県警・消防は380人動員 なぜ理稀ちゃんを発見できなかった

8/18(土) 9:26配信
日刊ゲンダイDIGITAL
「なぜ警察は発見できなかったのか?」との声が上がっている。

 山口県周防大島町の曽祖父の家に帰省していた藤本理稀ちゃんが行方不明になり、3日ぶりに発見された。県警や消防など延べ380人を動員しながら発見できなかったが、15日朝にボランティアの尾畠春夫さん(78)が山中を捜索したところ、ものの30分で見つけたのだ。

 警察と消防は行方不明者などを捜索するプロである。なぜボランティアに後れを取ったのか。

「山の捜索を後回しにしたからでしょう」とは地元関係者だ。

「理稀ちゃんがいなくなった12日、警察は曽祖父の家の近くにある4、5カ所のため池にダイバーを潜らせ、同時に川と側溝を捜索。海では海上保安庁の巡視艇が捜索するなど、水の周辺に専念した。13日は人の体温を感知するサーモグラフィー搭載のドローンを飛ばし、警察犬を動員したものの進展なし。警察は捜索隊を山に振り分けたと説明していますが、徹底的に捜さなかったようです」

■「何から何まで不思議」と専門医

 小児科の専門医で作家の左門新氏(医学博士)はこう言う。

「女性の『キャーッ』という叫び声は約3000ヘルツ。幼児は3000~4000ヘルツで、人間の耳に一番聞こえやすい高さです。理稀ちゃんが『お母さん』と泣き叫べば、数十メートル離れていても捜査員は聞こえるはずですが」

 理稀ちゃんが見つかった沢の周辺はマムシとイノシシが出没するため、土地の人も足を踏み入れない場所。「そのこともあって警察は『あんなところまで2歳児が歩けるはずがない』と決め付けたのではないか」(地元民)との声もある。

 曽祖父の家と理稀ちゃんの発見現場は直線距離で560メートル。標高差は80メートルで、かなり勾配がある。そこを2歳児が上ったわけだが……。

「今回の事故はよく分からないことだらけです。テレビで見た上り坂は地面がデコボコしていて、2歳児が上るのはかなり難しい。理稀ちゃんは他のルートを歩いたのではないか。2歳児なら途中で引き返すことも考えられますが、そのまま上っていったのも釈然としません。真夏に3日近く水だけ飲んで塩分を取っていなかったら熱中症でぐったりするはず。なのに理稀ちゃんは発見時、岩の上に座っていたとか。何から何まで不思議です」(左門新氏)

 何が奇跡を起こしたのか。

最終更新:8/18(土) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL