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 子育て世代が選んだローコストな家づくり

子育て世代が選んだローコストな家づくり

この前
大学時代の友人カズくんに会った

3人目の子どもが生まれたと聞いて
お祝いがてら
彼の新居にお邪魔した

「ここローコスト住宅なんだよ」

最初にそう言われたとき
正直ピンとこなかった

見た目はシンプルだけど
安っぽさはない

「工務店を何件も回ったんだ
最終的に地元の小さな会社にお願いしたよ」

彼はそう話しながら
キッチンの横にある
畳スペースを指差した

「これがあるだけで
育児が本当に楽になるんだ」

たしかに
おむつ替えや昼寝に便利そうだし
何より子どもが転んでも安心だ

「ローコストって聞くと
狭いとか安っぽいって
思われがちだけどさ」

彼の話を聞くうちに
その印象が変わっていった

「大事なのは
どこにお金をかけて
どこを削るかだと思うんだ」

たとえば
設備は最低限にして
外観もごくシンプルに

そのかわり
断熱と耐震にはしっかりお金をかけたという

「冬もあったかいし
地震が来ても安心できる」

そう言って
彼はにこっと笑った

リビングには
子どものおもちゃが広がり
ダイニングでは奥さんが
赤ちゃんをあやしていた

家族の声が絶えない
その空間には
不思議と余裕があった

「最初は
建売でいいかなって思ってたんだよ」

でも
子どもが生まれてから考えが変わったという

「騒いでも気にしなくていいし
自分たちの暮らしに合わせて
間取りを決められるのがよかった」

その言葉に
私もなんだか
うらやましさを感じた

カズくんの家は
延床で30坪ほど

決して大きくはないけれど
動線がよく考えられていて
ムダがない

玄関からすぐの場所に
ファミリークローゼットがあり
子どもたちの保育園グッズや
上着がまとめて置ける

「玄関に収納があると
本当に助かるよ」

彼はそう言いながら
子どもたちの帽子や靴を
手際よく片づけていた

「最近の家って
高性能が当たり前になってるけど
全部取り入れると予算オーバーになるよね」

その通りだと思った

あれもこれもと
欲張りすぎてしまうと
あっという間に予算が膨らむ

「うちは家族が心地よく暮らせることを
一番に考えたよ」

そう語る彼の家には
余計な装飾も
高級な設備もない

でも
どこかほっとできる空気が流れていた

「ローコストって
聞こえは地味だけど
工夫次第で満足できる家になるよ」

その一言が
ずっと心に残った

たしかに
広告に出てくるような
豪華な家ではないけれど

家族みんなの
「ちょうどいい」が詰まった
温かい家だった

これから家を建てようとしている人にとって
予算は大きな悩みだと思う

でも
すべてを諦める必要はない

工夫と優先順位で
暮らしにぴったりの家はつくれる

私もいつか
そんな選び方ができたらと思った

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