暦の上では、立冬も過ぎて寒い毎日が続いています。考えて見れば年賀状も売り出されています。いよいよ本格的な冬を迎えますね。こんな時、戸外で寒い空風に晒されると手がかじかんで困ります。外で作業をする人には辛い季節です。
そんな時に、携帯用使い捨てカイロの「ホカロン」が有れば簡単に暖が取れ重宝ですね。
今日はこのホカロンの開発物語を語りましょう。
この「ホカロン」が世に初めて出たのは、1978年です。お菓子メーカーのロッテの子会社が世界で始めて開発しました。
このホカロンが使われる前は、ベンジンを燃やす白金懐炉とか、木炭粉末を燃やすタイプのものが主流でした。昔からの懐炉は使い捨てでは有りませんが、ベンジンを使い点火するなどの使い勝手が悪かったものです。
この「ホカロン」の開発は、偶然の産物で、意図して作られたものでは無かったのです。お菓子の中に入っている「食べられません」と書いた小さな四角いものが入っていますが、この脱酸素剤の改良を研究している時に偶然、鉄粉を沢山入れ過ぎた結果、思わぬ高温に成った事からヒントを得てこの懐炉の開発に結びつきました。
鉄粉は錆びるとき熱を発生します。酸化とは酸素と結合する事ですから、原理的には薪に火を点けると燃える現象と同じです。違うところは、鉄粉は薪のように激しく燃えませんが、少しずつ酸化(燃える事)しますから、長い時間温度を発生し続けます。
ホカロンを使うときは、袋を破りますがその時、中に封入されていた鉄粉が空気中の酸素と結合して発熱する訳です。
実際には、「ホカロン」が、早く温まるように、中に木炭を入れたり、食塩を添加して有り、長い時間暖が取れるように工夫して有ります。
ところですっかりお馴染みの「ホカロン」の銘々ですが、ほかほかの「ホカ」とロッテから「ロン」としたそうです。この「ホカロン」は世界のシエァの2、3割を確保しているようです。
新製品の開発の裏には、神様の偶然の悪戯みたいなことから思わぬ大発明のに結びつくようですね。