初回に先頭打者アーチを浴びるなど、4四球とコントロールが安定していなかったが要所を締め、毎回の7三振を奪う1失点にまとめてゲームを作った。ただ5回にマウンド上で右腕を何度か振るような仕草を見せたため、大事をとって、球数はまだ76球だったが、緊急降板指令。ダルビッシュに勝ち負けはつかなかった。
チームは「右肩の軽い張りがあったため」と降板理由を発表。ダルビッシュ自身は、試合後、「肩ではなく首の張り」と、大きな不安がないことを強調した。中4日登板での疲労を抱えて調子が今ひとつの状況で、結果を出したのは大きな収穫だろうが、今後の回復状況が心配される。
コントロールが定まらない。立ち上がりは、ピッチャーにとって永遠の命題とも言える関門だが、先頭のスプリンガーに対してボールが先行、カウント2-0からストライクを取りにいったインコース真ん中のストレートをジャストミートされ、打球は先頭打者アーチとなってレフトスタンドへ飛び込んだ。
復帰後、初被弾。一死からは、相性の悪い4番のラスムスにストレートの四球。続くバルブエナは落ちるボールで三振に斬ったが、変化球も抜けたボールが多く、不安定なスタートだ。
実は、アストロズ戦に向けて地元ファンの間では、ひそかな期待があった。2013年4月2日、あと一人まで完全試合を遂行していた相手がアストロズだったのだ。27人目の打者、ゴンザレスに足元を抜かれ、日本人メジャーリーガー初の快挙を逃したが、ファンはアストロズ相手なら再現も、と期待していたのである。
だが、あっさり一人目に、その期待も夢と消えてしまった。
これが復帰後、連勝で迎えた3試合目。中5日、中4日と続く先発となったが、今回は中4日の間の調整で、ピッチングデイを一日早めるなど過ごし方を変えたが、やはり疲労が影響しているのだろうか
3回も先頭のカストロを歩かせた。続く本塁打を打たれたスプリンガーはスライダーで三振に切ったが、カストロに二盗を許す。2番のアルトゥーベには、カット系のボールを捉えられセンター前へ。だがセンターのマザラがホームへダイレクトの好返球で、カストロを封殺した。続くコレアには、この日最速となる158キロのストレートをインハイに投じて5つ目のスイングアウト。徐々に修正をかけていく。
3回には、チームがダルビッシュを援護。無死二、三塁から内野ゴロの間に走者が返って1-1の同点。
4回には、珍しいシーンが。一死からバルブエナにライト線を破られたが、はねかえった打球がライトのファウルグラウンドのフェンスの下に挟まったのだ。バルブエナが三塁まで進んだため、アストロズベンチは抗議をし、球場のローカルルールで二塁へ戻された。それでも一死二塁。続くギャティスにはレフトへ快音を残される。ホームランと勘違いしたダルビッシュはマウンド上で“しまった”というアクションを見せたが、レフトがフェンスに張り付き好捕。さらにゴメスを四球で歩かせ一、二塁となったが、ゴンザレスを縦に落ちるスライダーで三振。ピンチを脱した。
5回には一死から本塁打を浴びたスプリンガーに対し追い込んでからキャッチャーのサインに何度も首をふって、101キロのスローカーブで7つ目の三振。だがこの直後、右肘をマウンド上で振るしぐさを。続くアルトゥーベに四球を与えたところで、ベンチは異常を察知してマウンドへ駆け寄ったが、ダルビッシュは笑顔で続投を志願。それでもボールにスピードが出ていなかった。
あと一人をライトフライに抑えて、無失点でマウンドを降りたが、ベンチに戻るとバニスター監督を交えて再び首脳陣と話し合いが持たれた。まだ球数は、限定されている「90」に至らない76球だったが、大事をとってダルビッシュは、このイニング限りで1-1の同点のままマウンドを降りることになった。
チームは「右肩に軽い張りが出たための降板。右肩に医学的な問題はない」と試合中に発表した。中4日登板が続いたための疲れか、右肘の手術明けの影響なのか。今後の回復状況が心配される。
5回3安打1失点、毎回の7奪三振の内容。勝ち負けはダルビッシュにつかなかった。
試合は7回にアルトゥーベが勝ち越しの2点タイムリーをレフト線に放ち3-1でアストロズの勝利。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160609-00000002-wordleafs-base&p=2