外交交渉による輸出管理問題の決着を目指している。しかし、文政権は日本が徴用工問題への報復として輸出管理の運用見直しを持ち出しているといいながら、徴用工の問題をまず話し合おうという姿勢は見せておらず、輸出管理の問題への話合いのみを求めている。
日本は輸出管理の問題は国内の運用の問題であるから韓国と協議する事項ではないとの立場である。しかし、韓国は協議と撤回を求めている。反面、徴用工の判決は司法の判断であるから行政府はどうしようもないと言い張る。
行政府として、個人の補償は韓国政府が担当するなどできることはあるはずである。日本に協議を求めるのなら、徴用工についても司法の判断を振りかざすべきではない。
文在寅政権は、内政問題で積弊の清算を最重要視している。積弊の精算はそもそも就任演説にはなかったが、就任直後から最重要課題に浮かび上がってきた。朝鮮日報は、文氏の就任演説は「ウソの饗宴」と揶揄している。
文政権の言動不一致は様々な分野に及び、米韓首脳会談のブリーフなどでも、自分に都合のいいことばかりいい、必ず食い違う。これでは、文政権を信頼することは困難である。
日本への有効な対策などない
文在寅政権の「誤りを認めず、謝罪しない」という特質も際立っている。
確かに日韓関係の対立の発端が徴用工問題に遡ることは否定しえないが、そもそも韓国最高裁の判決が文在寅氏の意向に沿うもので、結果として過去の日韓関係の基盤を損なっているというのが現実である。
当初文政権は日本がこれほど強く反発するとは予想していなかったと見え、判決後も日韓の未来志向的な関係はマネージしていきたいなどと主張していた。こうした韓国最高裁の判決、そしてそれをもたらした、文政権の判断は明らかに誤りである。
その背景には、日本がもはや韓国のごり押しを認めなくなっていることを理解していなかった甘えの構造があげられる。しかし、文政権は、こうした政策の失敗を改め、日本と話し合いの可決を模索するどころか、むしろ開き直って自分に都合のいい主張を繰り返しているわけだ。
これはレーダー照射問題で採ってきた態度と同じである。経済政策の失敗を認めないのも同じ構図である。
確かに文政権は1度だけ、最低賃金の公約を守れなかったときのみ謝罪したが、それはもはや韓国経済が耐えられなくなったときであり、日本との関係では、反日を貫くことが、自分にとって有利と考えているので、今の時点で、日本に妥協し、日本にこれまでの反日を謝罪することは考えられない。
ただ、韓国経済が危機的状態となった時にどう決断するかであろう。
文在寅政権の「無為無策」については、最近の韓国側の動きを見ているとこれが如実になってきていることがわかる。
たとえば日本輸出管理の厳格化に対する韓国の対応を見ていると、WTOと米国に訴える、素材生産の技術開発をする、国民に反日で団結を求めることくらい。短期的にこの問題の解決を見出す努力は全くと言っていいくらい何もしていない。というより、日本に対して有効な対策がないという方が正確かもしれない。
であれば、日本といかなる線で妥協を図っていくか考える以外ないはずであるが、日本に対して強硬姿勢を貫くことで国民受けするだけである。徴用工問題で如何に対応するか、8か月間考えてきたにもかかわらず、日本が納得しうる対案はなかった。というより、自分の支持母体の意向に反する対策は出したくなかったのだ
確かに日韓関係の対立の発端が徴用工問題に遡ることは否定しえないが、そもそも韓国最高裁の判決が文在寅氏の意向に沿うもので、結果として過去の日韓関係の基盤を損なっているというのが現実である。
当初文政権は日本がこれほど強く反発するとは予想していなかったと見え、判決後も日韓の未来志向的な関係はマネージしていきたいなどと主張していた。こうした韓国最高裁の判決、そしてそれをもたらした、文政権の判断は明らかに誤りである。
その背景には、日本がもはや韓国のごり押しを認めなくなっていることを理解していなかった甘えの構造があげられる。しかし、文政権は、こうした政策の失敗を改め、日本と話し合いの可決を模索するどころか、むしろ開き直って自分に都合のいい主張を繰り返しているわけだ。
これはレーダー照射問題で採ってきた態度と同じである。経済政策の失敗を認めないのも同じ構図である。
確かに文政権は1度だけ、最低賃金の公約を守れなかったときのみ謝罪したが、それはもはや韓国経済が耐えられなくなったときであり、日本との関係では、反日を貫くことが、自分にとって有利と考えているので、今の時点で、日本に妥協し、日本にこれまでの反日を謝罪することは考えられない。
ただ、韓国経済が危機的状態となった時にどう決断するかであろう。
文在寅政権の「無為無策」については、最近の韓国側の動きを見ているとこれが如実になってきていることがわかる。
たとえば日本輸出管理の厳格化に対する韓国の対応を見ていると、WTOと米国に訴える、素材生産の技術開発をする、国民に反日で団結を求めることくらい。短期的にこの問題の解決を見出す努力は全くと言っていいくらい何もしていない。というより、日本に対して有効な対策がないという方が正確かもしれない。
であれば、日本といかなる線で妥協を図っていくか考える以外ないはずであるが、日本に対して強硬姿勢を貫くことで国民受けするだけである。徴用工問題で如何に対応するか、8か月間考えてきたにもかかわらず、日本が納得しうる対案はなかった。というより、自分の支持母体の意向に反する対策は出したくなかったのだ
文在寅政権は変わらない
このように輸出管理の問題では、文在寅政権は「韓国の対応には問題がない」と言うばかりだ。韓国の不正輸出が見つかった156件について、どの企業がかかわったのか、最終目的地はどこか調べたくないのであろう。
これらの物質の行き先はいずれも北朝鮮に近い国である。北朝鮮への流出がないというのであればそれを証明すべきである。日本が濡れ衣を着せたと日本を非難するだけでは韓国の潔白は証明されない。
そもそも、北朝鮮については制裁違反の疑いがあってもその調査には消極的であり、隠せるだけ隠そうとの対応である。金正恩の機嫌を損ないたくない、という姿勢では北朝鮮の非核化をもたらすことはできない。
このように今回の輸出管理問題に対する文在寅政権の対応は、すべての国政にわたる特質を反映したものである。
現状においても、国政は支離滅裂であり、韓国が今後ますます困難な局面に追い込まれていくであろうことは容易に想像できする。しかし、それでも政策の方向性を変えようとしない文政権である。
すでに、韓国の経済は成長率、生産、投資、輸出、消費、雇用の全ての面で落ち込みが顕著である。
今後一層の落ち込みが予想される中、文政権は日本の輸出管理のせいにするであろう。しかし実態は、文政権の経済運営がはたんしており、それに日本の措置が上乗せされた複合的な不況である。
これらの物質の行き先はいずれも北朝鮮に近い国である。北朝鮮への流出がないというのであればそれを証明すべきである。日本が濡れ衣を着せたと日本を非難するだけでは韓国の潔白は証明されない。
そもそも、北朝鮮については制裁違反の疑いがあってもその調査には消極的であり、隠せるだけ隠そうとの対応である。金正恩の機嫌を損ないたくない、という姿勢では北朝鮮の非核化をもたらすことはできない。
このように今回の輸出管理問題に対する文在寅政権の対応は、すべての国政にわたる特質を反映したものである。
現状においても、国政は支離滅裂であり、韓国が今後ますます困難な局面に追い込まれていくであろうことは容易に想像できする。しかし、それでも政策の方向性を変えようとしない文政権である。
すでに、韓国の経済は成長率、生産、投資、輸出、消費、雇用の全ての面で落ち込みが顕著である。
今後一層の落ち込みが予想される中、文政権は日本の輸出管理のせいにするであろう。しかし実態は、文政権の経済運営がはたんしており、それに日本の措置が上乗せされた複合的な不況である。
文在寅政権とは有意義な対話は困難
政治の面では、積弊清算を進め、保守派の貢献を否定する歴史歪曲によって国民の分断を図っている。安全保障面では北朝鮮との不用意な合意により韓国の安保を危機に晒している。北朝鮮に寄り添った非現実的な外国により韓国の信認を失わせている。
これだけの失政を続ければ、政権に対する国民の信任が失われ、支持率も大幅に低下しても不思議ではないが、現実にはそうなっていないのは何故か。
それは文政権の独裁的体制が今のところ機能しているということであろう。政府の局長以上の要職を学生運動出身などの政治活動家がしめ、一般の国民の声が届かなくなっている。また、言論、司法のあらゆる分野で支配体制を強化し、進歩派政権が20年以上続く基板を構築しようとしている。
国民世論も抑えており、日本との対立によって国民の支持率は上がっている。
文在寅政権は今後さらに3年近く続く。その間何もしなくていいのかという声を聞く。常識的に考えそれは正論である。しかし、基本的なところで文政権が譲歩しない限り、日本側から譲歩することは、将来の日韓関係に禍根を残すと考える。
韓国は日本にとって重要な国である。であればこそ、日韓の関係の在り方を見直し、対等な関係、日本が一方的に譲歩しなくてもいい関係を構築すべきである。そのため、3年間の対立は将来の日韓関係にとって必要な犠牲なのかもしれない。
これだけの失政を続ければ、政権に対する国民の信任が失われ、支持率も大幅に低下しても不思議ではないが、現実にはそうなっていないのは何故か。
それは文政権の独裁的体制が今のところ機能しているということであろう。政府の局長以上の要職を学生運動出身などの政治活動家がしめ、一般の国民の声が届かなくなっている。また、言論、司法のあらゆる分野で支配体制を強化し、進歩派政権が20年以上続く基板を構築しようとしている。
国民世論も抑えており、日本との対立によって国民の支持率は上がっている。
文在寅政権は今後さらに3年近く続く。その間何もしなくていいのかという声を聞く。常識的に考えそれは正論である。しかし、基本的なところで文政権が譲歩しない限り、日本側から譲歩することは、将来の日韓関係に禍根を残すと考える。
韓国は日本にとって重要な国である。であればこそ、日韓の関係の在り方を見直し、対等な関係、日本が一方的に譲歩しなくてもいい関係を構築すべきである。そのため、3年間の対立は将来の日韓関係にとって必要な犠牲なのかもしれない。
武藤 正敏