軍事パレード 損失3800億円 香港紙試算、工場停止などで

産経新聞 9月7日(月)7時55分配信

 【北京=矢板明夫】3日に北京で行われた抗日戦争勝利70周年を祝うための軍事パレードで、工場の操業停止など少なくとも200億元(約3800億円)超の経済損失が発生していたことが6日、分かった。軍事パレード関連の経済損失や費用は中国国内で秘密とされ、官製メディアは全く報じていないが、香港紙、蘋果日報(アップルデイリー)が独自の取材などに基づいて試算し、6日までに報じた。

 それによると、青空の「パレードブルー」を維持するための環境対策で、周辺の工場の操業停止に伴う経済損失は約192億元に上った。

 また、北京市中心部の飲食店など営業停止による損失は約10億元に達したという。

 軍事パレードの約3週間前に起きた天津の化学工場の爆発事故では、死亡した消防士や市民の賠償金の金額をめぐり、遺族と当局の交渉が難航している。そんななか、自身の求心力を高めるイベントには金に糸目をつけない習近平政権のやり方に対し、批判の声も上がりそうだ。
最終更新:9月7日(月)12時33分
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