「誰や!こんなん作ったん」つっこみたくなる蛇口を作った会社とは???



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水道の蛇口など水回り製品を手がける大阪のメーカーが、“変わった、おもしろい、不思議な”蛇口で話題を集めているといいます。
どこからどうやって水が出るの?
西靖アナウンサーが向かったのは、大阪・西区立売堀にある明治12年創業の株式会社「カクダイ」。水道の蛇口をはじめとする水回りの製品を手がける大阪の堅実な企業として知られてきましたが、“おもしろい蛇口”で話題を集めているといいます。代表取締役・副社長の多田修三さん(55)に見せていただきました。自信の笑みを浮かべて副社長がまず紹介する蛇口は…

(西アナ)「これはつまり、ひっくり返ってますね。小学生の時に無理やり蛇口上向けて水を飲んでいましたけど…」

蛇口の上下がさかさまになってしまっていました!どのように水が出るのかというと…

(多田さん)「あのこれ(水が出る部分)を押していただくと、水が出ます」
(西アナ)「ココから!?」
(多田さん)「これ話題になるんですけど、あまり買ってくださらない」

そして、もうひとつ話題の「蛇口」は…“やかん”です。

(多田さん)「普通に…傾けて…」
(西アナ)「え?そういう(そそぐという)ことですか?ハハハ!」

来年開催のラグビーワールドカップ記念、救護用のやかんをイメージした蛇口「魔法の水」。この2つを紹介する記事がインターネットに掲載されると、またたく間に反響を呼びました。





「誰や!こんなん作ったん」
今、40種類以上ある「Da Reyaシリーズ」。「誰や!こんなん作ったん」が、ネーミングの由来です。たとえ赤字になる商品でも経営者の一声で決定し、並み居る大手メーカーに立ち向かえるのは、この会社が明治時代から続くオーナー企業だからこそだと副社長はいいます。

「私の勝手で作れるんです。誰も責任問わないんです。代表訴訟も起きないし、解任されることもないんです」(カクダイ・代表取締役副社長 多田修三さん)

「誰や!前後、さかさまつけたん?」「誰や!工事、途中でやめたん?」「誰や!メタボにしたん?」もあれば、「俺!ムッキムキやで」と筋肉質の蛇口。笑いをとる商品が多い中、「どっか~ん」の大きなハンドルには実用性もあります。

「娘が幼稚園児だったころに考えたもので、年長組の園児さんが締めた蛇口を年少組の子どもさんは開けることができない、かたくて。体重をかけて開けたり閉めたりできるんです」(多田副社長)
Q.いい話になったじゃないですか?
「ちょっと、いい話も入れてあるんです、時々」





初期の作品は副社長のアイデアが多かったものの、ここ数年は社員の公募から採用されます。

「『おでん蛇口』です。こんにゃくを回していただくと串から水から出ると…。この順番、上からこんにゃく・たまご・ちくわでいいのか?いや関東はこうじゃないとか、ああだこうだと議論して、最終これになったんです。『ちくわぶはなんでないの?』とかね。関東の連中はみんなそう言いました」(多田副社長)
始めたきっかけはリーマンショック
採用されると、副社長から賞金も出る「Da Reyaシリーズ」。始めたきっかけは、2008年リーマンショックでした。

「リーマンショックまでは、我々は大手さんの交換需要に対して、修理ですとか部品ですとか、そういう部分を担当していた会社です。リーマンショック以降、大手さんも苦しくなりまして、すそ野の交換需要まで全部、自社でおやりになるようになった」(多田副社長)

なくした市場をどう埋めるか…副社長は「非日常」を合い言葉に、各部署の社員からも広くアイデアを募りました。「小便小僧型蛇口」は台所には合わないと却下されましたが…

「(応募にあたり)必ず社員が家族と会話するわけですね。家族にも『アイデアを出してくれ』と。お子さんたちが、お父さんお母さんの仕事に対しての理解をしてくださるという効果がありました」(多田副社長)
Q.「大きい蛇口」もそうですけど…
「時々まじめでしょ?ハハハ」
「『標準』になってしまったら『ダレヤ』の意味がなくなる」
大手メーカーにはない“ふしぎな蛇口シリーズ”。しかし、副社長は一定の売り上げが出た「ダレヤ商品」に関しては生産をやめるというのです。

「たくさん売れると『標準』になってしまったら、『ダレヤ』の意味がなくなるわけです。『誰やこんなの?』っていう、この新鮮な思いを常に持っていただくために、売れ過ぎたらそれはやめましょうよと」(多田副社長)
Q.ネタやねんから、おもしろがってもらえる数にしておかないとと?
「お笑いの方も、ネタ毎回変えますでしょ?」
Q.今後はどんな展開を?
「苦しみながら出すというのが快感になってきてますので、少しずつでも作っていってます」

(12月3日放送 MBSテレビ「ちちんぷいぷい」内『ニュースな人』より)


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