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 リビングの広さ、何畳あれば快適?

リビングの広さ、何畳あれば快適?

たけやんは今、
家づくりの真っ最中だった

土地はなんとか決まった
次はいよいよ間取り

そんなとき、
設計士さんに聞かれた

「リビングは何畳くらいの
広さをご希望ですか」

たけやんは一瞬、
返事に困った

リビングの広さって
何畳が普通なんだろう

広いに越したことはない
でも予算も限られている

その日は家に帰ってから、
いろんなモデルハウスの
パンフレットを引っ張り出してきた

「20畳って
けっこう広いんだな」

モデルハウスAは
リビング18畳

Bはリビング20畳で
ダイニング一体型

Cは15畳でも
天井が高くて開放感がある

「数字だけじゃ
わからんなあ」

次の週末、
たけやんは妻のミサキと一緒に
住宅展示場に出かけた

最初に訪れたのは
木目調の温かい家

スタッフの人が案内してくれた

「こちらのリビングは
LDKで22畳です」

たしかに広い
でもなんだろう

ちょっとソファを置くと
思ったより余裕がない

「意外と
家具って場所取るな」

次に見たのは
吹き抜けのある家

広さは18畳だったけど
光が差し込んで
とても明るかった

「なんか、
こっちのほうが
気持ちよくない?」

ミサキがつぶやいた

たけやんも
同じことを感じていた

畳数の数字より
配置や天井の高さ
採光の取り方が
空間の印象を左右する

「リビングの快適さって
そういうことなのかもな」

その夜
ふたりで紙に
理想のリビングを書き出した

・ごろ寝できるスペースがほしい
・ソファは大きめ
・テレビと距離をとりたい
・掃き出し窓からウッドデッキに出たい

ふたりの希望を並べると
畳数というより
暮らし方のイメージが浮かび上がってきた

「なんとなく
18畳以上は欲しいけど
それよりも
窓の位置とか
家具の置き方のほうが
大事かもね」

ミサキの言葉に
たけやんも頷いた

次の打ち合わせで
設計士さんに
ふたりのメモを見せた

「なるほど
数字よりも暮らしの動線を
重視したいということですね」

設計士さんはそう言って
いくつかのパターンを
スケッチしてくれた

「このプランだと
リビングは19畳ですが
吹き抜けがあって
窓からの採光もばっちりです」

「こちらは20畳ですが
南側に隣の家があるので
窓の位置に工夫が必要です」

ふたりはじっくり
スケッチを見比べた

「この19畳のプラン、
すごくイメージに近いかも」

広さだけじゃない
高さと光と
空気の流れ

たけやんは
少しずつ家の輪郭が
見えてきた気がした

「やっぱり数字に
とらわれすぎちゃダメだな」

ミサキも笑った

家づくりって
正解があるようで
実はない

リビングの広さも
きっとそのひとつ

何畳が正解かじゃなく
どんな風に過ごしたいか

そのイメージが
設計の鍵になるんだと
たけやんは感じていた

「暮らし方を
中心に考えたら
きっといい家になるよ」

そう思えた日だった

 
 
 

 

 

 

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