機材は、相当完璧に仕上げているようですね!
おめでとうございます。
後は、部屋だけの問題です。
(いつも言っておりますように、比率が、部屋と機材で、50:50、くらいの重要さです)
(まあ、日本式に、マイ電柱、マイアース、という人もおりますがーーー)
床などは、記事のごとく、結構、何かをしているようですが、
部屋は、立方体ですから、
壁、四面、
そして、天井、
多分それだけでは、良い音は出ませんから、
後は、壁などの前に置く、
ディフューザーなど、
(この写真を見ますと、彼は、そういうものを置きたくないようです)
たくさん必要ですが、
この写真、まあ、床下は、見えませんけれど、
この写真だけでは、絶対に、良い音には、なりません。
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この前も、ご紹介いたしました、
例えば、ヤマハから出している、パネルや、
Sylvanや、
試行錯誤して、ありとあらゆるルーム・チューニングを、
しないと、より良い音にはなりません。
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ビンテージと最先端の融合
デジタルの先端、クアルコム幹部がアナログオーディオに魅了された理由。超こだわりシステムを拝見!
クアルコムといえば、Bluetoothの高品質コーデック「aptX」や、先進的なデジタルアンプ「DDFA」などに技術を供給する、通信技術や半導体分野の世界最大手企業。まさにデジタルオーディオ界になくてはならない存在だが、同社のシニアヴァイスプレジデント&プレジデント グローバルビジネスであるジェームス・キャシー(James Cathey)さんは、真空管アンプを中心に据えたアナログオーディオシステムを自室に構築するアナログオーディオマニアなのだ。今回は、キャシーさんこだわりのアナログシステムについて伺った。
■マッキントッシュと真空管ヴィンテージへのこだわり
読者の皆様は「クアルコム」という企業をご存じだろうか? 数多くのスマートフォンで採用されているSoC「Snapdragon」をはじめ、通信技術やそれに関連する半導体の分野における世界最大手の企業である。いま巷を賑わせるBluetoothの高品質コーデック「aptX」や、先進的なデジタルアンプ「DDFA」などもこのクアルコムの技術によるもので、デジタルオーディオの世界では文字通り「なくてはならない」企業として日々音楽ファン達を楽しませている。今回ご登場いただくジェームス・キャシー(James Cathey)さんは、そんなクアルコムにおいて、グローバルビジネスにおけるシニアヴァイスプレジデントという要職に就いている人物だ。
さて、「なんでそんな人が『analog』誌に?」と思う方もいるかもしれない。実はこのキャシーさん、オーディオに対して並々ならぬ想いをお持ちの方なのだ。キャシーさんが東京の住居に滞在できるのは月に数日とのこと。そんな貴重なある日、キャシーさんのリスニングルームへお邪魔することができた。そこには真空管アンプを中心に据えた、驚くべきアナログオーディオシステムが構築されていた。
高層マンションの、ゆうに30畳はある部屋には、ATCのプロ用ラージモニタースピーカーSCM150ASLやマッキントッシュのヴィンテージ真空管アンプ群、そして大量のレコードが整然と並ぶ。システムは大規模だが佇まいは実に美しく、置き方ひとつにもセンスの良さが表れている。多忙を極めるキャシーさんにとって貴重な癒やしとなる時間は、この部屋でアナログレコード、オープンリールのテープを聴いて過ごすことだそうだ。
システムの核となっているのは、マッキントッシュのプリアンプC22とパワーアンプMC275。これらをいかに鳴らし込むかが、キャシーさんの最大の目標なのだそうだ。「懐古主義的ヴィンテージアンプに惚れ込んでいるわけではなくて、そこに普遍的な、そして不変の魅力があると思っているんです」という言葉は、現在の最先端のオーディオを支えるキャシーさんだからこそ説得力がある。
「ヴィンテージを使っていると60年代の音を再現するのに固執してしまいがちですが、一番重要なことは、いかにして感情豊かな音楽を眼前に再現するのかということだと考えています」とキャシーさんは語る。
そんな古き良き時代のエッセンスと、現代ならではの最先端のセンスが同居したサウンドを実現する上で、日本のオーディオショップの協力は不可欠だったとキャシーさんは振り返る。世界中を飛び回るキャシーさんが各国から持ち込んだオーディオ機器を、日本の環境に適合させるのもスムーズだったそうだ。「優秀なオーディオショップとスタッフがいるから、短時間でここまでシステムを追求できたんだと思います。オーディオを行うのに、日本は非常に優れた環境だと思います」。
■アナログのサウンドは何よりも愛おしい
ここで気になったのは、クアルコムというデジタルテクノロジーの最前線を担う企業のトップが、なぜここまで「アナログ」にこだわるのかということだ。
「技術の発達によって、今後アナログの音をデジタルで再現できる時代も来るかもしれません。でも現時点において、私はアナログレコードと真空管のサウンドが、何より大好きなのです」。
まだまだ理想の音を追求している途上だというキャシーさん。アナログのエモーショナルなサウンドを愛し、それを緻密な分析で追求していく姿は、ひとりのオーディオファンそのものだった。
■マッキントッシュと真空管ヴィンテージへのこだわり
読者の皆様は「クアルコム」という企業をご存じだろうか? 数多くのスマートフォンで採用されているSoC「Snapdragon」をはじめ、通信技術やそれに関連する半導体の分野における世界最大手の企業である。いま巷を賑わせるBluetoothの高品質コーデック「aptX」や、先進的なデジタルアンプ「DDFA」などもこのクアルコムの技術によるもので、デジタルオーディオの世界では文字通り「なくてはならない」企業として日々音楽ファン達を楽しませている。今回ご登場いただくジェームス・キャシー(James Cathey)さんは、そんなクアルコムにおいて、グローバルビジネスにおけるシニアヴァイスプレジデントという要職に就いている人物だ。
さて、「なんでそんな人が『analog』誌に?」と思う方もいるかもしれない。実はこのキャシーさん、オーディオに対して並々ならぬ想いをお持ちの方なのだ。キャシーさんが東京の住居に滞在できるのは月に数日とのこと。そんな貴重なある日、キャシーさんのリスニングルームへお邪魔することができた。そこには真空管アンプを中心に据えた、驚くべきアナログオーディオシステムが構築されていた。
高層マンションの、ゆうに30畳はある部屋には、ATCのプロ用ラージモニタースピーカーSCM150ASLやマッキントッシュのヴィンテージ真空管アンプ群、そして大量のレコードが整然と並ぶ。システムは大規模だが佇まいは実に美しく、置き方ひとつにもセンスの良さが表れている。多忙を極めるキャシーさんにとって貴重な癒やしとなる時間は、この部屋でアナログレコード、オープンリールのテープを聴いて過ごすことだそうだ。
システムの核となっているのは、マッキントッシュのプリアンプC22とパワーアンプMC275。これらをいかに鳴らし込むかが、キャシーさんの最大の目標なのだそうだ。「懐古主義的ヴィンテージアンプに惚れ込んでいるわけではなくて、そこに普遍的な、そして不変の魅力があると思っているんです」という言葉は、現在の最先端のオーディオを支えるキャシーさんだからこそ説得力がある。
ATCの大型モニターは、ただでさえ鳴らしにくいと言われる。それをこのヴィンテージアンプで鳴らし切るために、さまざまな試行錯誤を行ったそうだ。MC275は全部で6台を所有しているそうで、各ユニットに1台ずつ割り当ててマルチアンプでも駆動していた時期もあるそうだが、結果として行き着いたのが、MC275をブリッジ使用×2、ステレオ使用×2台、合計4台を使って鳴らす現在の構成だ。キャシーさんは「ヴィンテージと最新鋭の機器のそれぞれの良さをフュージョンさせて、理想的なサウンドを作り上げることが私のテーマなのです」と語る。
世界中から収集した真空管を自らの手で測定するこだわり
ここまででも十分にキャシーさんのこだわりの強さが感じられたと思うが、その本領はもっと別のところにある。C22、MC275に使用する真空管は、ヴィンテージ管から復刻管まで、世界中から収集したもの。さらにその中から、自身の手で入念な測定を行って選定しているのだ。
しかも測定に使っているのは、真空管アンプ全盛時代とも言える60年代の測定機器。キャシーさんは、マッチングの誤差は全て3%以内に抑えることを信条としている。現在愛用するMC275では、入力段にアンペックスやテレフンケンのヴィンテージ管を用いつつ、出力段には復刻されたゴールド・ライオンのKT88を使用。これはさまざまな真空管を試した結果、出力段は高周波特性に優れる上に出力も大きく取れる現代の球がベストだったからだそうだ。ちなみに、キャシーさんはこのKT88を選ぶにあたって、生産が行われているロシアの工場にまで足を運んだというから驚くしかない。
一方のプリアンプ、C22については「テレフンケンECC803Sが音の要ですね」とキャシーさん。60年代の医療用トランスに用いられていたというこの真空管が、システム全体のクリアネスと高解像度を担っているのだと語る。
ここで、「写真は撮らないで」と言って見せてくれたのが、キャシーさんが所有するヴィンテージ管の膨大なコレクションと、その測定結果のリストだ。これは世界中のコレクターやバイヤーと交流しながら時間をかけて集めたものとのことで、「いまは現在のコンビネーションがベストだと思っていますが、さらに良い音を追求していくつもりです」とキャシーさんはまだまだ意欲的に良い音を求めているようだ。
■賃貸マンションの弱点をさまざまな工夫で補う
キャシーさんの音へのこだわりは、もちろん真空管やオーディオシステム以外にもおよぶ。「最も時間をかけたのは“バイブレーション”と“アイソレーション”ですね」と話すとおり、実はこの部屋そのものにもさまざまな工夫を凝らしている。リスニングルームは一面がカーペットで、その下に床暖房が備えられている。「この床の構造がオーディオ再生の弊害になっていたんです」と、調音のための抜本的な改装を交渉したが、賃貸物件のため許可が下りなかった。そこでアクセサリーも活用した対策を開始した。振動を計測するソフトウェアや計測器を駆使したという理詰めのアプローチは、さすがクアルコムの幹部といったところである。
採用したアクセサリー類にも注目で、例えばマッキントッシュのターンテーブルの下に置かれたボードは、ターンテーブルのベースと同じ素材を選んで特注したもの。インシュレーターやターンテーブルシートの選定まで、日本のオーディオショップのスタッフの助言も参考にしながら徹底的に追い込んでいったそうだ。
しかも測定に使っているのは、真空管アンプ全盛時代とも言える60年代の測定機器。キャシーさんは、マッチングの誤差は全て3%以内に抑えることを信条としている。現在愛用するMC275では、入力段にアンペックスやテレフンケンのヴィンテージ管を用いつつ、出力段には復刻されたゴールド・ライオンのKT88を使用。これはさまざまな真空管を試した結果、出力段は高周波特性に優れる上に出力も大きく取れる現代の球がベストだったからだそうだ。ちなみに、キャシーさんはこのKT88を選ぶにあたって、生産が行われているロシアの工場にまで足を運んだというから驚くしかない。
一方のプリアンプ、C22については「テレフンケンECC803Sが音の要ですね」とキャシーさん。60年代の医療用トランスに用いられていたというこの真空管が、システム全体のクリアネスと高解像度を担っているのだと語る。
ここで、「写真は撮らないで」と言って見せてくれたのが、キャシーさんが所有するヴィンテージ管の膨大なコレクションと、その測定結果のリストだ。これは世界中のコレクターやバイヤーと交流しながら時間をかけて集めたものとのことで、「いまは現在のコンビネーションがベストだと思っていますが、さらに良い音を追求していくつもりです」とキャシーさんはまだまだ意欲的に良い音を求めているようだ。
■賃貸マンションの弱点をさまざまな工夫で補う
キャシーさんの音へのこだわりは、もちろん真空管やオーディオシステム以外にもおよぶ。「最も時間をかけたのは“バイブレーション”と“アイソレーション”ですね」と話すとおり、実はこの部屋そのものにもさまざまな工夫を凝らしている。リスニングルームは一面がカーペットで、その下に床暖房が備えられている。「この床の構造がオーディオ再生の弊害になっていたんです」と、調音のための抜本的な改装を交渉したが、賃貸物件のため許可が下りなかった。そこでアクセサリーも活用した対策を開始した。振動を計測するソフトウェアや計測器を駆使したという理詰めのアプローチは、さすがクアルコムの幹部といったところである。
採用したアクセサリー類にも注目で、例えばマッキントッシュのターンテーブルの下に置かれたボードは、ターンテーブルのベースと同じ素材を選んで特注したもの。インシュレーターやターンテーブルシートの選定まで、日本のオーディオショップのスタッフの助言も参考にしながら徹底的に追い込んでいったそうだ。
“ヴィンテージの音”ではなく感情豊かな音楽を再現
今回の訪問では、たくさんのレコードを聴かせていただいた。「ぜひあなたの意見を聞かせて欲しい。改善すべきと思うところがあれば、ぜひ教えてもらいたい」と話すキャシーさんは、世界的企業のキーマンとは思えない気さくさだ。
その音は、発売されてから半世紀が経過しているアンプとは思えない鮮烈なもので、細部まで描き込まれた高解像度かつ緻密で立体的な音場表現は、まさに現代のハイエンドオーディオの世界そのものだ。一方で重心のぐっと下がった、血の通った質感も感じられる。キャシーさんは繰り返し“ヴィンテージと現代の融合”と言っていたが、この音を聴けば、その意味が理解できた。
今回の訪問では、たくさんのレコードを聴かせていただいた。「ぜひあなたの意見を聞かせて欲しい。改善すべきと思うところがあれば、ぜひ教えてもらいたい」と話すキャシーさんは、世界的企業のキーマンとは思えない気さくさだ。
その音は、発売されてから半世紀が経過しているアンプとは思えない鮮烈なもので、細部まで描き込まれた高解像度かつ緻密で立体的な音場表現は、まさに現代のハイエンドオーディオの世界そのものだ。一方で重心のぐっと下がった、血の通った質感も感じられる。キャシーさんは繰り返し“ヴィンテージと現代の融合”と言っていたが、この音を聴けば、その意味が理解できた。
「ヴィンテージを使っていると60年代の音を再現するのに固執してしまいがちですが、一番重要なことは、いかにして感情豊かな音楽を眼前に再現するのかということだと考えています」とキャシーさんは語る。
そんな古き良き時代のエッセンスと、現代ならではの最先端のセンスが同居したサウンドを実現する上で、日本のオーディオショップの協力は不可欠だったとキャシーさんは振り返る。世界中を飛び回るキャシーさんが各国から持ち込んだオーディオ機器を、日本の環境に適合させるのもスムーズだったそうだ。「優秀なオーディオショップとスタッフがいるから、短時間でここまでシステムを追求できたんだと思います。オーディオを行うのに、日本は非常に優れた環境だと思います」。
■アナログのサウンドは何よりも愛おしい
ここで気になったのは、クアルコムというデジタルテクノロジーの最前線を担う企業のトップが、なぜここまで「アナログ」にこだわるのかということだ。
「技術の発達によって、今後アナログの音をデジタルで再現できる時代も来るかもしれません。でも現時点において、私はアナログレコードと真空管のサウンドが、何より大好きなのです」。
まだまだ理想の音を追求している途上だというキャシーさん。アナログのエモーショナルなサウンドを愛し、それを緻密な分析で追求していく姿は、ひとりのオーディオファンそのものだった。