ロンドン高級住宅に頭金払ったが-リンギット急落で苦戦も

Bloomberg 8月18日(火)18時18分配信

  (ブルームバーグ):ロンドンで建設中の高級住宅を購入するため頭金を払った海外投資家が苦境に見舞われている。
2013年5月からバタシ ー・パワー・ステーション跡地に建設中の物件の1区画を購入したマレーシア人は購入価格が最大で35%跳ね上がった。通貨リンギットがポンドに対して急落したからだ。
開発を手掛けるマレーシアのサイム・ダービーによれば、同社経営陣と一族が同物件のうち1280万ドル(約15億9000万円)相当を購入した。1戸当たりの価格は33万8000-600万ポンド(約6550万-11億6200万円)。第一期分は来年完成する。
さらに追い打ちをかけるのが値下がりだ。仲介業者のダグラス・アンド・ゴードンによれば、バタシーおよびバタシー・パーク地区の高級住宅価格は6月末までの1年で10%下落した。
JPモルガン・アセット・マネジメントの調査戦略責任者、ジョー・バレント氏(ロンドン在勤)は「購入の多くはアジアの政治リスクおよび新興市場経済減速への懸念に関連している」と説明。ポンド相場の急上昇が市況に影響するのは確実だと話した。
仲介業者のナイト・フランクによれば、ロンドンの高級住宅を購入するアジアの投資家は今年1-6月(上期)に減少した。マレーシアの買い手の割合は0.6%と、前期の0.9%から減少。香港が3.3%(前期は5.6%)、シンガポールが1.4%(同3.8%)、中国が9.4%(同10.9%)だった。ポンドはシンガポール・ドルに対し2013年5月以降に14%以上値上がりし、中国の人民元に対しては4%上昇。
バタシーのプロジェクトの40%を所有するサイム・ダービーは発表資料で「マレーシアや東南アジアからの関心が薄れている。恐らく、為替相場が不安定な現在の状況と経済見通しへの不透明感が原因だろう」と分析。「今のところ、成約済みの購入について取り消しはない」と付け加えた。
原題:Currency Squeeze Seen Punishing Buyers of Luxury Homes in
London(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Neil Callanan ,ncallanan@bloomberg.net
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最終更新:8月18日(火)18時18分
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