ゲームなどをきっかけにここ数年ブームとなっている「日本刀」。展覧会だけではなく、刀にゆかりがある意外な場所にも大行列ができています。そこまで人を引き付ける日本刀の魅力とは?
宮司も驚き!「刀剣乱舞」人気で無名の神社に女性客殺到
京都・東山区にある井伊美術館で4月から始まった日本刀の展示会。目玉は、石切丸の兄弟刀「有成」。派手な刀ではありませんが、熱いまなざしを向けるのは意外にも女性たち。その理由が…。
「刀剣乱舞っていうゲームをしていて、それ関係で見に来ようかなと」(女性)
「刀剣乱舞というゲームで知って。結構刀の展示とかも多かったので見に行くようになって」
女性たちを魅了し、全国各地で日本刀の展示会が増えているきっかけのひとつが『刀剣乱舞』。刀剣乱舞とは、刀をモチーフとした美少年のキャラクターたちをコレクションしながら戦うゲームで、アニメや舞台、さらには映画にもなっている女性に人気のコンテンツです。この日本刀ブームで、意外な場所が注目を集めています。
「全然無名だったので、刀剣乱舞のユーザーの方たちがわざわざツイートしてくださって、爆発的に広まったので、本当にありがたいと思っています」(相槌神社 高月清子宮司)
京都・八幡市の相槌神社。月に2回しか社務所が開かない小さな神社で、決して参拝客が大勢訪れる神社ではありませんでした。
「刀剣乱舞っていうゲームをしていて、それ関係で見に来ようかなと」(女性)
「刀剣乱舞というゲームで知って。結構刀の展示とかも多かったので見に行くようになって」
女性たちを魅了し、全国各地で日本刀の展示会が増えているきっかけのひとつが『刀剣乱舞』。刀剣乱舞とは、刀をモチーフとした美少年のキャラクターたちをコレクションしながら戦うゲームで、アニメや舞台、さらには映画にもなっている女性に人気のコンテンツです。この日本刀ブームで、意外な場所が注目を集めています。
「全然無名だったので、刀剣乱舞のユーザーの方たちがわざわざツイートしてくださって、爆発的に広まったので、本当にありがたいと思っています」(相槌神社 高月清子宮司)
京都・八幡市の相槌神社。月に2回しか社務所が開かない小さな神社で、決して参拝客が大勢訪れる神社ではありませんでした。
しかし…
「今から社務所あけさせていただきますので、番号お呼びしますので、1番の方から中にお入りください」(高月清子宮司)
ゴールデンウィークの中日、神社に行ってみると大行列が。午前9時半には、神社の境内には収まりきらない約300人が並んでいました。やはり、並んでいるほとんどが女性。そのお目当ては、御朱印です。
「今から社務所あけさせていただきますので、番号お呼びしますので、1番の方から中にお入りください」(高月清子宮司)
ゴールデンウィークの中日、神社に行ってみると大行列が。午前9時半には、神社の境内には収まりきらない約300人が並んでいました。やはり、並んでいるほとんどが女性。そのお目当ては、御朱印です。
しかし、相槌神社には日本刀はありません。並んでまで御朱印を欲しがる理由を尋ねてみると…
「キャラが元々刀なんですけど、ここの井戸の水を使って打たれたっていう」(女性)
「絶対みんな知ってますね、特に源氏の2人『髭切』と『膝丸』が好きな人は絶対知ってます。絶対1回は来ます」(女性)
「2つ対になる刀なんですよ。なのでどっちかが欠けてもダメ」(女性)
つまり、刀剣乱舞の人気キャラクター「髭切」と「膝丸」のゆかりの場所だというのです。これがSNSで話題となったのが去年9月ごろ。次第に大勢の参拝客が訪れるようになりました。この日は過去最高の人数が集まり、宮司らは7時間休むことなく御朱印を書き続けました。
うれしい悲鳴は、参拝客が増えただけではありません。
「献灯台の頭がぐらついて、屋根と下がブロックなんです。非常に危ないと思って」(高月清子宮司)
今年1月、クラウドファンディングで老朽化した献灯台などの修繕費を募ると、わずか5時間で目標額の74万円が集まりました。
「集まらなかったらどうしようと思って、非常に(始める)前日から不安だったんですけど、蓋を開けてみたらこの額が5時間でいったので、本当にありがたい限りで」(高月清子宮司)
最終的には目標額を大きく上回る400万円以上の支援が集まりました。相槌神社では今後、社務所や井戸なども修繕する予定です
「キャラが元々刀なんですけど、ここの井戸の水を使って打たれたっていう」(女性)
「絶対みんな知ってますね、特に源氏の2人『髭切』と『膝丸』が好きな人は絶対知ってます。絶対1回は来ます」(女性)
「2つ対になる刀なんですよ。なのでどっちかが欠けてもダメ」(女性)
つまり、刀剣乱舞の人気キャラクター「髭切」と「膝丸」のゆかりの場所だというのです。これがSNSで話題となったのが去年9月ごろ。次第に大勢の参拝客が訪れるようになりました。この日は過去最高の人数が集まり、宮司らは7時間休むことなく御朱印を書き続けました。
うれしい悲鳴は、参拝客が増えただけではありません。
「献灯台の頭がぐらついて、屋根と下がブロックなんです。非常に危ないと思って」(高月清子宮司)
今年1月、クラウドファンディングで老朽化した献灯台などの修繕費を募ると、わずか5時間で目標額の74万円が集まりました。
「集まらなかったらどうしようと思って、非常に(始める)前日から不安だったんですけど、蓋を開けてみたらこの額が5時間でいったので、本当にありがたい限りで」(高月清子宮司)
最終的には目標額を大きく上回る400万円以上の支援が集まりました。相槌神社では今後、社務所や井戸なども修繕する予定です
発見される日本刀の数も増え研師の仕事も増加
日本刀ブームを感じているのは、神社だけではありません。日本刀研磨専門の研師である玉置城二さんら職人たちにも、いい影響が出ているといいます。
「近年は発見される日本刀の数もグンと増えてると思います。神社とかお寺とかから発見されたので、それを研いでくださいという依頼は一気に増えました」(日本刀研師 玉置城二さん)
今まで錆びたまま神社や寺に眠っていた刀が積極的に展示されるようになり、仕事が増えました。
「近年は発見される日本刀の数もグンと増えてると思います。神社とかお寺とかから発見されたので、それを研いでくださいという依頼は一気に増えました」(日本刀研師 玉置城二さん)
今まで錆びたまま神社や寺に眠っていた刀が積極的に展示されるようになり、仕事が増えました。
日本刀に欠かせない「内曇」
日本刀の研磨には、荒く研ぐ工程と仕上げの工程、大きく2つの作業があります。その仕上げに欠かせないのが、天然の砥石「内曇(うちぐもり)」です。
「内曇を薄くスライスして、和紙を漆で貼っている。天然砥石のサンドペーパーみたいな、そんな感じ」(玉置城二さん)
「内曇を薄くスライスして、和紙を漆で貼っている。天然砥石のサンドペーパーみたいな、そんな感じ」(玉置城二さん)
仕上げでは、刀を光らせ過ぎず少し曇らせます。日本刀の特徴ともいえる刃紋の良し悪しは、天然砥石によって決まります。
「人造砥石でやると鏡面状にピカピカと光ってしまって、刃文が浮き出てこないんで、内曇という砥石を使わないと刃文が出ません」(玉置城二さん)
しかし、この「内曇」は元々稀少だった上、掘りつくされたと言われ10年ほどは新しい商品が流通していませんでした。研師たちにとって内曇の確保が最大の悩みでした。
「だいぶ以前からなんですけど良質の天然砥石、特に『内曇』その辺が入手困難状況」(玉置城二さん)
Q.(内曇がないと)日本刀文化はどうなる?
「終わりますね。絶対必要なものです」
「人造砥石でやると鏡面状にピカピカと光ってしまって、刃文が浮き出てこないんで、内曇という砥石を使わないと刃文が出ません」(玉置城二さん)
しかし、この「内曇」は元々稀少だった上、掘りつくされたと言われ10年ほどは新しい商品が流通していませんでした。研師たちにとって内曇の確保が最大の悩みでした。
「だいぶ以前からなんですけど良質の天然砥石、特に『内曇』その辺が入手困難状況」(玉置城二さん)
Q.(内曇がないと)日本刀文化はどうなる?
「終わりますね。絶対必要なものです」
新しく「内曇」の地層を掘り当てた亀岡の採掘職人
そんな中、京都・亀岡市から朗報が舞い込みました。
「ここで新しい石が出たんですよ、あそこを掘り出したんですよ」(土橋要造さん)
土橋要造さんは砥石を採掘する「砥取家」の4代目。長年の勘を頼りに、去年秋ごろ新しく「内曇」の地層を掘り当てました。このおかげで、日本で唯一安定的に内曇の採掘と製造ができるようになりました。
「今まで取れた山も数少なくて、そこも枯渇して閉山しましたんで、もう他にはありません」(砥取家 土橋要造さん)
元々、亀岡市は天然砥石の産地で約300人の職人がいました。しかし、人造砥石の普及などで次々閉業し今では1人に。内曇が不足する背景には、こうした採掘業界の衰退もありました。
「人造砥石もすごくいいものが出てきて、ここ一番にこれだけはまだまだ天然砥石を上回るものはできていませんので」(土橋要造さん)
亀岡市でただ1人の採掘職人となった土橋さん。さらなる天然砥石の発掘を目指しています。
「これから皆さんに喜んでもらえる量を出して、安定供給したいなと思ってます」(土橋要造さん)
人々を魅了する美しい日本刀。そのブームは職人たちの陰の努力により支えられています。
「ここで新しい石が出たんですよ、あそこを掘り出したんですよ」(土橋要造さん)
土橋要造さんは砥石を採掘する「砥取家」の4代目。長年の勘を頼りに、去年秋ごろ新しく「内曇」の地層を掘り当てました。このおかげで、日本で唯一安定的に内曇の採掘と製造ができるようになりました。
「今まで取れた山も数少なくて、そこも枯渇して閉山しましたんで、もう他にはありません」(砥取家 土橋要造さん)
元々、亀岡市は天然砥石の産地で約300人の職人がいました。しかし、人造砥石の普及などで次々閉業し今では1人に。内曇が不足する背景には、こうした採掘業界の衰退もありました。
「人造砥石もすごくいいものが出てきて、ここ一番にこれだけはまだまだ天然砥石を上回るものはできていませんので」(土橋要造さん)
亀岡市でただ1人の採掘職人となった土橋さん。さらなる天然砥石の発掘を目指しています。
「これから皆さんに喜んでもらえる量を出して、安定供給したいなと思ってます」(土橋要造さん)
人々を魅了する美しい日本刀。そのブームは職人たちの陰の努力により支えられています。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190508-00010000-mbsnews-soci&p=2
(5月7日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)
(5月7日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『特集』より)