Mood for Swing 2015 / Jack & Jill final






仙台の若者が夢中のダンス「リンディーホップ」(宮城県仙台市、平間真太郎撮影)




今年で8年目を迎えた『ムード・フォー・スイング』は、年に一度ゴールデンウィークに開催される日本最大のスイングイベントとして国内だけでなく海外からも認識されているイベントです。
今年はワークショップのインストラクターとして、現在考えられるスイング界のソロダンサーとしては、誰もがトップだと認めざるをえない才能と情熱の溢れるキセイニアをロシアから招聘いたしました。

ジャック&ジルというのは非常に面白いリンディーホップのコンペティションです。
予選は4ヒート(今回は)、その場で組んだペアが即席で踊ってジャッジされます。
4曲で4回違う相手と踊り、ジャッジはペアでなく個人でされます。
そして男女5名ずつ(今回は)が決勝にすすみ、決勝はその場でクジで決まったペアでジャッジされます。

Swing Gigolo
Swing Events & Lindy Hop Classes in Tokyo
www.swing-jack.com







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 リンディーホップというダンスをご存じだろうか。発祥は1920年代のアメリカ・ニューヨークの黒人文化の中心地ハーレム。当時流行したスウィングジャズにあわせて男女のペアが躍動感あふれる動きで踊る。それが100年近くの時を経て、仙台の若者たちを夢中にさせている。
仙台の夜を彩るダンスの熱気
 寒さが厳しい2月、仙台市中心部の飲食店「スタイラス」は熱気に包まれていた。20~30代の男女のペア10組ほどが、リズミカルなスウィングジャズにあわせて踊る。時間が経つにつれ、ワイシャツの袖をまくり上げたり、Tシャツ姿になったりする人もいる。

 この店では毎週水曜日の夜、リンディーホップなどのスウィングダンスを楽しむ集まりが開かれている。インストラクターが基本となるステップを教えるほか、ジャズの曲にあわせて、参加者それぞれが好きなスタイルで踊る。参加者は毎回20人前後。大学生もいれば社会人もいる。日本人やアメリカ人など国籍も様々だ。
「躍動的で堅苦しくない」のが魅力
 インストラクターとしてダンスを教えているのは、ジャズ写真家の尾形奈美さん(43)。「スポーティーで堅苦しくないのがリンディーホップの魅力」と語る。尾形さん自身、10年ほど前に住んでいたシカゴのライブハウスで本場のリンディーホップに接し、その虜になった。

 尾形さんによると、参加者のほとんどを20~30代の若者が占めているのが仙台の特徴なのだという。1920年代のアメリカで流行したリンディーホップだが、スウィングジャズの衰退とともに一時その人気は衰えた。80年代になって欧米の若者にその魅力が再評価され、90年代には世界的なブームとなり、同じ頃日本にも波及。2000年以降、東京や大阪などを中心に広がっていった。現在、日本でリンディーホップを楽しんでいるのは、40~50代が多いという。
「毎週踊らないと落ち着かない」の声も
 そんなリンディーホップの魅力に、仙台の若者たちが惹きつけられている。市内の美容室でアシスタントをしている伊東佳奈さん(25)は、約1年半前からリンディーホップにはまっている。もともと、古いジャズを聴くのが好きという伊東さん。様々な国の人とペアを組み、言葉が通じなくても楽しさを共有できることが魅力なのだという。「毎週1回は踊らないと、気分が落ち着かない」と息を弾ませる。

東北大学で教鞭をとっているスプリング・ライアンさん(32)も常連の一人だ。仲間とバンドを組み、ギターを演奏しているライアンさん。リンディーホップを始めたのは、2年前に仙台のジャズフェスティバルで、演奏にあわせて楽しげに踊る人たちを見たことがきっかけだ。ほぼ毎週通いつめて、「自分でも満足できるぐらい、ステップを習得できた」とご満悦の表情だ。今では、国内外に出張すると、必ずスウィングダンスができる店を探すのだという。

 現在、定期的にリンディーホップを楽しめる場があるのは、東北地方では仙台だけという。年に数回は、別な会場でダンスパーティーを開いており、100人近くが集まる。「リンディーホップは、年齢や人種に関係なく楽しめる」と尾形さん。仙台の若者を魅了したリンディーホップが、再び日本でブームになる日が来るかもしれない。




(平間真太郎/THE EAST TIMES)
    最終更新:3月5日(土)10時30分
THE PAGE