高級オーディオNAS “fidata”「HFAS1」開発の裏側に迫る!アイ・オー&土方久明が本音でNAS談義



PhileWeb

インタビュー:土方 久明





イメージ 1
イメージ 2
イメージ 3
イメージ 4



イメージ 5

土方久明がHFAS1の音を語る。プレーヤーの魅力をダイレクトに活かすNAS

土方: HFAS1から再生される音は、まず圧倒的な情報量を持っています。それにより、例えばクラシックのオーケストラなどでは、各楽器の音数が増えて、何よりも音場の奥行きが深くなる。一音一音に対する追従性も上がり、楽曲に抑揚も出てくる。またボーカルものだと、声がリアルになり、リバーブ成分も増えてきます。音展で数十秒比較してもその差がわかるくらいなので、特に一曲通して演奏を聴くと、その曲に対する感動の度合いさえ変わってきてしまいます。そして、HFAS1のもうひとつの大きな長所として、変な音色がない「癖のない音調」であることが挙げられます。NAS自体の個性が誇張されることがなく、プレーヤーの魅力をダイレクトに活かした再生ができると言えるかもしれません。結果として、CDフォーマットとハイレゾの差もよく出ます。評論家としては、リファレンス的な音質を備えているので、プレーヤーやスピーカーの試聴にすごく使いやすいNASと言って良い。今回も対談の前にLINN「KLIMAX DS/2」、LUMIN「S1」と組み合わせて聴いてみましたが、各プレーヤーの音質や音調の傾向がはっきり出ているなと感じました。


開口: またHFAS1にはSSDモデルとHDDモデルがありますが、どんなプレーヤーを組み合わせても、各プレーヤーの個性の中でストレージの傾向が出る、という感じでした。


開口: それが面白くて。業界筋の方は大抵SSDを好みます。でも音展で数百名のお客様に聴いて頂いた際は、SSDモデルとHDDモデルの評価は半々だったんですよ。オーディオ的な聴き方だとSSDモデルを選ぶ方が大半ですが、音楽性からHDDモデルの方が好ましいという方もいるわけです。結局、音楽の愉しみ方次第で、お客様1人1人その選択は異なるようです。ちなみに土方さんはどちらが好きですか?



土方: 難しいですねえ。先ほどaiko『泡のような愛だった』ハイレゾ版を再生してみましたが、HDDモデルにはパワー感があり、一方でSSDモデルにはとにかく生々しさを感じました。そういえば、通常のSSD機はもっと音が硬質になるイメージがあるんですが、HFAS1のSSDモデルはそういう癖がなくてスムーズに聴けますよね。気のせいかな?

あとどうしても伝えたかったのが、メディアサーバーのTwonkyをカスタマイズしているところ


普通のNASだったら2~3分かかる起動時間を、数十秒まで短縮しているというのはすごいですね


開口: それと、USB-DAC対応の開発を進めています。販売店では今でもCDプレーヤーの売れ行きがある中で、USB-DAC付きCDプレーヤーとオーディオNASを組み合わせた販売ニーズがあるようです。実際に販売店さんからHFAS1でそういったお話を頂くことも多いので、積極的に進めていきたいなと







●土方 久明
ハイレゾを始めとするデジタルファイル再生に精通する次世代の評論家。10月に行われたオーディオショー「オーディオ・ホームシアター展2015(音展)」では、評論家として最多講演数を誇る。実は大のアナログファンでもある。