東芝半導体売却、手続き大詰め WD・ブロードコムが有力

6/8(木) 8:15配信
SankeiBiz
 東芝の半導体子会社「東芝メモリ」の売却をめぐり、提携先の米ウエスタン・デジタル(WD)と米半導体大手のブロードコムが有力な買い手候補として浮上している。WDは近く、東芝に買収の譲歩案を示す見通し。だが、落としどころを見いだせなければ、東芝は好条件を示すブロードコムとの交渉に傾く可能性もある。

 WDは東芝メモリの他社への売却を認めず、東芝メモリの株式の過半を出資する案にこだわってきたが、ここにきて態度を軟化させ、出資比率で大幅に譲歩するとの見方が強い。官民ファンドの産業革新機構や日本政策投資銀行との連合を模索しているという。

 背景には、東芝が定める6月後半の売却先決定まで残り時間が少なく、両社の対立が解消されなければ、東芝は見切りをつけて他陣営との交渉を強行する構えを示したことがある。

 入札に参加する4陣営の中で東芝関係者が「有力」と認めるのがブロードコムだ。買収提示額も2.2兆円と好条件で、東芝メモリと事業重複も少ないため、独占禁止法の審査が短期間で済む見通しだからだ。

 今後はWDがどこまで譲歩するかが焦点だ。東芝は独禁法の審査が長引かないようWDの出資比率をなるべく低く抑えたい考えで、折り合えるかは不透明だ。一方、WDに連合を打診されている革新機構は米ファンドなどと日米連合での買収提案を検討してきたが、陣営づくりに難航しており、WDの呼びかけにどう対応するかも注目される。









最終更新:6/8(木) 8:15
SankeiBiz