それはうだるような夏の午前、


バンド練習をするため学校に向かう途中、

私は横断歩道の前で信号が変わるのを待っていたのであった。



目の前を、

一台のシルバーのワゴン車が颯爽と横切る。



そのシルエットに

えもいわれぬ違和感を感じ

もう一度そのワゴン車を目で追う…



私は今自分の網膜に映し出された光景を疑った。




後部荷台用のドアが


全開である。





いや~暑いんだね。


風通しよさそだね。



私はそんな思いとともに

その後ろ姿を見送った。




ただ青い空に、

綿色の雲が甘く匂い立つようであった。