五木寛之さんは1932年生まれで、今年は79歳で居られます。福岡県出身で、生後間もなく両親と朝鮮に渡られ、太平洋戦争敗戦で引き揚げの際その混乱で母親を亡くされました。
早稲田大学に進学されましたが、中退(学費が払えず)されてから、コマーシャル制作、ソングライターなどで生計を立てられる。ヒットソングの松坂慶子の「愛の水中花」は同氏の作詞。
1966年、小説「蒼ざめた馬を見よ」で直木賞を受賞されました。「青春の門」で人気作家に。NHKラジオ深夜便に長く出演されました。
最近の著作は「親鸞」が多くの読者の共感を得ています。
私が感動を受けた五木寛之さんの作品は「下山の思想」です。この作品は昨年12月10日に第1刷、現在は第6刷まで増版。
人生を登山に見立てたエッセーです。この作品は昨年の3.11東日本大震災を背景に思いを書かれています。
現在の日本の置かれた姿は下山の時代であり、日本国民は第2の敗戦を生きることに成ったと。病人大国日本の憂鬱とも。
内容は確かに暗い。しかし、現実をしっかり認識することで、下山の景色を見るゆとりも出る。日は堂々と西に沈むように。
- 下山の思想 (幻冬舎新書)/五木 寛之
- ¥777
- Amazon.co.jp




にほんブログ村