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「インスタグラマーにはもううんざり!得するのはビキニ会社だけ」 豪華リゾートで進むSNS離れ

6/28(木) 18:25配信
ニューズウィーク日本版
写真は作り込めたとしても、ホテル側の呆れの声は偽れない...
澄き通った海、白い砂浜、ラグジュアリーホテル――モルディブは、世界で1番インスタ映えする場所。このインド洋に浮かぶ楽園は、人気の新婚旅行先であり、AリストのVIPやインスタ・エリートとでもいうべきインフルエンサーから愛されるディスティネーションだ。

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ところで、インフルエンサーと呼ばれる人たちがその費用をどう工面しているのか、疑問に思ったことはないだろうか?彼らのほとんどは、自分で負担しているわけではない。SNSで紹介する見返りとして、高級ホテルにタダで滞在しているのだ。

しかし、インフルエンサーをひたすら厚遇するという風潮にも、変化が訪れているようだ。
インフルエンサーだから無料で泊めて!
オーストラリアのニュースサイト「news.com.au」によると、モルディブの5つ星リゾートで働くケイト・ジョーンズの元には、こんな問い合わせがくるらしい。「インスタに2投稿するから、10泊させて。それで『2000いいね』がつくはずよ」。さらに最近では、フェイスブックを利用しているだけで自分がインフルエンサーだと名乗る人もいるらしい。「私はフェイスブックで友達が600人いる。インフルエンサーだから、7泊させてほしい」と言うそうだ。

こういった類いのリクエストを、少なくとも1日に6回は受けると言う。「彼らは平均して5~7泊分の宿泊費と食事代や施設利用費、アクティビティ料金などオールインクルーシブで負担してもらえると期待している。モルディブは安いディスティネーションではないのに、信じられないくらい多くの人がパラダイスへのフリーパスがもらえると思っている」と、アトランティック誌に語る。

トラベルブロガーは、こうした交渉は当然だと思っている。ラグジュアリーホテルの多くが、彼らのオンライン上での批評がおよぼす影響を恐れているのだ。

美しいヴィラが自慢のモルディブのフラワリ アイランド リゾートのウェブサイトには、インフルエンサーを対象としたセクションがあり、「デジタルマーケット戦略の一環として、インフルエンサーと積極的にコラボレートしていく」と、明記している。「オーディエンスへの影響力が強く、忠実なフォロワーを持ち、量よりも質にこだわったコンテンツを作る人。かつ自身のブランド力が、ホテルがターゲットとするオーディエンス、価値観、マーケティングゴールとマッチするインフルエンサーを歓迎する」。

応募のフォームには、フォロワー数や平均エンゲージメント率のほか、予定している切り口やストーリーについて記入する項目がある。

多くの人々がインスピレーション源としてSNSを活用することになったことで、インフルエンサーへのサービスが激化するのは理にかなうとも言えるが、この状況がただただエスカレートしたせいで、少々勘違いしたインフルエンサーが現れているのも事実だ




タダでやってくれて当然と言わんばかりの強気
動画共有サイト「ユーチューブ」で13万3000人、インスタグラムで11万2000人のフォロワーを持つエル・ダービー(@elledarby_)は、アイルランドのダブリンで人気のスポット「ザ・ホワイト・ムース」に、コラボレーションしたいと企画を持ちかけた。

「2月8~12日、パートナーと一緒にダブリンを旅行する予定です」とメールで伝え「あなたのホテルが気に入ったから、是非フィーチャーしたい。私のユーチューブの動画、インスタグラムのストーリー/ポストで紹介すれば、ホテルのファンが増えるわ」と提案した。

オーナーのポール・ステンソンは「宣伝する代わりに無料で宿泊したいとのご連絡、ありがとうございます。そのようなメールを送るのは、とても勇気のいることです。もしそうでなければ、とても自信とプライドがおありなのでしょう」とホテルの公式フェイスブックページに書き込んだ。

「ビデオでフィーチャーするお礼として無料の宿泊を受け入れたならば、あなたの滞在をサポートするスタッフの賃金は誰が支払うのですか?あなたの部屋をきれいにするハウスキーパーの賃金は?あなたの朝食をサーブするウエイターは?チェックイン時のレセプションは?滞在中にあなたが使う光熱費は一体誰が負担するのですか? 」

そしてこう締めくくった。「P.S. 答えはノーです」。

これに対しエルは、17分におよぶビデオを制作し「私は間違ったことをしたとは思わない」と主張した。今までこの方法でトラブルになったことはなかったのだろう。彼女のインスタグラムは、世界中のラグジュアリーリゾートで撮ったセルフィーだらけだ。

冒頭で紹介したモルディブで働くジョーンズの勤めるリゾートも「ビーチで1日に10種類のビキニ写真を撮ったところで、メリットがあるのはビキニ会社だけ。ファッション・インフルエンサーにもう特別な便宜は図らない」とアトランティック誌に今後の方針を伝えている。
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

最終更新:6/28(木) 18:25
ニューズウィーク日本版