スウェーデンのH&M7月売上高は前年比+17%、予想上回る

ロイター 8月15日(金)19時7分配信







スウェーデンのH&M7月売上高は前年比+17%、予想上回る


 
[ストックホルム 15日 ロイター] - スウェーデンのファッションアパレルで小売り製造業(ファストファッション)のへネス・アンド・マウリッツ(H&M)<HMb.ST>は15日、月次の販売レポートを公表し、7月の売上高が前年同月比で17%増加したことを明らかにした。

夏服の販売好調で、ロイターのアナリスト予想の11%、前月の増加率12%を共に上回った。

春物商戦の売り上げも好調だったことから、H&Mの売上高は10カ月連続で2桁増を記録している。

H&Mは、英プライマーク、米フォーエバー21に加え、ネット通販のエイソス(ASOS)<ASOS.L>や独ザランド(Zalando)との競争が激しさを増す中でシェアが増えていると強調した。

H&Mは、ザラ(ZARA)を展開しているスペインのインディテックスに次ぐ世界第2位のファストファッションアパレルで、7月末時点で前年比12.7%増の3314店舗を全世界で展開している。

近年はネット通販事業に多額の投資を続けており、年内にオンラインショップを開くスペイン、中国、イタリアに加え、2015年には8─10カ国でネット通販事業を立ち上げるとしている。

またコス(COS)、アンドアザーストーリーズ(& Other Stories)、H&Mホームなどの有名ブランドのもとで、商品ライアップの充実にも熱心に取り組んでいる。

ただしアナリストの間には、H&Mの下期業績見通しについて慎重な見方も出ている。

H&Mも含めファストファッション企業はアジアに製造拠点を置いているが、ここに来て地域の人件費が上昇しており、競争の激化で利幅も圧迫されているからだ。

H&M自身も、景気回復がまだら模様の欧州については見通しが楽観に傾かないよう慎重姿勢を保っている。

米国も第3・四半期は堅調な成長が続くとの見方が一般的だったが、今週になって小売り業の売り上げ鈍化を示す統計が出て市場関係者を驚かせた。賃金上昇が景気回復に伴っていないことが、今後の成長阻害要因になるとの見方が出ている。

米国小売り最大手のウォルマート・ストアーズは14日、第2・四半期既存店売上高が伸び悩んだことを発表、通年の利益見通しを下方修正した。百貨店のコールズも四半期ベースの既存店売上高が1.3%減少したことを明らかにしている