【外信コラム】経済活動は国籍を問わないフェアプレーで
産経新聞 1月12日(月)13時0分配信
「100万ドルといわれた燃料電池車が10年ほどで5万ドルになった。なかなかの値下がりですよね」。エネルギー省のモニツ長官がワシントン市内のイベントで、トヨタ自動車が昨年末に一般販売を始めた燃料電池車でみせた革新性を称賛した。
燃料電池は水素と酸素の化学反応で、二酸化炭素を発生させずに発電する。ブッシュ前大統領が2003年の一般教書演説で開発支援を打ち出した当時は業界から「コストが高すぎる」と冷笑されたそうだ。
米国の閣僚として日本に先行された悔しさがあるのかと思ったがモニツ氏の表情は明るい。物理学者でもあるモニツ氏にすれば技術革新はどこの国の企業によるものでも素晴らしいということだろう。
ただし米国には米企業の利益にこだわる声も多い。米自動車大手からは日本は為替相場を円安に誘導して輸出を後押ししているといった声もある。リーマン・ショック後の超円高に苦しんだ日本にすれば言いがかりに思える主張だが、議員からも賛同が出ている。
個人的には出張先で米国車を借りて好印象を持つことも多い。自動車から外れるが、韓国・サムスン電子製スマートフォンにも満足している。一消費者の立場からすれば経済活動で国籍を問わないフェアプレーが実現すればと思う。(小雲規生)
産経新聞 1月12日(月)13時0分配信
「100万ドルといわれた燃料電池車が10年ほどで5万ドルになった。なかなかの値下がりですよね」。エネルギー省のモニツ長官がワシントン市内のイベントで、トヨタ自動車が昨年末に一般販売を始めた燃料電池車でみせた革新性を称賛した。
燃料電池は水素と酸素の化学反応で、二酸化炭素を発生させずに発電する。ブッシュ前大統領が2003年の一般教書演説で開発支援を打ち出した当時は業界から「コストが高すぎる」と冷笑されたそうだ。
米国の閣僚として日本に先行された悔しさがあるのかと思ったがモニツ氏の表情は明るい。物理学者でもあるモニツ氏にすれば技術革新はどこの国の企業によるものでも素晴らしいということだろう。
ただし米国には米企業の利益にこだわる声も多い。米自動車大手からは日本は為替相場を円安に誘導して輸出を後押ししているといった声もある。リーマン・ショック後の超円高に苦しんだ日本にすれば言いがかりに思える主張だが、議員からも賛同が出ている。
個人的には出張先で米国車を借りて好印象を持つことも多い。自動車から外れるが、韓国・サムスン電子製スマートフォンにも満足している。一消費者の立場からすれば経済活動で国籍を問わないフェアプレーが実現すればと思う。(小雲規生)