体罰や、暴力は、100%厳禁なことは、当然で、言うまでもありませんが。
1) 教師に暴力を振るわそうとして、挑発する生徒が増えいている現状
2) どうやっても、いうことを聞かない生徒
3) すべての規律を、限度まで、あるいは、限度ぎりぎりまでしか、やらない、従わない生徒
4) 最悪の「モンスター・ママ」、「生意気なママ」
5) 労働時間の長さ、
6) 誰からも「尊敬されない」職業
7) 安い給料
8) 仲間の団結の薄さ
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こういう現状は、100%、改良しなくては、日本が、だめになってしまいます。
A) 給料・年収を、今の1.6倍以上にする
B) 労働時間、残業を格段に減らす
C) 仕事を、3分の2に減らす
D) 親をコントロールしたり、制限する、行政を整備する
E) せんせいや、学校が、しごとがしやすくなるように、行政が、整備する
F) いじめを、毎日、先生方は、事細かに、調査するーーーそして、その日に、即、動く
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今年1月、「体罰の現場を撮影した」とされる動画がSNS上で拡散された。東京・町田市の高校で男性教員が生活指導を巡って男子生徒と口論になり、顔を殴って、けがを負わせた様子を撮影したもので、男性教員は「カッとなって暴力をふるってしまった」と説明しているという。しかし、動画には生徒が教員を挑発する姿や撮影する生徒の笑い声なども収録されており、教員を怒らせる企みだった可能性もある。一筋縄ではいかない生徒に、教員はどう応じれば良いのか。教員の「怒りのコントロール(アンガーマネージメント)」の研修などを行っている早稲田大学の本田恵子教授に聞いた。
2012年に大阪市立桜宮高校のバスケットボール部の体罰自殺問題をきっかけに、全国で多くの体罰が明るみになり、教員も懲戒処分を受けた。その後、件数は全体的に減少したが、高校では下げ止まりとも言える状況となっている。17年末の読売新聞の調べでは、計67の都道府県・政令市教委のうち約6割が教職員の研修に「アンガーマネージメント」を導入していた。
◆少年院で効果…教員の「アンガーマネージメント」とは?
教員が生徒指導で感情的になった時、自分をコントロールする方法を学ぶのが「教員のアンガーマネージメント」です。
指導中に生徒が「キレる(感情を爆発させる)」のは「二次的感情」を見せているのであって、それを引き起こす「一次的感情」が背後にあります。抱えている問題は、一次的感情を起こさせているものの中に隠されています。
例えば、教員に対して、「キレてナメたような口を聞く」生徒の場合、「キレる」という二次的感情やその行動の裏に「大人はわかってくれない」という一次的感情があり、なぜそんな感情になったのかを探ると、その子が抱えている本当の問題を見つけることができる場合もあります。
生徒指導の本来の目的は、それを見つけて解決することです。まずは生徒の話を受け止め、聞いてあげることから始める必要があります。
こうした方法に対しては「そんな生ぬるいことで、子どもは変わらない」という批判的な意見もあります。しかし、刑務所や少年院などに勤める刑務官に導入され、入所者の問題行動が減るなど、効果が確認されています。対応が難しい、法に触れた少年たちと接する人たちが、力で制圧する方法を選んでいないことに注目すべきです。
指導中に生徒が「キレる(感情を爆発させる)」のは「二次的感情」を見せているのであって、それを引き起こす「一次的感情」が背後にあります。抱えている問題は、一次的感情を起こさせているものの中に隠されています。
例えば、教員に対して、「キレてナメたような口を聞く」生徒の場合、「キレる」という二次的感情やその行動の裏に「大人はわかってくれない」という一次的感情があり、なぜそんな感情になったのかを探ると、その子が抱えている本当の問題を見つけることができる場合もあります。
生徒指導の本来の目的は、それを見つけて解決することです。まずは生徒の話を受け止め、聞いてあげることから始める必要があります。
こうした方法に対しては「そんな生ぬるいことで、子どもは変わらない」という批判的な意見もあります。しかし、刑務所や少年院などに勤める刑務官に導入され、入所者の問題行動が減るなど、効果が確認されています。対応が難しい、法に触れた少年たちと接する人たちが、力で制圧する方法を選んでいないことに注目すべきです。
体罰で従わせると、見えない課題がある
生徒の感情を受け止めて、話を聞くことがいかに大切か、以下のケースを紹介します。
学校の備品を壊したことを注意され、教員をバカにするような挑発行動をとった生徒がいました。教員は「ナメられてたまるか」と生徒の胸ぐらをつかんで、壁に押し付けました。この時はそこで周りの教員が止めに入りました。
その後、教員が冷静になり、生徒と向き合って話を聞くと、家庭で父親から日常的に暴力を振るわれていることがわかりました。生徒の本当の問題は、家庭での長年の虐待であり、生徒の一次的感情は「大人はみんな信用できない」という不信感であった可能性があるのです。それゆえに、大人をバカにするような態度をとっていたと推測できます。
この教員が殴って従わせようとしたら、父親と同じで問題を悪化させていたでしょう。このケースで教員は、「生徒の怒りは私にではなく、大人全体に対してかもしれない」と考えを変え、生意気な態度も「無礼」と感じなくなり、「大人を信頼できるように導き、人間性を回復させよう」と指導を変えました。
このように認知(状況の捉え方)を変えることで、状況も大きく変わることがあります。
とはいえ、目の前で挑発する生徒に対しては教員も感情的になりがちです。「キレた」生徒と対峙(たいじ)する際の技術を学ぶことも必要です。
こうした技術は学校の中だけではなく、興奮した相手、例えば自分の子どもに対して接するときにも使えると思います。
学校の備品を壊したことを注意され、教員をバカにするような挑発行動をとった生徒がいました。教員は「ナメられてたまるか」と生徒の胸ぐらをつかんで、壁に押し付けました。この時はそこで周りの教員が止めに入りました。
その後、教員が冷静になり、生徒と向き合って話を聞くと、家庭で父親から日常的に暴力を振るわれていることがわかりました。生徒の本当の問題は、家庭での長年の虐待であり、生徒の一次的感情は「大人はみんな信用できない」という不信感であった可能性があるのです。それゆえに、大人をバカにするような態度をとっていたと推測できます。
この教員が殴って従わせようとしたら、父親と同じで問題を悪化させていたでしょう。このケースで教員は、「生徒の怒りは私にではなく、大人全体に対してかもしれない」と考えを変え、生意気な態度も「無礼」と感じなくなり、「大人を信頼できるように導き、人間性を回復させよう」と指導を変えました。
このように認知(状況の捉え方)を変えることで、状況も大きく変わることがあります。
とはいえ、目の前で挑発する生徒に対しては教員も感情的になりがちです。「キレた」生徒と対峙(たいじ)する際の技術を学ぶことも必要です。
こうした技術は学校の中だけではなく、興奮した相手、例えば自分の子どもに対して接するときにも使えると思います。
◆大声、早口で論破…NG対応は?
挑発されて感情的になると、大人は大声を出したり、早口になったり、「だからお前はあの時ダメだったんだ」などと過去からマイナス面を探し出したりしがちです。さらには論理的に正しいことを並べ、どんどん相手を追い込んでいきます。諭すつもりが、興奮してきて、過去のマイナス面を指摘するうちに、その時の嫌な感情がよみがえるなど、怒りはどんどん増してしまいます。こうした行動は全てNGです。
カッとなってしまうと、相手に「私が間違っていました。悪かったです」と言わせたくなります。口論の勝ち負けにこだわり、相手の意見を聞かずに一方的に言葉を畳み掛けて論破し、相手を屈服させることが目的となってしまいがちです。学校の場合、生徒が抱える問題を解決するのが指導のはずなのに、そこがすっぽりと抜けてしまうのです。後で、「もっと冷静に対応しなくてはいけなかった」と気づきますが、「自分が当事者になると難しい」と振り返る教員もいます
カッとなってしまうと、相手に「私が間違っていました。悪かったです」と言わせたくなります。口論の勝ち負けにこだわり、相手の意見を聞かずに一方的に言葉を畳み掛けて論破し、相手を屈服させることが目的となってしまいがちです。学校の場合、生徒が抱える問題を解決するのが指導のはずなのに、そこがすっぽりと抜けてしまうのです。後で、「もっと冷静に対応しなくてはいけなかった」と気づきますが、「自分が当事者になると難しい」と振り返る教員もいます
どうすればよいのか
興奮している人を相手にするとき大切なのは、まずお互いが落ち着くことです。座るだけで、落ち着きやすくなります。学校の場合、校長室やカウンセリング室にソファがあれば、そこに座ります。前のめりに身を乗り出して挑発する相手は、アドレナリンが出やすくなっています。ソファの背にもたれかからせて、頭を後ろにそらせるだけで興奮は軽減されるといいます。自分も同じように前のめりにならないようにします。廊下で対応しなければならないのであれば、その場に2人で座りこんでしまいます。面と向かって対峙しないように、横に並ぶように座ります。
個室での指導では、ドアを開けた状態にして、テーブル越しに話すなどして、物理的に手を出しにくい状況を作ります。
興奮しているときはそれ以上話すことはせず、時間をおいてから話し合うなどの対応も必要です。怒りの感情は長続きしないからです。
個室での指導では、ドアを開けた状態にして、テーブル越しに話すなどして、物理的に手を出しにくい状況を作ります。
興奮しているときはそれ以上話すことはせず、時間をおいてから話し合うなどの対応も必要です。怒りの感情は長続きしないからです。
◆“黒幕”がいるかもしれない
学校の場合、もう一つ注意が必要なのは、挑発してくる生徒の背後に、教員を挑発して満足する“黒幕”が隠れている可能性を疑うことです。
少年院の入所者は、悪いことをした“実行犯”ではあるけれども、それをやらせた“黒幕”が背後にいるケースが多いといいます。教室や廊下など、他の生徒の目があるところで指導していて、「どうしてこの子は引き下がらないのか」と違和感があったら、誰か“黒幕”が控えていて、その手前、引けなくなっているのでは――などと疑ってみる必要があります。
教員の指導に不満を抱えている生徒が複数いる場合、「教員を挑発して怒らせよう」と考えた生徒は背後に隠れたがる傾向があるといいます。自分が傷ついたり、注意されたりしたくないので、自分に従いそうな、または乗せられやすい人を見つけてやらせます。
こうした“黒幕”の目が届かない場所で話を聞けば、それだけで挑発的な生徒の態度が変わることもあります。
少年院の入所者は、悪いことをした“実行犯”ではあるけれども、それをやらせた“黒幕”が背後にいるケースが多いといいます。教室や廊下など、他の生徒の目があるところで指導していて、「どうしてこの子は引き下がらないのか」と違和感があったら、誰か“黒幕”が控えていて、その手前、引けなくなっているのでは――などと疑ってみる必要があります。
教員の指導に不満を抱えている生徒が複数いる場合、「教員を挑発して怒らせよう」と考えた生徒は背後に隠れたがる傾向があるといいます。自分が傷ついたり、注意されたりしたくないので、自分に従いそうな、または乗せられやすい人を見つけてやらせます。
こうした“黒幕”の目が届かない場所で話を聞けば、それだけで挑発的な生徒の態度が変わることもあります。
◆「キレやすい考え方」を知る
アンガーマネージメントは自分の心を制御する技術です。教員が自分をコントロールできるようにするには、まず、「キレやすい考え方」とはどんなものかを知る必要があります。
例えば、スポーツの指導で、生徒が同じことを何度も教えてもできない場合があります。こんな時、「キレやすい考え方」をする教員は、「何回言ったらできるんだ。やる気がないのか」などと一方的な指示をしがちです。
生徒に対する「~べき思考」や、自分の責任に対する「~ねばならぬ思考」が強くみられます。「~べき思考」の人は、相手の行動に期待してしまうので、期待通りの行動が得られない場合に落胆する度合いが大きくなりがちです。一方、「~ねばならぬ思考」が強いと、相手をコントロールしたくなり、一方的に説教してしまうのです。
こうした態度で接していると、生徒は萎縮し、同じ過ちを繰り返してしまいます。教員は「何度言ったらわかるんだ」と怒りを増幅し、自分が「キレて」しまう可能性もあります。
例えば、スポーツの指導で、生徒が同じことを何度も教えてもできない場合があります。こんな時、「キレやすい考え方」をする教員は、「何回言ったらできるんだ。やる気がないのか」などと一方的な指示をしがちです。
生徒に対する「~べき思考」や、自分の責任に対する「~ねばならぬ思考」が強くみられます。「~べき思考」の人は、相手の行動に期待してしまうので、期待通りの行動が得られない場合に落胆する度合いが大きくなりがちです。一方、「~ねばならぬ思考」が強いと、相手をコントロールしたくなり、一方的に説教してしまうのです。
こうした態度で接していると、生徒は萎縮し、同じ過ちを繰り返してしまいます。教員は「何度言ったらわかるんだ」と怒りを増幅し、自分が「キレて」しまう可能性もあります。
まず変わるべきものは…
アンガーマネージメントでは、こうした「~べき思考」「~ねばならぬ思考」を変えてもらいます。上記の例であれば、「うまく指示が伝わっていないのかも」「なぜできないかよく話を聞こう」と考えるように導きます。気持ちを受け止めてもらい、話を聞いてもらえると、生徒にも変化が生まれます。
教員が認知(状況の捉え方)を変えることができるようになるのは簡単ではなく、相当訓練しないとできない場合もあります。しかし、自分が認知を変えることで、生徒を肯定的に捉えたり、未来に向かって話をしていくことができたりして、生徒が「変わった」ことを実感できる可能性があります。相手を先に変えようとするのではなく、自分の対応方法を変えることで、相手が好ましい反応を返すように仕向けるのが、アンガーマネージメントでは大切になります。
挑発してくる生徒ばかりでなく、注意すると引きこもる、黙り込むなど、生徒の反応は様々です。いずれのケースでも大人は感情の赴くままに対応するのではなく、生徒の心理状態を理解しようとする姿勢と対応するスキルを学ぶことで、適切な対処ができるようになると思います。
(聞き手・読売新聞メディア局編集部 河合良昭)
■プロフィル
本田 恵子( ほんだ・けいこ )
早稲田大学教育学部教授。臨床心理士、学校心理士、特別教育支援士SV、アンガーマネージメント研究会代表。中学・高校の教師を経験した後、渡米して特別支援教育、危機介入法などを学び、カウンセリング心理学博士を取得。著書に『先生のためのアンガーマネージメント 対応が難しい児童・生徒に巻き込まれないために』(ほんの森出版)など。
教員が認知(状況の捉え方)を変えることができるようになるのは簡単ではなく、相当訓練しないとできない場合もあります。しかし、自分が認知を変えることで、生徒を肯定的に捉えたり、未来に向かって話をしていくことができたりして、生徒が「変わった」ことを実感できる可能性があります。相手を先に変えようとするのではなく、自分の対応方法を変えることで、相手が好ましい反応を返すように仕向けるのが、アンガーマネージメントでは大切になります。
挑発してくる生徒ばかりでなく、注意すると引きこもる、黙り込むなど、生徒の反応は様々です。いずれのケースでも大人は感情の赴くままに対応するのではなく、生徒の心理状態を理解しようとする姿勢と対応するスキルを学ぶことで、適切な対処ができるようになると思います。
(聞き手・読売新聞メディア局編集部 河合良昭)
■プロフィル
本田 恵子( ほんだ・けいこ )
早稲田大学教育学部教授。臨床心理士、学校心理士、特別教育支援士SV、アンガーマネージメント研究会代表。中学・高校の教師を経験した後、渡米して特別支援教育、危機介入法などを学び、カウンセリング心理学博士を取得。著書に『先生のためのアンガーマネージメント 対応が難しい児童・生徒に巻き込まれないために』(ほんの森出版)など。
早稲田大学教授 本田恵子