米ワシントンにある、ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺を慰霊するホロコースト記念館は12日、来館者に対して人気アプリゲームの「ポケモンGo」を館内でしないよう求めた。
記念館の広報担当者は、ナチス迫害の犠牲者を悼む場所でプレーするのは「非常に不適切」だと語った。記念館から数キロ離れたアーリントン国立墓地も、同様の要請を出した。
「ポケモンGo」では多くの有名な建物や場所がモンスターが見つかるポイントに指定されており、ホロコースト記念館と国立墓地も含まれている。また2カ所は、ゲーム上の「ポケストップ」にもなっているとみられる。ポケストップでは、ポケモンに与える食べ物や薬といったアイテムを得ることができる場所だ。
ホロコースト記念館の幹部と国立墓地は、ゲーム上の指定を外すよう求めている。アーリントン国立墓地は、「ポケモンGoのようなゲームをするのにはふさわしくない神聖な場所」だと文書で述べている。
「ポケモンGo」は、スマートフォンの位置情報機能を使って、現実世界のさまざまな場所でポケモン(ポケットモンスター)を捕まえるゲーム。今月6日に米国やオーストラリア、ニュージーランドで発売されるや一気に人気となり、数日でアップルの「アップストア」やグーグルの「グーグルプレー」の販売ランキング1位になった。
アーリントン国立墓地のスティーブン・スミス広報官は、まだ問題は起きていないが、起きる前にあらかじめ対応しておきたいと考えた、と語った。
墓地にいる人がスマートフォンでゲームをしているのか、墓地の地図アプリを使っているのかをはた目から判断するのは難しい。
ホロコースト記念館の中でポケモンが現れないようにすることができるのかについて、ゲームを開発したナイアンティック社はまだ回答していない。
(英語記事 US Holocaust museum asks Pokemon Go players to stop)
