苫米地英人

Wiki
苫米地 英人(とまべち ひでと、1959年9月7日 - )は、日本の認知科学者(機能脳科学、計算言語学、認知心理学、分析哲学)。カーネギーメロン大学博士(Ph.D.)兼Cylabフェロー。株式会社ドクター苫米地ワークス代表。コグニティブリサーチラボ株式会社CEO。角川春樹事務所顧問。中国南開大学客座教授。米国公益法人The Better World Foundation日本代表。米国教育機関TPIジャパン日本代表。天台宗ハワイ別院国際部長。聖マウリツィオ・ラザロ騎士団大十字騎士[1]。株式会社サイゾーオーナー。かつて「苫米地 英斗」と表記されていた時期がある[2][3]。
略歴[編集]
- 1979年:駒場東邦高等学校卒業。上智大学入学。
- 1981年:マサチューセッツ大学アマースト校コミュニケーション学部(ディベート専攻)留学。
- 1983年:上智大学外国語学部英語学科卒業(言語学)、三菱地所入社
- 1985年:イエール大学大学院計算機科学科博士課程(人工知能)入学[7]、イエール大学人工知能研究所・認知科学プロジェクト研究員(フルブライト奨学生)[8]
- 1987年:カーネギーメロン大学大学院哲学科計算言語学研究科博士課程転入[9]
- 1987年:カーネギーメロン大学計算機科学科研究員(-1992)[10]
- 1990年:ATR自動翻訳電話研究所滞在研究員[11] [12]
- 1992年:徳島大学助教授(工学部知能情報工学科) 担当科目: 情報システム工学、データベース[13]
- 1993年:カーネギーメロン大学大学院博士課程修了[14]。
- 1995年:株式会社ジャストシステム 本社開発本部ディレクタ、ジャストシステム基礎研究所所長[15][16]、ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院脳機能研究共同プロジェクト日本側代表[17]。
- 1996年:通商産業省情報処理振興審議会専門委員。ジャストシステム ピッツバーグ研究所(JPRC)取締役。
- 1998年:コグニティブ・リサーチ・ラボラトリィズ株式会社取締役[18]
- 2007年:カーネギーメロン大学サイバーセキュリティ・プライバシー研究所(サイラブ)[19] フェロー[20]
- 2012年11月23日、第46回衆議院議員総選挙に北海道第4区から新党大地公認で立候補することを発表[21]。政務調査会長に就任、2012年12月15日までに小樽や札幌で街頭演説等を多数行う[22]。2012年12月16日、第46回衆議院議員総選挙で落選。
- 2013年: ロシア国立極東連邦大学客員教授就任[23][24]
- 2015年: 公益社団法人自由報道協会会長就任[25]
- 現在は、ドクター苫米地ワークス代表、株式会社コグニティブリサーチラボCEO[26]、角川春樹事務所顧問、天台宗ハワイ別院国際部長[27]、南開大学(中国)客座教授[28]、カーネギーメロン大学サイラブフェロー[29]、ロシア極東連邦大学客員教授[30]、株式会社サイゾーオーナー、米国公益法人ベター・ワールド・ファウンデイション[31]理事、一般財団法人BWFインターナショナル代表理事[32]、一般財団法人日本催眠術協会代表理事[33]、合同会社TPIジャパンCEO[34]、合同会社苫米地インスティチュートCEO[35]、一般財団法人苫米地国際食糧支援機構代表理事[36][37][38]。
学術・公的活動[編集]
所属学会[編集]
日本政府プロジェクト[編集]
- 1998年3月 通商産業省平成9年度高度情報化支援育成事業「ネットモバイル強化型の汎用動的計算機構の設計と構築」(9 情技応第 837 号)プロジェクト代表
- 1998年12月 通商産業省平成10年度先導的コンテンツ市場整備事業「使用による課金を実現する流通・供給・再利用の高度化環境の開発」(MMCA-2005)研究代表者[39]
特許[編集]
- 苫米地英人、野口直夫、『抗体接触型動的アンチウィルスシステム』、特願2000-404451[40]
- 苫米地英人、津田和彦、『電子メイル署名ウィルスチェックシステム』、特願2000-404452
- 苫米地英人、苫米地雅夫、『電子透かし情報埋め込み型音楽情報配信システム』、特願2005-216460
- 苫米地英人、『位置情報を考慮したP2P売買情報提供システム』、特願2004-372306
各種活動[編集]
コンピュータ関連[編集]
- プログラム言語であるLISP言語の論文を、いくつか発表していた時期がある[41]。イェール大学大学院では、オブジェクト指向プログラミング言語のTにより、超並列処理システム、人工知能システムなどを構築している[42]。カーネギーメロン大学計算機科学部に移籍後は、専門の人工知能、自然言語処理の研究に不可欠な LISP プログラミングを、Common Lisp の生みの親、スコット・ファールマンの下で学び、この縁からファールマンがジャストシステムピッツバーグ研究所所長に、苫米地が取締役に就任した。帰国後も Common Lisp の研究を続け[43]、通産省の援助で Common Lisp で記述されたHTTPサーバである、Lispache(リスパッチ)などを発表している[44]。また、Common Lisp における動的オブジェクト指向モデルの CLOS の普及にも尽力している[45] [46]。
- P2P技術開発をP2P技術の創成期から進めており総務省予算の政府予算開発などを通して、P2P技術の普及を呼び掛けている[47]。P2P訴訟の初期の例として有名ないわゆるファイルローグ事件の裁判では「日本の健全な発展のためにP2Pを禁止すべきではない」と、東京地裁に意見書を提出している[48]。また、1990年代半ばから2000年代初頭にかけて通産省予算などの複数の政府予算ソフトウェア技術開発を行ったり米Apple社からことえりの開発を受託したりしている[49]。
- 近年、米国パートナーと独自開発したとする完全独自コーデックによるP2P型次世代動画配信システムKeyHoleTVは、2007年の参議院議員選挙で大勝した民主党に利用された[50]。開発元のコグニティブリサーチラボでは政党、思想を問わず技術をライセンスするとしている[51]。また、地上デジタル放送難視聴問題解決技術の実証として、2007年5月24日から7月28日まで行われた在京キー局のアナログ電波区域外再放送の実験にも用いられた。
- その他、LISPやP2P、自然言語処理、計算機科学、ニューラルネットワーク、計算言語学などに関する論文をカーネギーメロン大学、徳島大学、ATR(国際電気通信基礎技術研究所)、コグニティブリサーチなどの所属として過去に出している[52][53]。
ビジネスマンとして[編集]
- 2008年にテレビ東京系列の近未来ドラマ「ケータイ捜査官7」や角川春樹映画「神様のパズル」の監修をしている。また「神様のパズル」の主人公の穂瑞沙羅華(ほみず さらか)のキャラづくりのモデルとなったとされる[54]。実際、映画では原作と異なり、穂瑞は苫米地と同じカーネギーメロン大学を飛び級で卒業した天才少女という設定となっている。
- 『博士も知らないニッポンのウラ』(2008年7月1日配信)で脱資本主義を主張しているにもかかわらず、ビジネスマンとして積極的に活動していることを冷やかされた際、脳科学の普及と研究費を集めることをビジネスの主な理由として挙げ、「そのためには魂売るぜ」と述べた。
- 最初の事業を成功させた際に、その収益でフェラーリ2台を購入した。後に、「日本の若い理系の学生たちに、科学者だって成功すればこんな買い物ができるんだ、って見せる意味合いも込めた」と雑誌のインタビューで語っている[55]。
自己啓発関連[編集]
- 2007年以降、自己啓発書を大量に出版する。一連の著書は神経言語プログラミング (NLP) にも強い影響を与えたミルトン・エリクソンの技術の影響を強く受けている。
- コーチとして、米国自己啓発界の重鎮、ルー・タイス(1935年11月15日 - 2012年4月1日〈現地時間〉)[56]による自己変革プログラム、TPIE(英語: Tice Principle In Excellence)に携わっている[57]。このプログラムの改正に引き抜かれ、以来、タイスと共に仕事を行ってきた。
宗教・スピリチュアリズム関連[編集]
- 実話ナックルズの紙面上でダンテス・ダイジの著書こそがオウム真理教の教義面の最大のネタ本であると述べた[58]。
- 2000年代半ばのスピリチュアルブームを繰り返し批判していた。一方で仏教に詳しく[59][60]、日本仏教やインド密教との関係が深く、気功については情報的存在であると語る。輪廻転生に関しては、テロリズムなどを助長するなどの点から、本人が本気で信じていても主張してはいけないと批判した。また、比叡山延暦寺の本坊(総里坊)である滋賀院門跡にて天台宗で得度していることを2011年の著書[61]で明かしている。
政治的発言[編集]
著書[編集]
2000-2006年[編集]
- 『洗脳原論』 春秋社、2000年2月15日。ISBN 978-4-393-36116-0。
- 『洗脳護身術―日常からの覚醒、二十一世紀のサトリ修行と自己解放』 三才ブックス、2003年10月20日。ISBN 978-4-9155-4069-1。