新卒入社の会社を2年で退職。待ち受けていた転職活動は、想像以上に惨めで厳しいものでした。

STORYS.JP 3月9日(水)19時20分配信
3月に解禁された2017年度春の新卒採用。
リクルートスーツを着た学生さんを見かけることも多くなりました。
新卒だけでなく、テレビCMでは転職サイトもよく見かけます。
数多くある人材サービス会社。業種・職種に特化したものも多くあり、とても細分化されたサービスになってきています。

それほど人材の流動性が高いということなのか、働くこと、仕事というものに悩む人が多いのか。
人生のストーリーが集まるサイト『STORYS.JP』には、仕事、就職・転職活動など、働くことについてのストーリーが多く投稿されています。

実際にやってみないとわからない就職活動、転職活動。そのやり方は様々です。新卒で入社した会社を2年で退職し、転職活動をした人のストーリーをご紹介します。
入社2年後、会社を辞めることにした
大学卒業後、入社したのは設立40年を超える中堅日用雑貨メーカー。
入社後すぐ、商品企画兼バイヤー職に就いた。
僕自身、大学で中国語を専攻していたこともあり、入社直後から月に一度は海外出張に行ったり、周囲から見たら恵まれた環境だったと思う。

2年後、会社を辞める事にした。 

どうしてそんな恵まれた環境で仕事をしていたのに辞める事にしたのか。
理由は以下2つだ。

(1)上司と上手くいかず、地方の流通センターに左遷させられたから。 
(2)流通センターでの仕事に遣り甲斐を感じられなかったから。

当時の上司は年齢30代後半の今は無き元大手総合商社マン。
石油や天然ガスの調達に関わっていたらしい転職組だ。
社長には期待されていたみたいだけど、彼は細かすぎる性格と部下に対する辛辣な物言いのため皆に嫌われていた。

そんな上司とどんな事があって左遷させられたかについては、ここでは割愛する。僕は彼の事が大嫌いだったし、今でも大嫌いだ。彼と話したり、同じ空間にいるだけで吐き気がするくらい。

但し、変な話かもしれないが僕は彼を尊敬している。

彼のもとで働いたのは左遷させられる前のたった1年半だったけど、社会人としての基礎やバイヤーの仕事を教えてくれたのは全て彼だ。僕の今があるのは彼無しには考えられない、そのくらい尊敬している。大嫌いだけれども…

希望条件に見合った求人はありません
帰って早々リクルートキャリアに登録して、僕が転職しやすそうな雑貨系バイヤーや海外工場での生産管理の仕事を探してもらう事にした。前職の2年間のうち、東京、大阪、兵庫と転勤を繰り返した僕はひとまず東京の実家に帰ることにした。4月1日のことだ。

僕の担当をしてくれたのは20代後半と思われる女性スタッフ。
希望条件に見合った求人を30-50社程紹介するので、初めはあまり興味の無い求人でもとにかくエントリーしてみてくださいと言われた、とにかく待つことにした。

そして面談終了後の夜、担当者からきたメールには無情にも「希望条件に見合った求人はありません。」
30-50社紹介するって言ってたじゃないか…。

そんな文句を言っても仕方がないので、ひとまず希望条件の間口を広げてみることにした。

しかし紹介される求人は医薬品の生産管理や、上場企業向けの資金調達コンサルの仕事等、自分の専門外ばかり。
後で感じた人材紹介会社の欠点だが、人材紹介会社の人間は人事のプロであるかも知れないけど、それ以外の職種は素人。
おそらく僕が(雑貨系の)生産管理業務や(雑貨の海外からの)調達業務といっても、彼ら/彼女らは条件の合う求人をキーワードで検索するだけで求職者が真にどのような職を探しているかわかっていないのではないか。

9社程的外れな求人紹介を受けた後、担当者にへそを曲げられて求人を紹介してもらえなくなっても損なので、その内の一社のサプリメントの生産管理職にエントリーだけしてみることにした。

1週間後、メールで(会社側が希望する)条件に見合っていないという理由で、採用が見送られたと連絡がきた後、一切その担当者から連絡がくることはなかった。
約40社にひたすらエントリー、もう転職活動はしたくない
人材紹介会社に頼れないとなったら自分で探すしかない。
リクナビNEXTやenジャパン、ジョブセンスリンクで見つけた求人、前職で取引のあった会社や、競合他社にひたすらエントリーした。

その数およそ40社。
書類選考に通ったのが8社。
最終選考まで残ったのが4社。
内定をもらったのが1社。

最終的に内定の連絡がきたのが6/6。
転職活動をして2ヶ月以上たっていた。

内定をもらった会社はファッション小物やインテリア商材のメーカー。そこのバイヤー兼貿易事務職に就くことになった。
本命の、ECサイト向けにドロップシッピングサービスを展開している会社には最終の社長面接で落とされた。

集中すると周りが見えなくなることが欠点の僕はその後落ち込み、1週間程家に引きこもることになり、母親を心配させた。
特に自暴自棄になっていたわけではなく、単にエントリーだけして、面接やら予定がなにも無かっただけなんだが…。

そうは言っても、なんとか転職先は決まった。
もう暫くは転職活動はしたくない。
25にもなって両親に養ってもらうだけの存在は惨めだし、周りの友達が会社の役員になったり、起業して頑張る中、自分だけ職が無いというのはこの上なく惨めだった。

(STORYS.JPより転載)


新卒で入社した会社を勤め上げる人もいれば、
どんどん転職してキャリアアップしていく人も居ます。

でも、勤め上げる気で入社しても、そうできないこともあれば、
キャリアアップのはずが、前職より条件が下がることもあります。

人生の大部分を占める「働く時間」。
その時間をどう過ごしたいか、そのためにはどうすべきか。
年度末の3月、新しい期が始まる4月。
今一度、自分と向き合って考えてみてはいかがでしょうか。
(ストーリー紹介=STORYS.JP編集部・阿部仁美)


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