トランジスターや、Mosfet
などでも、少し、むずかしい
私が大切にする音色の一種
A) 色のきらびやかさ
B) 色の艶
C) 「リキッド(液体というより、日本語のウェット感)」
―ー――まあ、ヴェルヴェットにも近いです。
D) 三次元的、ホログラフィック
E) 二・三重にも重なる倍音
F) 丸太の暖炉やストーヴなどで聴くような「ほんのりした”暖かさ”」
などなどは、
超・現代的な機器や、スピーカーや、
などでは、少し「苦手な分野」です。
超・高級品や、
超・ハイテック的な機器やスピーカーには、
繊細さ、
解像度・分析的
静か、
ブラック
などは、得意ですが、
相反するところも、かなりあります。
両方が、うまく混在しますと、
「理想に近い、良い機器やスピーカーや、ルーム」が
できるような気も致します。
「真空管―ー――バンザあああーーーい!!!」
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SQ-N150/D-N150
日常を彩るデザインと高音質が同居。ラックスマンの真空管アンプ&プレーヤー「Neo Classico II」レビュー
土方久明
PhileWeb
ラックスマンから登場した“Neo Classico II”「SQ-N150」「D-N150」は、真空管アンプが備える“モノとしての魅力”を引き出しつつ、マニアも納得のサウンド、誰でも手軽に使える品質・操作性を両立させたオーディオコンポーネント群だ。今回、その魅力を土方久明氏がレポートする。

■Neo Classicoシリーズの第二世代
一般的な家電製品においては過去のデバイスとなって久しい真空管だが、オーディオ製品ではいまだに採用例が多い。その理由はやはり真空管にしか奏でることのできない素晴らしい音楽性なのだが、ガラス管の中に暖かい光が灯るレトロなデザインなど、インテリア性の面でも魅力を感じる人も多い。
そんな真空管オーディオの中で注目のモデルが発表された。老舗の国産オーディオメーカー、ラックスマンから発表された「Neo Classico II(ネオクラシコ・ツー)」だ(関連ニュース)。
本シリーズはシリーズ第2代目にあたる。初代は2007年に発売された管球式のプリメインアンプ「SQ-N100」、CDプレーヤー「D-N100」、スピーカー「S-N100」の3モデルで、A4用紙サイズのコンパクトなシャーシと、シリーズ名通りのクラシカルかつモダンなデザイン、そしてリーズナブルなプライスによって人気を博した。初代シリーズは惜しまれつつもすでに販売終了となっていたが、後継機を望む声が高まる中、ついに第2世代モデルが発表されたのだ。
■コンパクトかつ美しく、精巧な雰囲気を持った“最上のデザイン”
ラインナップは、管球式プリメインアンプ「SQ-N150」とCDプレーヤーの「D-N150」だ。上面から見てA4サイズに収まるコンパクトさは第1世代と同様ながら、内部構成とデザインは完全に一新されている。最終的には音質が何よりも大切なオーディオ製品とはいえ、筆者はデザインにも強くこだわりたい。特に、コンパクトで普段の生活空間にも設置できるような製品の場合、優れたプロダクトデザインは絶対必要だ。
そして、SQ-N150とD-N150は近年発売された国産オーディオ製品の中においてもトップクラスのデザインを持っている。
SQ-N150は、スタンダードな真空管アンプの意匠を持ちながら、シャーシやトランスが鋭角かつ直線基調のデザインで、思わず「欲しい」とつぶやいてしまったほど美しいデザインだ。ブラスターホワイト仕上げが施されたトップ、フロントのパネルをはじめ、精密度が高い造形で構成されている。
さらに、シャーシ上面にあるソースセレクターとBASS/TREBLE/BLANCEノブの造形、本モデルで初めて採用されたフロントパネルのアナログ出力メーターまで、仕上げの良いパーツが考え抜かれたバランスで配置され、まるで機械式の精密時計を目前にしたような感覚さえ覚える。真空管カバーを付けた状態でも、その精巧な雰囲気が保たれている点も素晴らしい。D-N150もアンプと揃えられた、クラシックとモダンが融合したデザインで、両機ともコンパクトだが高級感が漂っている。
■真空管ならではのサウンドに使いやすさも同居させたSQ-N150
それでは、SQ-N150のアウトラインから確認しよう。本機はスロバキアに本拠地を構えるJJ社製の真空管を合計6本使用し、コンパクトながら本格的な構成を持つプリメインアンプだ。初段はECC83(12AX7)を2本用いて、P-K分割位相反転回路と共に搭載する。パワー段には「EL84」(6BQ5)を4本、5極管接続のプッシュプル増幅で使用し、10W×2ch(6Ω)の出力を確保している。
JJ社製の真空管は動作と特性の安定性が高く、取り扱いが容易なことでも知られており、他社でも採用例が多い。単純に音質を追求するだけでなく、初めて真空管アンプに接するユーザーからも選ばれるであろう本機の場合、安定性と耐久性が高いJJ社の真空管はベストチョイスと言えるだろう。もちろん同社の真空管は音質にも定評がある。
入力は、RCAアナログ端子が3基に加え、嬉しいポイントとしてMM/MC両対応のフォノ入力も備わっている。スピーカー出力は1系統で、6.3mmの標準ステレオジャックによるヘッドホン出力も装備。余談だが、電源ケーブルにはOFC極太線をノンツイスト構造で搭載した、単品販売もしている「JPA-10000」が付属する。プリメインアンプとして万全の内容を持つ。

MM/MC両対応のフォノ入力も装備されたのは嬉しいポイント
Bulk Pet対応のUSB-DACを内蔵のCDプレーヤー「D-N150」
D-N150は、SQ-N150とデザイン意図を共にするコンパクトなCDプレーヤー。DACチップはTI社製「PCM5102A」を搭載し、ドライブ部には同社の上位モデル「D-380」にされているアルメディオ社製のCD専用ドライブを採用する。
アルメディオ社は2014年にティアックからストレージデバイス事業を譲渡された会社だ。つまりD-N150は、音の要となるCDドライブメカに高い読み取り精度を誇るドライブを搭載した、本格派のCDプレーヤーなのである。
また、前モデルD-N100にはなかった「USB-DAC機能」が搭載されていることも特徴的だ。USB入力はPCM 192kHz/32bitのみの対応となるものの、同社初となるバルク転送機能「Bulk Pet(バルクペット)」に対応している。
ラックスマンは、Bulk Petが企画された初期段階から同機能を開発したインターフェイス(株)と共に開発を行ってきた。他社が先行して同機能を搭載する中、音質を考慮して慎重に開発を行っていたそうで、その結果、本機では独自パラメーターを設定したプリセットを搭載している。Bulk Petの音質的優位点は都度確認しているが、筆者の知る限りパラメーターを自社で設定したのは本モデルが初となるはず。これは興味深い。
入力は全てデジタルで、S/PDIF同軸、OPT、そしてUSBの3系統。出力はRCAアナログ、OPTデジタルを各1系統ずつ備えている。
■スピード感と艶のある音色を同居させたサウンドは他に変えがたい
それでは、コンパクトながら本格的なディメンションを持つ両機の音を徹底的に確認しよう。まずは、スピーカーにフォステクス「GX100BJ」を用いて、SQ-N150とD-N150を組み合わせた構成で試聴した。
最初は基本となるCD再生から。CDの音が良くないとそもそもハイレゾ云々は語れない、大切なポイントだ。試聴したのは、マイルス・デイヴィスが1958年にジャズレーベルの御三家の1つプレスティッジ・レコードからリリースした名盤『リラクシン』。
最新のコンパクトな真空管アンプとプレーヤーがどのような音を聴かせてくれるのか興味津々だった。結論から言うと想像を超えて魅力的で、そして凄い音がした。高性能なソリットステートアンプと真空管の音色の良さを両獲りするような、スピード感と艶のある音なのだ。
マイルスのトランペットは立ち上がりが速くリアルで、レッド・ガーランドのピアノ、ジョン・コルトレーンのサックスとも、色彩が豊かで音楽性が素晴らしい。ポールチェンバースのベースは弾力感に溢れ、ジャズ再生で必須要素のグルーブ感に満ち溢れている。取材に付き合ってくれたPHILE WEBの編集者も、この小型システムから出てくる音が、オーディオ的な能力と高い音楽性を持つことに驚いていた。
次に聴いたのは、ラファエル・クーベリック指揮の「スメタナ:交響詩 わが祖国」だ。情報量やレンジなどオーディオ的な能力も感じるが、何よりも聴き手に猛烈に訴えかけてくる情緒豊かな音楽性が良い。この小さなボディは、温もりを持った穏やかな表現でオーケストラを描き出す。
■分析的な表現もこなすアキュレートな再現性にも注目したい
次に筆者のMacBook ProをトランスポートとしてUSBケーブルでD-N150と接続。最近ポップスのリファレンスにしている、レニー・クラヴィッツのハイレゾアルバム『ライズバイブレイション』から「Low」を再生する。この楽曲の聴きどころは曲冒頭のキックドラムだが、こちらもまさにソリッドアンプと真空管アンプの良いとこどりのような表現で、アタックの立ち上がりが良くスピード感がある。
真空管アンプは出力が小さめだが、実は出力が片チャンネル10Wと知ったのは取材後だった。つまり出力については全く意識しなかったのである。また、真空管アンプは暖かい音というイメージを漠然と持っている方も多いだろうが、本機の場合それだけではなく、オーディオ的な再生能力と音楽性がとても高いバランスで音が作られている。時には分析的にオーディオの音を楽しみたいという方でも、この音には魅力を感じるはず。まさに現代の真空管サウンドなのである

■Neo Classicoシリーズの第二世代
一般的な家電製品においては過去のデバイスとなって久しい真空管だが、オーディオ製品ではいまだに採用例が多い。その理由はやはり真空管にしか奏でることのできない素晴らしい音楽性なのだが、ガラス管の中に暖かい光が灯るレトロなデザインなど、インテリア性の面でも魅力を感じる人も多い。
そんな真空管オーディオの中で注目のモデルが発表された。老舗の国産オーディオメーカー、ラックスマンから発表された「Neo Classico II(ネオクラシコ・ツー)」だ(関連ニュース)。
本シリーズはシリーズ第2代目にあたる。初代は2007年に発売された管球式のプリメインアンプ「SQ-N100」、CDプレーヤー「D-N100」、スピーカー「S-N100」の3モデルで、A4用紙サイズのコンパクトなシャーシと、シリーズ名通りのクラシカルかつモダンなデザイン、そしてリーズナブルなプライスによって人気を博した。初代シリーズは惜しまれつつもすでに販売終了となっていたが、後継機を望む声が高まる中、ついに第2世代モデルが発表されたのだ。
■コンパクトかつ美しく、精巧な雰囲気を持った“最上のデザイン”
ラインナップは、管球式プリメインアンプ「SQ-N150」とCDプレーヤーの「D-N150」だ。上面から見てA4サイズに収まるコンパクトさは第1世代と同様ながら、内部構成とデザインは完全に一新されている。最終的には音質が何よりも大切なオーディオ製品とはいえ、筆者はデザインにも強くこだわりたい。特に、コンパクトで普段の生活空間にも設置できるような製品の場合、優れたプロダクトデザインは絶対必要だ。
そして、SQ-N150とD-N150は近年発売された国産オーディオ製品の中においてもトップクラスのデザインを持っている。
SQ-N150は、スタンダードな真空管アンプの意匠を持ちながら、シャーシやトランスが鋭角かつ直線基調のデザインで、思わず「欲しい」とつぶやいてしまったほど美しいデザインだ。ブラスターホワイト仕上げが施されたトップ、フロントのパネルをはじめ、精密度が高い造形で構成されている。
さらに、シャーシ上面にあるソースセレクターとBASS/TREBLE/BLANCEノブの造形、本モデルで初めて採用されたフロントパネルのアナログ出力メーターまで、仕上げの良いパーツが考え抜かれたバランスで配置され、まるで機械式の精密時計を目前にしたような感覚さえ覚える。真空管カバーを付けた状態でも、その精巧な雰囲気が保たれている点も素晴らしい。D-N150もアンプと揃えられた、クラシックとモダンが融合したデザインで、両機ともコンパクトだが高級感が漂っている。
■真空管ならではのサウンドに使いやすさも同居させたSQ-N150
それでは、SQ-N150のアウトラインから確認しよう。本機はスロバキアに本拠地を構えるJJ社製の真空管を合計6本使用し、コンパクトながら本格的な構成を持つプリメインアンプだ。初段はECC83(12AX7)を2本用いて、P-K分割位相反転回路と共に搭載する。パワー段には「EL84」(6BQ5)を4本、5極管接続のプッシュプル増幅で使用し、10W×2ch(6Ω)の出力を確保している。
JJ社製の真空管は動作と特性の安定性が高く、取り扱いが容易なことでも知られており、他社でも採用例が多い。単純に音質を追求するだけでなく、初めて真空管アンプに接するユーザーからも選ばれるであろう本機の場合、安定性と耐久性が高いJJ社の真空管はベストチョイスと言えるだろう。もちろん同社の真空管は音質にも定評がある。
入力は、RCAアナログ端子が3基に加え、嬉しいポイントとしてMM/MC両対応のフォノ入力も備わっている。スピーカー出力は1系統で、6.3mmの標準ステレオジャックによるヘッドホン出力も装備。余談だが、電源ケーブルにはOFC極太線をノンツイスト構造で搭載した、単品販売もしている「JPA-10000」が付属する。プリメインアンプとして万全の内容を持つ。

MM/MC両対応のフォノ入力も装備されたのは嬉しいポイント
Bulk Pet対応のUSB-DACを内蔵のCDプレーヤー「D-N150」
D-N150は、SQ-N150とデザイン意図を共にするコンパクトなCDプレーヤー。DACチップはTI社製「PCM5102A」を搭載し、ドライブ部には同社の上位モデル「D-380」にされているアルメディオ社製のCD専用ドライブを採用する。
アルメディオ社は2014年にティアックからストレージデバイス事業を譲渡された会社だ。つまりD-N150は、音の要となるCDドライブメカに高い読み取り精度を誇るドライブを搭載した、本格派のCDプレーヤーなのである。
また、前モデルD-N100にはなかった「USB-DAC機能」が搭載されていることも特徴的だ。USB入力はPCM 192kHz/32bitのみの対応となるものの、同社初となるバルク転送機能「Bulk Pet(バルクペット)」に対応している。
ラックスマンは、Bulk Petが企画された初期段階から同機能を開発したインターフェイス(株)と共に開発を行ってきた。他社が先行して同機能を搭載する中、音質を考慮して慎重に開発を行っていたそうで、その結果、本機では独自パラメーターを設定したプリセットを搭載している。Bulk Petの音質的優位点は都度確認しているが、筆者の知る限りパラメーターを自社で設定したのは本モデルが初となるはず。これは興味深い。
入力は全てデジタルで、S/PDIF同軸、OPT、そしてUSBの3系統。出力はRCAアナログ、OPTデジタルを各1系統ずつ備えている。
■スピード感と艶のある音色を同居させたサウンドは他に変えがたい
それでは、コンパクトながら本格的なディメンションを持つ両機の音を徹底的に確認しよう。まずは、スピーカーにフォステクス「GX100BJ」を用いて、SQ-N150とD-N150を組み合わせた構成で試聴した。
最初は基本となるCD再生から。CDの音が良くないとそもそもハイレゾ云々は語れない、大切なポイントだ。試聴したのは、マイルス・デイヴィスが1958年にジャズレーベルの御三家の1つプレスティッジ・レコードからリリースした名盤『リラクシン』。
最新のコンパクトな真空管アンプとプレーヤーがどのような音を聴かせてくれるのか興味津々だった。結論から言うと想像を超えて魅力的で、そして凄い音がした。高性能なソリットステートアンプと真空管の音色の良さを両獲りするような、スピード感と艶のある音なのだ。
マイルスのトランペットは立ち上がりが速くリアルで、レッド・ガーランドのピアノ、ジョン・コルトレーンのサックスとも、色彩が豊かで音楽性が素晴らしい。ポールチェンバースのベースは弾力感に溢れ、ジャズ再生で必須要素のグルーブ感に満ち溢れている。取材に付き合ってくれたPHILE WEBの編集者も、この小型システムから出てくる音が、オーディオ的な能力と高い音楽性を持つことに驚いていた。
次に聴いたのは、ラファエル・クーベリック指揮の「スメタナ:交響詩 わが祖国」だ。情報量やレンジなどオーディオ的な能力も感じるが、何よりも聴き手に猛烈に訴えかけてくる情緒豊かな音楽性が良い。この小さなボディは、温もりを持った穏やかな表現でオーケストラを描き出す。
■分析的な表現もこなすアキュレートな再現性にも注目したい
次に筆者のMacBook ProをトランスポートとしてUSBケーブルでD-N150と接続。最近ポップスのリファレンスにしている、レニー・クラヴィッツのハイレゾアルバム『ライズバイブレイション』から「Low」を再生する。この楽曲の聴きどころは曲冒頭のキックドラムだが、こちらもまさにソリッドアンプと真空管アンプの良いとこどりのような表現で、アタックの立ち上がりが良くスピード感がある。
真空管アンプは出力が小さめだが、実は出力が片チャンネル10Wと知ったのは取材後だった。つまり出力については全く意識しなかったのである。また、真空管アンプは暖かい音というイメージを漠然と持っている方も多いだろうが、本機の場合それだけではなく、オーディオ的な再生能力と音楽性がとても高いバランスで音が作られている。時には分析的にオーディオの音を楽しみたいという方でも、この音には魅力を感じるはず。まさに現代の真空管サウンドなのである
Bulk Pet転送によるUSB-DAC機能を試してみた。Bulk Petの制御プログラムが含まれた専用ドライバーをMacBook Proにインストール。次にシステム環境設定からラックスマンのアイコンをクリックして、Bulk Pet設定画面を表示させる。筆者の知る限り、他社製品ではBulk Pet設定は4つ選べたが、本機は2つ。本機のために特に最適化した2つの設定を用意しているとのことだ。
レニー・クラヴィッツを改めて再生して音質を確認した。先に再生したアイソクロナス(Isochronous)転送が大量のデータを一気に流すのに対して、USBの帯域を監視し転送するデータを可変させるのがBulk Pet転送だ。「mode1」では一聴して中域に厚みが出て、バスドラムの重心が下がる。ボーカルの表現に厚みも出るようだ。「mode2」ではさらにバスドラムに重量感が出て、低域のパワー感が上がって聞こえるなど大きな変化があり、個人的な好みは躍動的なBulk Petのmode2だった。
■アナログプレーヤーとの組合せでも感じた真空管の魔法
CDプレーヤー D-N150単体での音も確認するために、アンプは編集部備え付けのリファレンスに変えて、先ほどのマイルス・デイヴィスをもう一度聴いてみた。曲冒頭のスタジオの暗騒音の中で聴こえてくるマイルスの話し声からして生々しい。ミュートトランペットの音はクリアで、抜けの良い音でありながらしっかりとした厚みがある。D-N150の音も良い。色艶の良い現代的なサウンドで、1つ1つの音を立体的に描き出してくれる。
さて、プリメインアンプ SQ-N150には、MC/MM対応のフォノイコライザーが搭載されている。真空管というコンセプトに惹かれる方なら、レコード再生にもきっと興味を持たれるだろう。同社最新のアナログプレーヤー「PD-151」に、フェーズメーションのカートリッジ「PP-2000」を組み合わせ、ダイアナ・クラール「ターン・アップ・ザ・クワイエット」を再生した。
この組み合せが鳴らすのは、レコードらしい滑らかな質感を引き出しつつ、実にハイファイな音だ。原音に忠実なトーンバランスを基軸として、ベースやドラムの明瞭度も秀逸。少ししゃがれた雰囲気のダイアナ・クラールのボーカルも、音像豊かにしっかりとセンターに定位する。さらにピアノの質感の良いことに気がつくが、これはSQ-N150の持ち味でもある
PD-151とは音質的な相性だけでなく、デザインのマッチングも良好で、回転するターンテーブルとガラス管の中に灯る暖かい光、そして、その光とシンクロするように暖色系の照明にこだわったアナログ指針メーターが、音楽に向かう気持ちを高めてくれる。
正直な感想として、試聴した3モデルはかなりクオリティが高い。デジタルファイル再生を推す筆者の個人的な要望点としてはたった1つ、D-N150のUSB入力がDSDに対応して欲しいくらいだ。それにしても、真空管には何か魔法があるのだろうか。同じような価格帯のソリットステートのアンプで、今回感じたような音楽性を出すのはとても大変だと思う。しかもこの小型ボディでそれを実現したのは素晴らしいの一言。これぞ真空管の魅力だと言うしかない。
◇
近年の同社は、音質を追求したハイエンド志向のオーディオ製品をラインナップすると同時に、小型高性能のUSB-D/Aコンバーター「DA-250」や「DA-150」を発売して、若者のファンを増やしてきた。そこで培われた「音質を担保しながら小型化を行うノウハウ」が、この2つの製品には活かされていると推測できる。
2台ともモダンなインテリア空間にも馴染みやすく、今回試したようにアナログプレーヤーと組み合わせて再生の幅を増やすのも良いだろう。ラックスマンはこれまでにも、歴史的に弩級のモデルによる強烈なハイファイ再生の探求を追い求めつつ、ライフスタイルを豊かにするようなオーディオ製品を投入してきたが、この2機種はその集大成となる傑作モデルとなりそうだ。
(土方久明)
レニー・クラヴィッツを改めて再生して音質を確認した。先に再生したアイソクロナス(Isochronous)転送が大量のデータを一気に流すのに対して、USBの帯域を監視し転送するデータを可変させるのがBulk Pet転送だ。「mode1」では一聴して中域に厚みが出て、バスドラムの重心が下がる。ボーカルの表現に厚みも出るようだ。「mode2」ではさらにバスドラムに重量感が出て、低域のパワー感が上がって聞こえるなど大きな変化があり、個人的な好みは躍動的なBulk Petのmode2だった。
■アナログプレーヤーとの組合せでも感じた真空管の魔法
CDプレーヤー D-N150単体での音も確認するために、アンプは編集部備え付けのリファレンスに変えて、先ほどのマイルス・デイヴィスをもう一度聴いてみた。曲冒頭のスタジオの暗騒音の中で聴こえてくるマイルスの話し声からして生々しい。ミュートトランペットの音はクリアで、抜けの良い音でありながらしっかりとした厚みがある。D-N150の音も良い。色艶の良い現代的なサウンドで、1つ1つの音を立体的に描き出してくれる。
さて、プリメインアンプ SQ-N150には、MC/MM対応のフォノイコライザーが搭載されている。真空管というコンセプトに惹かれる方なら、レコード再生にもきっと興味を持たれるだろう。同社最新のアナログプレーヤー「PD-151」に、フェーズメーションのカートリッジ「PP-2000」を組み合わせ、ダイアナ・クラール「ターン・アップ・ザ・クワイエット」を再生した。
この組み合せが鳴らすのは、レコードらしい滑らかな質感を引き出しつつ、実にハイファイな音だ。原音に忠実なトーンバランスを基軸として、ベースやドラムの明瞭度も秀逸。少ししゃがれた雰囲気のダイアナ・クラールのボーカルも、音像豊かにしっかりとセンターに定位する。さらにピアノの質感の良いことに気がつくが、これはSQ-N150の持ち味でもある
PD-151とは音質的な相性だけでなく、デザインのマッチングも良好で、回転するターンテーブルとガラス管の中に灯る暖かい光、そして、その光とシンクロするように暖色系の照明にこだわったアナログ指針メーターが、音楽に向かう気持ちを高めてくれる。
正直な感想として、試聴した3モデルはかなりクオリティが高い。デジタルファイル再生を推す筆者の個人的な要望点としてはたった1つ、D-N150のUSB入力がDSDに対応して欲しいくらいだ。それにしても、真空管には何か魔法があるのだろうか。同じような価格帯のソリットステートのアンプで、今回感じたような音楽性を出すのはとても大変だと思う。しかもこの小型ボディでそれを実現したのは素晴らしいの一言。これぞ真空管の魅力だと言うしかない。
近年の同社は、音質を追求したハイエンド志向のオーディオ製品をラインナップすると同時に、小型高性能のUSB-D/Aコンバーター「DA-250」や「DA-150」を発売して、若者のファンを増やしてきた。そこで培われた「音質を担保しながら小型化を行うノウハウ」が、この2つの製品には活かされていると推測できる。
2台ともモダンなインテリア空間にも馴染みやすく、今回試したようにアナログプレーヤーと組み合わせて再生の幅を増やすのも良いだろう。ラックスマンはこれまでにも、歴史的に弩級のモデルによる強烈なハイファイ再生の探求を追い求めつつ、ライフスタイルを豊かにするようなオーディオ製品を投入してきたが、この2機種はその集大成となる傑作モデルとなりそうだ。
(土方久明)