今日の一本 | ブログで漫才、コント始めました。

今日の一本

演者 岸辺百徳・千徳


二人:はいどーもよろしくお願いします。

百徳:僕こないだえらい目に会いまして。

千徳:どないしたんや?

百徳:親戚からキノコ貰いましてね。おいしく頂いたんですけれども。

千徳:よかったやないか。

百徳:でも次の朝目覚めると止まらないんですよ。笑いが。

千徳:ワライ茸やったんかいな。

百徳:そうなんや。しかもその日知り合いの葬式に行く予定があってやな。

千徳:それは大変やな。

百徳:笑いこらえてたんやけどとうとう我慢できず、「本日は、クス 

    ッ、ご愁傷、クスクス、様です、ワッハッハハハ!」

千徳:それは不謹慎やわ。怒られたやろ?

百徳:それが怒られなかったんや。

千徳:なんでやねん?

百徳:未亡人いわく、「うちの主人は生前、葬式は湿っぽくなく明る

いのを希望してました。さぞかし天国で喜んでるでしょう。」

千徳:まさしく災い転じて福となす言うやつやな?

百徳:そんなんいらんけどやな。

千徳:おい!

百徳:「お礼に裏山でとれたこのキノコを差し上げます。」

千徳:またキノコかいな。

百徳:ほんで家帰ってそのキノコをおいしくいただいたんですけどね。

千徳:よかったやないか。全然えらい目会うてへんやん?

百徳:でも次の朝目覚めるととまらへんねん。今度は怒りが。

千徳:どういうことやねん?

百徳:怒り茸やったんや。

千徳:そんなキノコあるんかい?

百徳:ワライ茸があるなら怒り茸があってもおかしないやろ。

    しかもその日友達の結婚式に行く予定があってやな。

千徳:めでたい席やんか。

百徳:俺ずーっと眉間にしわ寄せてイライラしててやな。

千徳:それはあかんで。

百徳:ついに我慢できなくなってウエディングケーキに長渕キックしてもうてや

    な。

千徳:何しとんねんお前!怒られたやろ?

百徳:それが怒られなかったんや。

千徳:なんでやねん?

百徳:新郎新婦いわく、「この先どんな困難があっても二人で乗り切って行けと

    言うメッセージですね。崩れたこのケーキを片付けることが私達の始めて 

    の共同作業になりました。」ときたもんや。

千徳:ほんまかいな。

百徳:「お礼に私の実家で取れたキノコを頂いてください。」

千徳:またキノコかいな!

百徳:ほんでそのキノコをおいしく頂いたんですけれども。

千徳:よかったやないか。全然えらい目あってへんがな。

百徳:それがや、次の朝目覚めたら止まらへんねん、涙が。

千徳:今度は涙かいな。

百徳:喜怒哀楽の順番でいったら涙やろ。

千徳:ほんでその日も何かあったんか?

百徳:その日同窓会があってやな。

    皆盛り上がってるのに俺一人だけブルーでやな

千徳:雰囲気悪いなぁ。

百徳:気がついたら二次会のカラオケでドナドナ熱唱しててやな。

千徳:皆怒ったやろ?今度こそは皆怒ったな?

百徳:それが怒られなかったんや。

千徳:またかい。

百徳:「そういえば合唱コンクールでドナドナを皆で唄って入賞したことがあった

    な。忘れかけた思い出を思い出してくれてありがとう。」ときたもんや。

    「お礼に僕の会社で製造しているこのキノコを貰ってくれ。」

千徳:またキノコかい!

百徳:もらったもんは仕方ないやろがい!

    ほんでそのキノコをおいしく頂いたんやけども。

千徳:お前もうキノコ喰うなや!

百徳:次の朝目覚めたらものすごい元気になっててやな。

千徳:全然えらい目会うてへんやんか。

百徳:体のあの部分だけが元気やねん。

千徳:あの部分だけ?

百徳:キノコが原因であの部分だけがものすごい元気になっててん

千徳:アホのスーパーマリオかお前!

百徳:九時に目が覚めたんやけども時計で時間が分かったんやないねん。

   西日がさしこんで盛り上がった布団を照らしてできた影の向きでわかったぐ   

   らいやもん。

千徳:小学校の時理科の実験で習ったやつかいな。

百徳:しかもその日は草野球の試合があってやな。

千徳:その状態で行くなや。

百徳:代打の切り札やから俺が行かな負けるがな。

千徳:しらんがな。

百徳:一点ビハインド九回裏ツーアウト満塁で俺代打で出たがな。

千徳:サヨナラのチャンスやんか。

百徳:ピッチャー振りかぶって投げました。

千徳:ほう。

百徳:打ちごろのボールが来たがな。

千徳:ほう。

百徳:バットを出した瞬間ボールが消えたがな。

千徳:フォークボールかいな。

百徳:空を切るバット。

千徳:三振かいな

百徳:でも下のバットに当たってサヨナラヒット。

千徳:もうええわお前。

百徳:その試合の優勝商品、なんとキノコ一年分。

千徳:またキノコかい!

百徳:ほんそのキノコを食べたら次の朝・・・・・・・。

千徳:どこまでいくねん!

二人:どうもありがとうございました。


こんな事の無いように家庭に一冊どうぞ!

今関 六也, 本郷 次雄, 大谷 吉雄
日本のきのこ