引き続きコンピューターに就いて解説します。
今回、文章が長すぎると思いまして、前回の文章を二つに分けました。悪しからずご了解の程を。
さて、敵艦に魚雷を命中させる為に、アナログコンピューターを使用するお話の続きです。
魚雷の発射方向とか、発射角度を決めて、遠く航走中の敵艦に見事、魚雷を命中させ、それを轟沈させる事は、極めて至難の業なのです。敵艦は潜水艦に狙われないように、ジグザグ航走したり、速度とか方向を変えたりしますからね。日本軍はそれを激しい訓練と長年鍛えた「勘」で結構、命中率も高かったようですが、機械には叶いません。
敵艦に魚雷を命中させる為に、魚雷の発射方向とか発射角度を決める為には、先に説明の諸元の他に、潮流速度とその方向、海水温度、自艦の速度と方向などの条件を全て勘案しなければ成りません。
この様に沢山有る基礎数値を各種の測定機器で観測します。例えば、敵艦が潜水艦の場合は、ソナー(超音波を発信する装置)で敵艦の潜水深度とか航走速度を測定します。戦艦の場合はレーダーを使用することも有ります。
この様な諸条件をアナログコンピューターに設定して、演算した結果を魚雷に伝え、発射方向、角度を決めます。後は、艦長の「左舷一番管発射!」とかの命令を待つばかりです。
お願い
以上のお話は、太平洋戦争中のことで、現代の近代兵器には当てはまりませんので、ご了解の程を。あくまでも、アナログコンピューターの説明としてご理解下さい。
続きは次回に回します。