科学技術庁(現文部科学省)が50年前に予想した未来技術の実現率は、40%に留まるそうです。この中には話題の万能細胞(ES細胞)が含まれていましたが、京都大学の山中信弥教授を中心とする研究グループにより大きく前進しました。
電気関連の夢の技術は、
1.超伝導技術
2.核融合技術
が有ります。この二つの技術について、解説します。
「超伝導」
超伝導とは、細い電線で大電流を流す技術です。一般に金属は、温度を下げると抵抗が少なくなりますから、どんどん温度を下げて行きますと、細い電線でも大きな電流を流すことが出来ます。結果として、コストを下げるこが出来ます。
電流 (I)=電圧(V)÷抵抗(R) ですから
抵抗(R)を下げると電流は増加します。
現在、この技術は病院のMRIで実現しています。しかし、コイルの電流を増加する為に超低温に保たなくては成りません。
冷却には、液体へリュームが使用されていて、マイナス269℃まで冷却しています。現在この温度を少しでも高くする研究が世界で進められています。
もっと高い温度で超伝導が実現出来れば、ランニングコストを下げることが出来ます。へリュームは高価ですから、安価な液体窒素で超伝導を実現したいところです。
現在、実用化には解決を要する問題は有りますが、マイナス196℃で超伝導を実現出来る電線材も日本の電線メーカーが開発しています。(フジクラなど)
もっと、もっと高い温度で、超伝導を実現したい。それが科学者の夢です。日本の電線メーカーも競って高温超伝導に取り組んでいます。
「核融合」
核融合は、太陽で行なわれている現象を人工的に実現することです。それ故、「地上の太陽」と呼ばれています。
この技術は超伝導よりも、一歩も二歩も遅れています。その遅れている要因は、原子を閉じ込めて、億単位の超高温度に保たなければ成らないためです。
核融合は、軍事的には水素爆弾で完成しています。この超高温度に保つ為に原子爆弾と同じ核爆発により超高温を得ています。しかし、平和利用に原爆を使用する訳には参りません。
核融合技術はクリーン・エネルギーですから、「死の灰」も出ませんし、放射能に汚染されることも有りません。原子力発電に取って代わる理想的な技術です。
これらの技術は、究極の省エネルギー技術ですから、原油高騰などのエネルギー問題に翻弄される地球にとって、何んとしても早期の完成が待たれます。

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