ドンキが海外で焼き芋を売りまくっていた! “特化型”の小さな店も国際空港にオープン

4/23(火) 5:05配信
ITmedia ビジネスオンライン
 







「オープン当初から焼き芋を販売していますが、予想を上回る売れ行きです」

 総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(以下、PPIH)の広報担当者は、シンガポールにおける焼き芋の人気ぶりについてこのように説明した。

【画像】焼き芋が主力となるシンガポールの店

 日本のドンキと同様、専用の製造機に入れて販売する焼き芋が現地で支持されている。しかも、5月1日からは焼き芋がメイン商品の小型店を同国のチャンギ国際空港内にオープンするという。



なぜ焼き芋を販売するようになったのか
 まず、焼き芋を販売するようになった経緯を簡単に解説しよう。

 PPIHの前身であるドンキホーテホールディングス(HD)のグループ会社は、2017年12月に「DON DON DONKI(ドンドンドンキ)オーチャードセントラル店」をシンガポール中心部の商業施設内にオープンした。

 当時のドンキホーテHDは06年に初の海外拠点として米国ハワイ州の企業を買収しており、その後も海外展開を着実に進めてきた。

 シンガポールのDON DON DONKIは東南アジア初進出となる店舗であった。当時のプレスリリースは「これまで国内外で培った業態開発や店舗づくりのノウハウを集結した新たな挑戦となります」と位置付けている。

 DON DON DONKIは、日本製もしくは日本市場向けの商品を主たるラインアップとしており「ジャパンブランド・スペシャリティストア」をコンセプトとした東南アジア仕様の新業態店だ。生鮮食品、加工食品、家庭雑貨品、日用消耗品、バラエティグッズなどを販売しており、日本のドンキのように強烈なポップを使ったり、独自の陳列方法を実践したりしている。いわば、“シンガポール版のドンキ”といえる。

 DON DON DONKIではお客が気軽に購入して食べられるモバイルフードを提供している。1号店がオープンする前、担当者がさまざまな食品を現地の住民に試食してもらったところ、焼き芋が特に支持されたことから取り扱うことに。オープン後、焼き芋は連日行列ができるほどの人気になったという。PPIHの広報担当者は「日本独自の食べ物という点も支持されている理由ではないでしょうか」と語る。

 1~3号店だけでなく、5月8日にオープンするDON DON DONKIの4号店でも焼き芋を販売する予定で、シンガポール国内における焼き芋の知名度はますます高まるだろう





屋台風の店舗で焼き芋関連商品を売る
 5月1日、シンガポールに焼き芋を主力とした屋台風の小さな店舗がオープンする。どのようなコンセプトなのだろうか。

 新店の名称は「DON DON DONKI Sweet potato factory チャンギ国際空港ターミナル3」店だ。24時間営業で、売り場面積は約30平方メートル。「Sweet potato」という名称を使っている通り、紅はるかを使用した焼き芋をメインに、大学芋、サツマイモを使ったミルクシェイク、ポケット菓子などを扱う。空港内で気軽に食べられる商品を提供するのが狙いだ。



ドンキ化したファミマでも焼き芋が人気

 冬に食べるイメージが強い焼き芋だが、日本のスーパーでは1年中入口付近で販売しているところもある。また、18年6月、ファミリーマートはドンキのノウハウを取り入れた共同実験店を都内に3店舗オープンしているが、実験店の1つである「ファミリーマート大鳥神社前店」(東京都目黒区)では夏にもかかわらず焼き芋が月間販売数量6位、売り上げ金額5位にランクインしたこともある。

 日本より温暖なシンガポールでも焼き芋は通年で売れている。日本人だけでなく東南アジアの人々をも引き付ける“魔力”が焼き芋にはあるかもしれない。
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