平成25年から噴火を繰り返してきた小笠原諸島の無人島、西之島(東京都小笠原村)について、気象庁が火口周辺警報の警戒範囲を縮小する方針を固めたことが15日、分かった。火山噴火予知連絡会の20日の会合で見解を確認した上で決定する。西之島では昨年8月以降、噴火は確認されていない。
警戒範囲の縮小は28年8月以来となる。政府関係者によると、内閣府など関係省庁が既に警戒範囲縮小後の活動を協議。新たな生態系が構築されるまでの過程について科学的調査が再開されるほか、地形図や海図が改めて作製される見通しだという。
西之島の火山活動は低下しているが、気象庁は噴火を繰り返した経緯を踏まえ、警報を解除せず、前回と同様に警戒範囲を1・5キロから500メートル程度に縮小するとみられる。西之島の1月時点の面積は2・95平方キロで旧西之島の約10倍、最高標高は160メートルになっている。
前回の範囲縮小後には、東京大などの研究チームが噴火後初めて上陸して調査を実施。その後、気象庁は警報を解除したが、29年4月になって約1年半ぶりに噴火し、改めて警報を発出していた