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知られざる野球偉人① 板東英二

板東英二‥‥この名前を見てあるいは聞いて皆さんが想像するのは?

タレント、司会者、俳優、あるいは世界ふしぎ発見の解答者など‥。多くの方が『ただの口やかましい親父』『テレビの音量ゼロにしてもまだ声が聞こえるぐらいうるさい』そういう意見も事実だが、こんな人でも日本の野球界に歴史を刻んだ名投手であった事を今日は書きます。

板東英二氏は1940年(S15年)中国の満州で生まれる。

1958年(S33年)徳島商高のエースとして夏の全国高校野球大会に出場。準々決勝で魚津高校戦で延長18回を1人で投げ抜き、当時史上初の引分け再試合になった事で世間に名を知られる。(その試合だけで25奪三振)

翌日の再試合、準決勝の作新学院戦に勝利するものの決勝戦柳井高戦で力尽き準優勝。全試合を1人で投げ1大会83奪三振の歴代の奪三振記録を塗り替えた。

尚それ以降も記録が破られる事はなく、2年前の早稲田実業の斎藤佑樹投手が記録した78奪三振が最もその記録に近づいた記録である。
恐らく未来永劫この記録は破られないと推測する。

翌1959年板東は中日ドラゴンズに入団。同期には大卒で村山実が大阪(現阪神、故人)、社会人で江藤慎一が中日(故人)、高卒で王貞治が巨人、張本勲が東映(現日ハム)に入団している。

中でも同い年の同期の王貞治との対戦成績は被打率0.206と抜群に抑えており、これは王が100打席以上対戦した投手の中では最も低い数字である。

また長嶋茂雄に対しても被打率0.269と王ほどにはないしろ、そこそこの数字を残している。


大抵その時代にON両強打者と対戦した投手は、一方を抑えても一方にはべらぼうに打たれている傾向がある。星野仙一(中日)や平松政次(大洋)などはその典型的なタイプであるが、板東にはそれが当てはまらない。

現役晩年は今で言うストッパーの草分け的存在として活躍し、引退するまで11シーズン通算成績は77勝60敗。(当時はセーブの記録はなかった)

同期の王や張本が実働22年で各々HR(868本)と通算安打(3085安打)での歴代記録保持者として現役を引退したのに比べれば些か物足りない感は否めないが、夏の甲子園奪三振記録に加え、上記のようにONに対してにも果敢に勝負に挑どみその時代に名を刻んだ野球人であることには変わりない。

尚、王貞治氏の事を『ワンちゃん』と愛称で呼ぶ先輩・同輩が多い中で同期の間柄か『王君』と君付け呼ぶのは、野球界広しといえ板東ぐらいなものである。(張本勲氏を含め三人仲が良いらしい)

テレビに映るイメージとは裏腹に、後年阪神に入団する江夏豊氏が『試合前の挨拶とかでも簡単に近づける存在ではなかった』と言うエピソードを後年語っていた事を最後に記しておきます。

2000本安打と200勝

今日はハマスタも甲子園も雨雨で中止。

書く事ないなぁ、と思っていましたが、今野球ファンの間で注目されてる阪神金本選手が目指す『2000本安打』について書きます。恐らく明日のハマスタは大変な事になりそうです。

プロ野球の歴史上初めて2000本安打を達成したのは巨人のV9時代の監督を務めた川上哲治氏が最初である。

2000本安打、200勝がかかってくると『名球会』の話がもち上がるが、名球会の正式名は『昭和名球会』であり、発足当時(1978.7)『昭和生まれでプロ現役時代に2000本安打、200勝を達成した者』が入会条件であった。

従って上記の川上哲治氏は大正生まれのため入会していない。

ただ昨今のメジャー流出、及び投手完全分業性に伴い『日米通算および250セーブ以上』も2003.12.15に入会条件に加えられた(同日、佐々木主浩、高津臣吾が入会)

セーブ数が入会条件に付いたため[1勝=1.25S]で換算した場合に[100勝125S]や[120勝100S]を挙げた投手は入会できる条件に当てはめる事ができるが、現在それらの成績を残した投手(松岡弘、大野豊、佐々岡真司など)の入会は認められていない。


さて本題。以下に掲げる2000本安打達成は2000年以降の達成者である。

氏名、達成年月日、通算記録、達成した球場の順で

秋山幸二 2000.8.18(2157安打)北九州市民球場

駒田徳広 2000.9.16(2006安打)ナゴヤドーム

立浪和義 2003.7.5 (継続中)東京ドーム

清原和博 2004.6.4 (継続中)明治神宮球場

古田敦也 2005.4.24(2097安打)松山ぼっちゃんスタジアム

野村謙二郎 2005.6.23(2020安打)広島市民球場

石井琢朗 2006.5.11(継続中)横浜スタジアム

田中幸雄 2007.5.17(2012安打)東京ドーム

前田智徳 2007.9.1 (継続中)広島市民球場

以上9名。その間日米通算でイチローと松井秀喜が達成している。

金本は2000年以降では12人目となる。

それに比べて投手の200勝達成は工藤公康(2004.8.17)ただ一人。それ以前は工藤から約12年前の北別府学(1992.7.16)にまでさかのぼる。

かつては球場の広さは今より遥かに狭かったにも関わらず、打者の2000本安打達成者より、投手の200勝達成者の方が多かった。


次々とできる人工芝、ドーム球場、使用球の統一のなさ、加えて最近では各球場のエキサイトシートの登場でアウトだった打球がファールになる現象。

現在の野球は完全な『打高投低』の時代である。

ROOKIES

昨日のblogで野球中継の放送中、ドラマの番宣をしないで欲しいしょぼんと私は非難した。野球中継は野球を観るものだと。

その番宣されたドラマというのが、4/19よりTBS系毎週土曜19:56スタートの森田まさのり氏原作の野球漫画をドラマ化した『ROOKIES』である。(結局blogで宣伝してるねガーン

プロ野球中継の間での番宣には非難したが、実際私はこのドラマ化を楽しみしている一人である。『それはそれ、これはこれ』として。

森田まさのり氏は『ろくでなしBLUES』の連載終了後少し間をおいて1998年よりこのROOKIESを連載しはじめた。(~2003年まで)

漫画の舞台となる二子玉川学園高校(通称ニコガク)に空手の達人、国語教師の川藤幸一が赴任してくる所から物語はスタートする。

そこにはかつて甲子園にも出場したこともある名門野球部が存在していたが、今の野球部はワルのたまり場と化していた。野球はド素人の川藤が監督となりワルを更正させつつ、甲子園出場を目指す‥‥。

まあ、あらすじとしてはこんなトコです。

このドラマ、TBSは放送話数を予め決めてないらしく『連載された話すべてをドラマ化』する意気込みらしい。

最低2クール?あわよくば年内又は1年ぐらいを見越してるみたい?(序盤の視聴率次第か?)

確かに週刊連載で約6年の期間を要した作品だからとてもではないが1クールでは済まないだろう。

因みにニコガクの登場人物は連載開始時1998年より前に阪神タイガースに在籍した選手及び監督の人物を2人、姓名組み合わせて作っている。

主人公の『川藤幸一』は川藤幸三と田渕幸一(演:佐藤隆太)、もう一人の主人公ニコガクのエース『安仁屋恵壹』は安仁屋宗八と藪恵壹(演:市原隼人)など。
また元ニコガク部員で目黒川高校のエース(安仁屋のライバル)『江夏卓』は江夏豊と江川卓(演:上地雄輔)てな具合に‥。

さらに、目黒川高校を含め他のライバル高校の生徒は総て巨人の選手の組み合わせとなっている。

こういう『洒落』もこの作品の楽しみのひとつである。

人気漫画のドラマ化で非常に話題性も有るし、別に安易な番宣(少なくともプロ野球中継の合間)などしなくても興味抱く人は観る作品だと思う。

番組製作サイドにもそういう配慮が欲しい。