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キッチン動線を整えて家事ストレスを解消
「これでだいぶ楽になったよ」
妻のあきこがそう言って笑ったのは
新しいキッチンで初めて料理を作った日のことだった
僕は35歳
結婚して10年目
ようやく念願のマイホームを建てることができた
もともとあきこは料理が好きだったけど
以前の賃貸では
冷蔵庫が遠くて使いづらいとか
ゴミ箱の位置が不便とか
小さな不満が積み重なっていた
僕は家を建てるなら
そのストレスをなるべく減らしてあげたいと思っていた
最初に相談した建築士の人から
「動線を意識すると変わりますよ」と言われた
それ以来
僕たちは「キッチン動線」を中心に間取りを考えた
冷蔵庫はパントリーの隣
ゴミ箱は引き出しの中にビルトイン
買ってきた食材はそのままスムーズに収納できて
調理中も無駄な移動がほとんどない
特にこだわったのは
シンクと作業スペースの位置関係だった
シンクのすぐ後ろに調理台があり
くるっと振り返ればそのまま作業できる
調理台の隣にはIHコンロ
一歩も動かずに下ごしらえから加熱までこなせる
「動線がつながってるってこういうことなんだね」
と妻が言ったとき
僕も内心ガッツポーズしていた
さらに
キッチンの奥には勝手口を設けて
そのままゴミ出しにも行けるルートを作った
外から帰ってきたときも
買い物袋をパントリーに直行できる動線にしてある
「全部計算された位置なんだよね」
あきこがそう話す顔には
もう以前のような疲れた表情はなかった
あの頃のあきこは
台所に立つのがどこか億劫そうだった
それが今では
夕飯を作るときに音楽を流しながら
鼻歌まじりでキッチンに立っている
「ちょっと動線が変わるだけで
こんなに違うんだね」
彼女のその言葉に
僕は今回の家づくりが間違っていなかったことを実感した
そして
この動線の快適さは
僕自身にも影響している
朝のコーヒーを入れるのもスムーズだし
休日に一緒に料理を作るのも
狭く感じないのがうれしい
僕の役割は主に洗い物だけど
シンク横の食洗機にそのまま流し込める設計になっているので
それすらストレスがない
家事は「作業」だけど
その作業をスムーズにするかどうかは
ほんの少しの設計の工夫にかかっている
あきこはある日
こんなことを言った
「前は夕飯作るたびに
なんでこんなに疲れるんだろって思ってた
でも今は
料理が終わってもまだ元気」
その言葉を聞いて
このキッチンの設計を考え抜いてよかったと心から思った
家づくりで動線を軽視する人もいるかもしれないけど
僕たちにとっては
この「キッチン動線の整備」が
何より生活の質を上げてくれた
もしこれから家を建てようとしている人がいたら
僕はこう伝えたい
「キッチンを中心に考えてみて」
動線を整えるだけで
家事は軽くなるし
気持ちも明るくなる
そして
夫婦の会話も自然と増える
家づくりは
生活をつくることなんだと
僕は今回の経験で学んだ
みなさんはどんなキッチンにしたいですか
ぜひあなたのこだわりも
聞かせてください
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