~大衆とアングラの狭間で~
ドラマ「37歳で医者になった僕」の主題歌として書き下ろされたサカナクションのNewシングル「僕と花」。
転調やギミックなどは存在せず、山口一郎のルーツにあるフォークのテイストがどこかしら漂う歌モノ。サカナのシングル史上最もポップな感触だと言っていい。
それはまぁドラマに書き下ろされた、ということがあるからだろうけど、それでもサカナらしさは失われていないのが良い。大衆に受けるのはもちろんだろうけど、今までのファンにもちゃんとサカナクションの新曲として認知される。
「僕の目 ひとつあげましょう だからあなたの目をください」
イントロなしでいきなり始まるこのフレーズにドキッとした。こういう歌詞から始まる大衆受け音楽を成立させてしまえるところが、サカナクションの、一郎の凄いところだと思う。
一郎自身、左の聴覚の喪失など、過去に色んな経験を重ねてきた人間であり、そしてそれがサカナクションを形成してる核となっている部分だ。「シンシロ」「kikUUiki」、そして「DocumentaLy」を経て、そういった「サカナらしさ」をよりシンプルな形に押し込めるようになったのだと思う。
大衆とアングラの狭間で、その両方を巻き込める説得力を、今の彼らは確かに持っている。サカナクションの新たなステージが始まった。