<JR西>東海道・山陽新幹線の台車に亀裂

12/12(火) 20:25配信
毎日新聞
 ◇異臭、名古屋駅で運転取りやめ 「重大インシデント」と認定

 JR西日本は12日、博多-名古屋間を走行していた東海道・山陽新幹線の車両の台車に亀裂や油漏れなどの異常を発見したと発表した。11日に運転中、異臭がしたため、名古屋駅で運転を取りやめて検査していた。国の運輸安全委員会は12日、事故につながりかねない重大インシデントとして鉄道事故調査官を現地に派遣した。航空・鉄道事故調査委員会が発足した2001年以降、新幹線の重大インシデントは初めて。

【写真特集】新幹線図鑑

 同社によると、異常が見つかったのは博多発東京行きのぞみ34号(N700系、16両編成)の13号車。博多駅を11日午後1時半ごろ出発し、京都駅付近で車掌が焦げたような臭いに気付いた。同5時ごろ、名古屋駅で点検し、走行できないと判断した。

 検査で、鋼鉄製の台車枠に亀裂が1カ所あったほか、歯車箱付近に油漏れがあり、モーターの回転を車輪に伝える継ぎ手が黒っぽく変色していた。同社は焦げて変色したとみている。10日の運転前点検で異常はなかったという。【根本毅】

 永瀬和彦・金沢工業大客員教授(鉄道システム工学)の話 新幹線の台車枠は二つの車輪を固定し、車体の荷重を受けるため、極めて頑丈に作られている。亀裂が原因で台車枠がゆがみ、継ぎ手に大きな力がかかって発熱したり、油漏れを起こしたりしたのではないか。亀裂は重大事故につながる可能性があり、あってはならない。

最終更新:12/12(火) 21:16
毎日新聞