環境や、教育事情、あらゆることを含めて、


東京が、


北京、上海や



マンハッタン


ロンドン、


パリなどと比較して、


賃貸も、購入も、


ダントツに、東京の方が、安いのです。












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在日中国人が「海辺に近い高級マンション」を購入したがる理由

12/19(水) 6:00配信
ダイヤモンド・オンライン
 年々増え続ける在日中国人。法務省の統計で、彼らの居住地域を都道府県別に調べてみると、東京都、神奈川県、埼玉県など、特に首都圏に多いことがわかる。中国人といえば新宿や池袋を思い浮かべる人が多いと思うが、富裕層に話を聞いてみると、彼らの住まい選びには“ある特徴”があることが分かった。(ジャーナリスト 中島 恵)

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● 在日中国人は 海辺に近い物件を好む

 「よく名前が挙がるのは豊洲、勝どき、月島、お台場、田町、品川などの比較的海辺に近いタワーマンションや高級マンションですね。海辺は風水的に見て運気がよいだけでなく、窓から見える眺望がすばらしいですから。この付近を選ぶのは東京オリンピックの影響もあるかもしれませんが…」

 こう話すのは東京・池袋で不動産業を営む中国人男性のAさんだ。

 Aさんは大手不動産会社を経て独立。現在は主に中国人向けに物件を紹介している。「爆買い」が騒がれた3年前は、ワンルームマンションなどを購入する観光客への対応に忙しかったが、最近は日本に住む富裕層向けの物件も取り扱っている。

 Aさんは「海辺の物件は風水的にいいんですよね。私はオフィスビルもあっせんしていますが、オフィスも同じです。最上階の眺めのいいところや、近くに川があって水が流れているところも中国人には人気。ポイントが高いのです。皇居に近い大手町もいいんですが、八丁堀とか浜松町も人気ですよ」と言う。

 確かに海や川があるところは中国の風水の観点から見ていい、というのは多くの日本人も耳にしたことがあるし、日本人も可能ならば住んでみたいと思うところだ。

 特に中国に住む中国人の場合、当たり前だが、海辺に住める人は沿海部にいる人だけに限られる。しかし、沿海部といっても、なだらかな海岸線は意外に少なく、沿海部にある省でも「海が見える家に住める」というのは多くはないこと。
 だが、東京や首都圏ならば海はすぐそこ。窓から海が見える家、という条件をクリアすることは可能だ。だから、そうした物件から順に売れていくという。

● 成城、田園調布など 都心の高級住宅地も根強い人気

 一方で、海は見えなくても、都心のいわゆる高級住宅地も根強い人気がある。自由が丘、広尾、渋谷、恵比寿、白金、麻布十番、成城、田園調布などのエリアだ。

 なぜ、こうしたエリアを選ぶのか。

 もちろん、日本人にとっての高級住宅地は、彼らにとっても住み心地のいいところなのだろうが、そのほかに「なるほど」と思う別の理由がある。

 小学生の子どもを持つ40代半ばある中国人女性はこういう。

 「港区の公立小学校は国際クラスが充実していて、英語で授業を受けられるところもあるようです。なので、港区内でマンションを探しました。このあたりは欧米人も多く住んでいますし、教育環境もいい。それに高級食材などが手に入るスーパーもあって便利ですから」

 時には中華食材が何でもそろう池袋や新宿にも買い出しに行くそうだが、住むとなると消極的だ。理由は簡単。

 「だって、あちらのほうは、あまりにも“中国人”が多すぎるから(笑)」

 自分自身も中国人なのに、なぜそう言うのか。私はこの言葉を聞いて、訪日中国人観光客の富裕層に取材したときの次の言葉を思い出した。

 「中国人団体客が大勢いるようなところには、できるだけ行きたくないんです。彼らは騒がしいし、マナーが悪いから。できるだけ団体客が行くような観光地には近づかないようにしています」




中国人と一口にいっても、14億人もいるのだから、実にさまざまな人がいる。その「幅の広さ」「層の厚さ」「奥の深さ」は日本人の想像をはるかに超える。

 だから、日本で報道されるステレオタイプで矮小(わいしょう)化された「中国人」のイメージに嫌気がさしている在日中国人も多いのだ。特にエリート層や富裕層にはその傾向が強い。

 もちろん、彼らも大っぴらに同胞を批判することはできるだけ避けたいと思っているが、内心では「(彼らと)あまり一緒にされたくない」と思ったり、日本のメディアで紹介される「中国人あるあるネタ」にストレスを感じたりしている面がある。

 だから、中華食材は買いに行くけれど、住まいまで騒々しいところにはしたくないと思っているようなのだ。

● 子どもの教育環境は 外せない条件

 彼らが求めているのは、日本人にとっても環境のいいところであり、日本人と同じように静かで快適な住まいなのだが、さらにもうひとつ、30~40代の年齢層に限ると外せない条件がある。それは自身の子どもの教育環境だ。

 40代前半の別の中国人女性は、子どもが小学校に入る前に、文京区内の新築マンションを購入した。

 「この近くに評判のいい小学校があると聞き、そこに子どもを通わせたいと思ってマンションを選びました。日本も学区によって学校のレベルに違いがあると聞いて、娘がまだ赤ちゃんのときから調べていましたから…」

 マンションの価格は6000万円台。地下鉄・丸の内線の駅からそう遠くない物件でありながら、閑静で緑が多いエリア。日本人にとっても憧れの物件といえるが、「北京や上海の『学区房』に比べたら安いものです。いいところに引っ越すことができて本当によかった」と彼女は笑顔で語ってくれた。

 中国ではいい学校がある地区にあるマンションを「学区房」と呼ぶ。

 いい学校とは政府が資金を重点的に投入している「重点校」のことだ。多くの人が重点校に子どもを入学させたいと思って、なんとかしてそこに引っ越そうと殺到するため、その学区の不動産が異常なほど値上がりする現象が起きている。特に北京や上海などの大都市では、十数年前から社会問題となっているが、日本ではそこまで心配する必要はない





中国での厳しい「学区房競争」を思えば、日本での住まい選びは「自由だし楽でいい。選択肢が多いし、価格も安い。なぜ日本人はいい学校がある学区に殺到しないのかと不思議に思うくらい」(同)

 この女性に聞いて私が驚いたのは、そうしたいい学区の不動産を求める声が大きいため、日本でも中国人同士の「プチ学区房競争」がすでに始まっているという話だった。

 中国人の不動産業者が個別に物件を案内してくれることもあるそうで、冒頭のAさんにも問い合わせてみたところ「幼稚園から小学生くらいの子どもを持つ中国人にとっては、どの区域にどんな学校があるのかは大事なポイント。彼らにとっては、日本に住んでいても、不動産選びは学区選びでもあるんです」と話していた。

● 数年前に中国ではやった 「房奴(住宅奴隷)」という言葉

 私はこれまでも中国国内での不動産事情を取材してきた。数年前に中国ではやったのは「房奴(住宅奴隷)」という言葉だ。ローン返済に苦しむ人々のことだが、最近ではあまりにも高騰しすぎた不動産を持つことはあきらめ、「マンションを持たない生き方」を選ぶ人も増えてきた。マンションのローンに縛られるより、今を楽しく生きたほうがいいと思う若者だ。

 だが、「北京や上海ではもう無理だけど、東京や大阪ならマイホームの夢も実現できる」とあって、日本に住む彼らは(特に所得が高いわけではない一般の会社員でも)できるだけ早く不動産を持ちたいと考える。

 あるいは、中国に住む両親が日本に住む息子や娘のためにマンションを買ってあげる、というケースも増えている。

 時には親が来日したときに住むために郊外に1軒、都心に息子や娘のために1軒という、2軒持ちもあるようだ。

 富裕層にもその傾向は当てはまるが、彼らが特に気にしているのは子どもの教育環境だ。それほどまでに母国での生活環境が、今の生活にも強い影響を及ぼしているということなのだろう。 



中島 恵