白人警官、再び不起訴に=黒人が首絞められ死亡-米NY





【ニューヨーク時事】米ニューヨーク市スタテン島で今年7月、非武装の黒人男性が逮捕される際、白人警官に背後から腕で首を絞められる格好で組み伏せられ、間もなく死亡した問題に関し、地元の大陪審は3日、警官を起訴しないことを決めた。
 中西部ミズーリ州では11月、大陪審が丸腰の黒人青年を射殺した白人警官を不起訴とし、これに怒った黒人らによる暴動が起きた。起訴が再び見送られたことで、黒人らの反発が一層強まる恐れがある。
 死亡したのはエリック・ガーナーさん(43)。7月17日、たばこを違法販売した疑いを持たれ、歩道で複数の警官に囲まれ、引き倒された。ガーナーさんはぐったりとなり、搬送先の病院で死亡が確認された。
 検視官事務所は8月、警官による首や胸の圧迫が持病の気管支ぜんそくなどと相まり、死につながったとの見方を示していた。市警は身柄拘束の際、背後から腕で首を絞めることを禁じている。
 ガーナーさんの知人が携帯電話のカメラで当時の様子を撮影。映像は地元紙電子版などに掲載され、大きな反響を呼んだ。映像は組み伏せられたガーナーさんが「息ができない」と繰り返し訴える様子をとらえていた。
 ガーナーさんの死後、スタテン島では警察に抗議する数千人規模のデモ行進があった。デブラシオ市長は大陪審判断を受けて声明を出し、「きょうの結果はニューヨーク市の多くの人が望まなかったものだ」と遺族らの心情に配慮した上で、平和的な抗議行動を呼び掛けた。(2014/12/04-06:52)