JFEエンジ、海外技術者の確保加速-大学生向けインターン好調
http://www.nikkan.co.jp/articles/view/a7d42329261710a305358c99b3e92b36
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JFEエンジニアリング(東京都千代田区、狩野久宣社長、03・6212・0800)は、海外の若手エンジニア確保に向けた動きを加速している。東南アジアを中心とした学生向けのインターンシップを、2013年度から本社で実施しており、それ以降に入社した社員も10人を超えた。同社にとって、海外事業の拡大は最重要な経営課題の一つ。優秀な若手人材の採用を進め、次代を見据えた海外事業の基盤固めにつなげる。
(長塚崇寛)
【存在感高める】
「海外での存在感を高める上で、大きなツールとなる」―。海外事業を統括する大下元専務執行役員は、取り組みの意義をこう説明する。
当初は参加者集めに苦戦したものの、今では書類選考が必要なほど。倍率も国により異なるが、数倍から30倍という狭き門だ。
JFEエンジの海外インターンは大学生の夏休み期間に開催し、期間は4―6週間。13年度から開始し今期で4回目となり、延べ84人を受け入れた。
今回はベトナム、マレーシア、ミャンマー、インドネシア、インドの学生を対象とする。
研修は座学や現場見学などで構成する。水処理やゴミ焼却設備などを担う部署が、プラントの概要を講義したり、設計作業を体験するカリキュラムを用意。現場見学では津製作所(津市)や、自社運営の植物工場(北海道苫小牧市)などをコースに設定する。
研修の最後は“卒業論文”として、学んだ内容をもとに各自がプレゼンテーションを実施。「試行錯誤を重ねながら、より実践的な内容にブラッシュアップされてきた」と大下専務は目を細める。
【パイプづくり】
ベトナム国家土木大学3年のファン・クアン・ズンさんは「下水処理設備を見学するのは初めてで、非常に有意義だった」と振り返る。研修で学んだ上下水道の技術を「いかにしてベトナムに導入するか」―。将来の国を支えるエンジニアの卵は力強く語った。
JFEエンジは18年3月期に、海外受注高を15年3月期比6倍強の1300億円規模に引き上げる計画。近年ではインドネシア、インド、フィリピンに設計拠点を設置したほか、ミャンマーでは現地政府との合弁工場を運営する。
「海外でのエンジニア確保は、非常に難しい」と大下専務。海外の優秀な人材の確保や将来のパイプづくりに、インターンの取り組みが大きな役割を担っている。