日本人の生活に定着 「ファブリーズ」大ヒットの“着眼点”

日刊ゲンダイ 7月16日(土)9時26分配信



 イヤなニオイが一段と気になる季節。布用消臭スプレーのパイオニア、P&Gの「ファブリーズ」に注目したい。1998年の発売以来、洗いにくい布製品をスプレーで消臭・除菌するという新しい生活習慣を広めてきたファブリーズは、布用消臭スプレーで累計5億本超の販売実績を誇るとともに、部屋用やクルマ用など幅広く展開するエアケアブランドとして成長。15年には「ファブリーズメン」で男性身だしなみ市場にも参入し、好調な売れ行きを見せている。

 本国アメリカで誕生したファブリーズ。そもそもなぜ布なのか。答えは、「ニオイのもとは布にある」ということ。日本発売においては「どんなに掃除をしても残ってしまう家の中のイヤなニオイは、カーテンやソファなどの布製品が呼吸しているせいであり、ニオイを吸い込んでは吐き出していることを訴求するコミュニケーションを展開した」(P&Gジャパン広報部の田上智子氏)。

 98年に中部地区で先行発売すると大反響で、翌99年に全国発売。洗わずに洗ったときのように消臭・除菌できるスプレーはたちまちヒット商品となった。以降、ファブリーズを使った布消臭は「ファブる」と表現されるほど日本人の生活に定着。09年には現在の主力である「ダブル除菌シリーズ」を発売し、布用消臭スプレーナンバーワンの座を強固なものにした。

 一方で2000年に香り付き、05年には部屋用の置き型タイプも投入し、室内消臭剤と芳香剤市場を股に掛けた展開もスタート。07年にはトイレ用、10年にはクルマ用も発売し、エアケアブランドとしての地位を確立する。とくにクルマ用は12年に投入した「ファブリーズ クルマ イージークリップ」が大ヒット。現在はさらに品揃えを増やし、車専用消臭芳香剤市場をリードする。そして昨年、初の男性用として、衣類等を消臭・除菌する「ファブリーズメン」が登場した。

「近年、男性のニオイに関する意識が高まっている。独自調査では、とくに気にしている不快なニオイとして、たばこ・汗・体臭・焼き肉・加齢臭の5つが挙げられた」(田上氏)

 そこでファブリーズメンは、タフな“5大臭”を解決すべく、ブランド史上最強の消臭パワーを実現。販売好調で、男性向け布用消臭スプレー市場において抜群の強さを発揮している。

 見事な展開力。松岡修造氏が父親役を演じて好評のテレビCMの通り、ファブリーズは、生活の中の身近なニオイ問題を解決する。





最終更新:7月16日(土)9時26分
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