瀬戸内海に浮かぶ人口約3万人の香川県・小豆島(しょうどしま)から、甲子園に挑む。第88回選抜高校野球大会に21世紀枠で初出場する小豆島高校の全選手17人は島出身だ。「島から甲子園へ」の夢がかない、島民たちは応援用にフェリーをチャーターするなど早くも沸いている。
【写真】応援ツアーのチケットを買うため、小豆島高校にできた大行列
甲子園応援ツアーのチケット販売が始まった15日。小豆島高に島民が続々と訪れ、正午の発売開始前に150人以上の行列ができた。会社員の炭山憲三さん(68)は午前9時に一番乗り。「『島から甲子園』の夢が現実になった。これ以上のイベントはない」。約1500人分のチケットの大半が初日で売れた。
今回、同校や後援会などでつくる「甲子園出場実行委員会」は島民が応援に行くためにフェリー4隻をチャーター。同じ21世紀枠の釜石高校(岩手)との1回戦は、21日第1試合で午前9時開始。島外に出る唯一の手段である船の定期便では、始発でも間に合わないからだ。当日午前2時半から3時に三つの港から高松港へ向かう。さらに最大50台のバスに分乗して甲子園に向かう予定だ。
杉吉勇輝監督(32)は「主将は島の人から『フェリーがないから第3試合を引いて』と言われていたみたい」。希望通りにいかなかったが、多くの島民が来てくれる。「ベンチと応援席、小豆島が一体となって楽しめたら最高」と話す。
同校は来春、島内にある土庄(とのしょう)高と統合して「小豆島中央高」になる。小豆島高OBの杉林宏さん(80)は選抜出場が決まった日、修学旅行から島に帰ってきた野球部員らを港で出迎え、62年ぶりに校歌を歌った。「もう1回、今度は甲子園で聴きたい」
野球部OBも盛り上がる。特産のオリーブの農園「井上誠耕園」を営む井上智博さん(52)はかつて4番で遊撃手だった。最後の夏の香川大会で、好機の打席で初球の甘い球を見逃し、三振。試合に敗れ「今でも夢に出てくる」と言う。
【写真】応援ツアーのチケットを買うため、小豆島高校にできた大行列
甲子園応援ツアーのチケット販売が始まった15日。小豆島高に島民が続々と訪れ、正午の発売開始前に150人以上の行列ができた。会社員の炭山憲三さん(68)は午前9時に一番乗り。「『島から甲子園』の夢が現実になった。これ以上のイベントはない」。約1500人分のチケットの大半が初日で売れた。
今回、同校や後援会などでつくる「甲子園出場実行委員会」は島民が応援に行くためにフェリー4隻をチャーター。同じ21世紀枠の釜石高校(岩手)との1回戦は、21日第1試合で午前9時開始。島外に出る唯一の手段である船の定期便では、始発でも間に合わないからだ。当日午前2時半から3時に三つの港から高松港へ向かう。さらに最大50台のバスに分乗して甲子園に向かう予定だ。
杉吉勇輝監督(32)は「主将は島の人から『フェリーがないから第3試合を引いて』と言われていたみたい」。希望通りにいかなかったが、多くの島民が来てくれる。「ベンチと応援席、小豆島が一体となって楽しめたら最高」と話す。
同校は来春、島内にある土庄(とのしょう)高と統合して「小豆島中央高」になる。小豆島高OBの杉林宏さん(80)は選抜出場が決まった日、修学旅行から島に帰ってきた野球部員らを港で出迎え、62年ぶりに校歌を歌った。「もう1回、今度は甲子園で聴きたい」
野球部OBも盛り上がる。特産のオリーブの農園「井上誠耕園」を営む井上智博さん(52)はかつて4番で遊撃手だった。最後の夏の香川大会で、好機の打席で初球の甘い球を見逃し、三振。試合に敗れ「今でも夢に出てくる」と言う。
朝日新聞社













