イケアが考える未来のキッチン、調理はテーブルで―冷蔵庫は不要に

 今から10年後のキッチンはハイテク技術によって様変わりしているかもしれない。

 スウェーデンの家具大手イケアは先日、2025年のコンセプトキッチンを公開した。まず、このキッチンには大きな冷蔵庫が見当たらない。生鮮食品はドローン(小型無人飛行機)や自動運転車ですぐに届けてもらえるようになるからだ。食料棚には電磁誘導技術が組み込まれ、食品を新鮮に保つことができる。これで廃棄する食品も少なくて済むようになる。

 ダイニングテーブルは食事や遊び、仕事のスペースだけでなく、レンジにも早変わりする。ダイニングテーブルの下に誘導加熱コイルが埋め込まれるためだ。テーブルの上にはカメラがつり下げられ、テーブルに置かれた調理器や食材を認識する。頭上のプロジェクターは調理方法を表示したりテーブルの上に置かれた食材を使ったレシピを提案したりする。食品を小分けする保存容器にも電磁誘導技術が埋め込まれ、食品棚に置けば冷却、レンジの上に置けば加熱ができる。

 そのほかコンポスト(生ごみの堆肥化機能)も備え付けられ、生ごみを無臭の乾燥固形物に変えることが可能になる。野菜を洗う場合など汚れの少ない水は、屋内植物の水やりに再利用。これは10年後の世界では水が貴重な資源になっているとの考えからだ。

 キッチン内にはまた、ワイヤレス充電機能を内蔵した家具も取り付けられている。イケアはこうした家具を今年2月、バルセロナで開かれたモバイル・ワールド・コングレス(MWC)で発表し、米国などですでに販売している。

 イケアのコンセプトキッチンは現在、ミラノで展示されている。

原文(英語):IKEA’s kitchen of 2025 will have dining tables that cook
By Silvia Ascarelli
最終更新:4月30日(木)9時37分
ウォール・ストリート・ジャーナル