陽明文庫に琉球士族献上の金杯 江戸中期、実物を初確認

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共同通信社



 琉球王国の士族だった程順則が江戸時代中期の1715年、京都の公家近衛家熙に献上した金泥が施された杯「孔林楷杯」が、陽明文庫(京都市)で確認された。沖縄県教育委員会が7日までに発表した。杯の存在は文献資料で把握されていたが、実物を確認したのは初めて。県教委は「琉球と京都の知識人の交流がうかがえる貴重な資料」としている。
 杯は縦約26センチ、横約21.5センチで、内側に金泥が施されている。「孔林」は中国・山東省曲阜にある孔子一族の墓地の名称で、杯はそこにあるカイの木の根元から作ったとされる。献上を受けた近衛家熙は関白などを歴任し、知識人として知られる。