中韓、通貨危機でスワップ懇願 もはや日本に頼るしかないほど外貨準備が大幅減

夕刊フジ 1月22日(金)16時56分配信
 中国と韓国がこのところ、緊急時に通貨を融通し合う「通貨交換(スワップ)協定」を結ぼうとしきりに日本に秋波を送っているが、これは決して偶然ではない。中国は資本逃避(キャピタルフライト)が止まらず、識者は「2年以内に通貨危機に襲われる」と指摘。韓国も経済危機が発生した際には外貨準備が不足するとシンクタンクが分析している。“反日”を振りかざしてきた両国も、もはや日本に頼るしかなくなってきたのか。 

 日銀と中国人民銀行(中央銀行)は緊急時に日本円と人民元を融通しあう通貨スワップ協定の再開に向けて交渉中だ。人民元の急落で中国市場で事業を営む邦銀や円資金を必要とする中国企業が不安を感じていることが背景にある。

 人民元安は中国の景気失速と表裏一体だ。中国リスクと人民元建て資産の目減りで外国人投資家の資本逃避が加速するため、人民銀は人民元を買い、保有するドルを売る市場介入を大規模に行ってきた。

 これによって外貨準備が減っている。昨年末時点の中国の外貨準備高は前月末と比べ1079億ドル(約12兆6900億円)減り、過去最大の減少幅となった。年間の減少額は5130億ドル(約60兆300億円)と1年間で13・4%が消えてしまったのだ。

 それでも3兆3300億ドル(約391兆7200億円)の外貨準備は残っている計算だが、これも見掛けほど盤石ではないという。

 ブルームバーグによると、中国の外貨準備は国家プロジェクトの資金や、他国への政府保証の付いた巨額の融資などに割り当てられている可能性があり、「3兆3300億ドルのうち、2兆8000億ドル前後がすでに何らかの支払いのために充当されている可能性がある」と専門家が分析。これが隠れた損失を負っている恐れもあるという。

 外貨準備高もすでに3兆ドル規模まで減少している可能性があり、2兆ドルになると「非常ベルが鳴る」とのエコノミストの見方を伝えている。

 中韓経済に詳しい経済評論家の上念司氏は、「中国当局が人民元のレートを維持しようとすると、投機筋は外貨準備を徹底的に売り浴びせ、2年以内に通貨危機に見舞われる。通貨危機が確実な情勢となれば投機筋はさらに勢いを増すだろう」と予測する。

 韓国でも、昨年2月に終了した日本とのスワップ協定再開を求める機運が高まっている。スワップは経済力のある国が周辺国を支援する側面が強いため、事実上は韓国で経済危機が発生し米ドルや日本円が不足したときに、日本が通貨を融通して救済することになる。

 昨年10月には日本経済団体連合会に対し、韓国の全国経済人連合会が再開を呼び掛けたほか、政財界やメディアから日本とのスワップ再開を求める声が相次いでいる。

 日本政府は、韓国の非公式による再開打診に応じる気はなく、韓国政府から正式要請があれば再締結に応じる方針だ。

 韓国側から頭を下げるのはプライドが傷つけられるのか、柳一鎬(ユ・イルホ)経済副首相兼企画財政相は「(韓国が日本に)要請する段階ではない」と述べる一方、「日本政府がやろうというなら反対する理由はない」と本音も透けている。

 韓国は従来、自国産業の輸出に有利なウォン安方向に為替レートを誘導する方向で大規模な介入を繰り返し、米財務省や国際通貨基金(IMF)から批判を受けてきた。

 ドル買いを重ねた結果、外貨準備も積み上がってきたはずが、中国の景気失速と人民元急落に連動する形で一転してウォンが売り浴びせられている。

 韓国当局は逆にウォンを買い支える介入を余儀なくされ、外貨準備高は昨年11、12月と2カ月連続で減少している。1997年のアジア通貨危機当時と比べると十分な額があるとの見方もあるが、韓国の民間シンクタンク、韓国経済研究院は、2014年現在の外貨準備高3636億ドル(約42兆7700億円)では、通貨危機発生時に必要な外貨準備水準に797億ドル(9兆3750億円)足りないと分析した。

 前出の上念氏はこう警告する。

 「韓国当局がウォンの買い支えを続け、外貨準備が底を突きそうだと分かった時点で投機筋が群がってくれば、ウォンは大暴落し、アジア通貨危機と同じような状態に陥りかねない。国内事情やプライドばかり優先していると、結局大きなしっぺ返しを食らうだろう」
夕刊フジ最終更新:1月23日(土)17時7分

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日韓スワップ復活に意欲の韓国、なぜか上から目線 ウォン救済策なのだが…



韓国が金融危機に備えてか、日本との通貨交換(スワップ)協定の復活に意欲を示し始めた。ただ、もともとは朴槿恵(パク・クネ)政権の「反日」政策の一環で、韓国側が協定の延長を求めなかっただけに、虫のいい話でしかない。「上から目線」の物言いも相変わらずだ。果たして、日本が協定復活に応じる理由はあるのか。
 「考える価値はある」
 韓国の次期経済副首相兼企画財政相に内定している柳一鎬(ユ・イルホ)前国交相は11日、金融危機に備えて緊急時に外貨を融通し合う日本とのスワップ協定再開に前向きな考えを示した。国会の人事聴聞会で述べたと聯合ニュースが報じた。
 この協定は、2008年のリーマン・ショック後の資金流出危機の際、ドルを調達した手段であり、韓国経済の「命綱」ともいえるが、朴政権の意向で昨年2月に延長されずに終了した。
 しかし、韓国経済の低迷は深刻で、いつ金融危機が起こってもおかしくない状況とされる。昨年10月には韓国の全国経済人連合会(全経連)が、日本の経団連との会合で再開を呼び掛けた。
 韓国側としては「背に腹は変えられない」というのが本音だろうが、前出の柳氏の「考える価値はある」との物言いはいかがなものか。事実上の韓国通貨救済策であり、日本側には何のメリットもないのだ。

こうしたなか、韓国は「反日」外交の切り札だった慰安婦問題について、少し気になる動きを見せた。
 韓国女性家族省は11日、慰安婦問題の関連資料をユネスコ(国連教育科学文化機関)に登録する手続きについて「民間団体が進めている」と表明し、政府として積極的に登録を推進しない方針を示した。
 韓国としては、日本に“譲歩”したつもりかもしれないが、ならば、ソウルの日本大使館前の慰安婦像をはじめ、世界各国の像や碑を撤去してみてはどうなのか

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