Alice Cooper/DADA | Looney Tunes and Merry Melodies

Looney Tunes and Merry Melodies

アンダーグラウンド低音職人の音楽バカ日記です

昨日に引き続きアリス・クーパーのアルバムを。

今回は1983年に発表されたDADAアルバム。

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あるインタビューでアリス本人が
コレまでにリリースした作品で一番狂気に満ちているアルバム
と評していたことがあった作品。

このジャケットもスペインの画家
サルバドール・ダリの作品の一部をモチーフにしています。

こちらの作品で
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タイトルは「ヴォルテールの見えない胸像がある奴隷市」

この作品の真ん中あたりに老人の頭のように見える部分

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ここに腰掛けている二人の人物の顔が
アリスの姿になっているのです。

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俺は昔から絵画とかには興味があるんだけど
ダリの作品に夢中になるキッカケを与えてくれたのは
他でもないアリス・クーパーでした。

ダリの画集を買ったりしたくらいだからね。

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サルバドール・ダリ(←ウィキぺディアのページにリンクしています。)

前作Zipper Catches Skinであまりセールス的にもふるわなかった
という事もあったワケですが
この作品では全盛期を支えた片腕ともいえるプロデューサー
ボブ・エズリンを久しぶりに起用します。

この辺りに原点回帰的な感じ
またこのアルバムで何とかしたい!というような感じが受け取れます。

1曲目はタイトルトラックのDADA
ボブ・エズリンの娘によるDA~DA~というナレーションから
不気味なトラックに入って行く感じの一品で
最後の方でアリスと医者がカウンセリングしているようなやり取りが入ってくる。

YouTubeにアップロードされていたので
貼り付けておきます、聞いてみてください。
♪DADA


そして続く曲はEnough's Enough
俺はこの曲が好き。(残念ながらYouTubeはないです)

3曲目にはWelcome To My Nightmareの頃を思わせるような
Former Lee Warmer

コレはファンが作ったビデオみたいです。

♪Former Lee Warmer


4曲目はNo Man's Landという曲で
コレはでっかいビートが印象的な曲で、
歌詞もなんだか代わり映えのない日常を過ごす青年と
無人島にいるという女の子の話という
なんだか身近な様でちょっと現実離れしているような感じ?

5曲目はDyslexiaという曲で
この曲もかなりビートが印象的。
恋に落ちたのかそれとも失読症なのか?
というような歌詞も不思議だし
失読症という病気にも興味を持つ理由になった曲でもある。

失読症というのは学習障害の一種らしく
著名人の中にもこの病気にかかっている人が多いらしい。

詳しくはウィキぺディアをリンクしておきますんで
興味のある方は読んでみてください。

ディスレクシア

レコードではここでA面が終わり
6曲目のScarlet and Shebaへ。
この曲もどちらかといえばWelcome~の頃を想起させるような
ドラマティックな曲作りがされてます。

続く7曲目はI Love America
この曲はコミカルな感じでアリスも楽しんで作曲したそうだ。
90年代末のインタビューでこの時代(1983年頃)に戻って
ミュージック・ビデオを作りたいとも言ってた。

いよいよアルバムも終盤にさしかかりますが
8曲目のFresh Bloodは意外なくらいファンク色を醸し出している曲。
プラカッシュ・ジョンのベースが久しぶりにフィーチャーされています。
この時代ならではのAOR的な感覚とでも表現した方がいいかな。
とにかく初めて聞いたときに驚いた。

そして最後のPass The Gun Around
コチラは銃に弾を込める音からスタートする曲なんだけど、
アルバムを締めくくるのにふさわしい感じの曲
そして最後はオープニングのDADAで聞かれる囁きが。。。

という感じでトータルコンセプトアルバムな様でいて
そうでもないのか?という様な感じも伺える不思議な作品。

恐らく曲単位ではWelcome To My Nightmareを狙った様なところもあるけど
どこかであの金字塔を超える事は難しい、、、
というような感じもうけるけど、
逆に同じ事をやるのは簡単だし
ここ数年で挑戦してきた事を
まだ続けてみたいというような意気込みも考えられる。

恐らくその両方で悩んでいた時期なのかも知れない。

とはいえまとまりのあるようで無いようなこの感じは
ある意味狂気の沙汰という雰囲気
を醸す事には成功したのではないかなと思う。

一曲一曲簡単に書いてみたけど
コレをバラバラによりぬきで聞いた時と
アルバムとして通して聞いた時では印象もぜんぜん違うしね。

やはりこの辺りにアルバムを通して聞く
という事の意味を反映させているのでは…
というのはファンならではの思い込みか。。。?

しかしながらこのアルバムで復活!という事にはならず
残念ながら結局低迷期から抜け出すキッカケにはならなかった。

そして実際まだ解決していなかったアルコールの問題も
この作品のリリースの後に入院という状況に陥る事に影響を及ぼしてしまいます。

その為当然ながらツアーも行われなかった。

さらにこの後数年間表立った音楽活動を休止してしまう。。。

という感じでアリス本人のプライベートでも
まさに暗黒の時代であったのだと思う。
その混沌とした状況が作品に表れているのではないかと思う。

このアルバムもZipper~アルバムと共にリイシューされています。
手に入りやすい状況なので興味のある方は聞いてみると良いですよ
と言いたいのですが
深いからあんまり気軽にはオススメできません…。
(アリスいわく「一人では絶対聞くな!」との事です)

そして、このアルバムを発表した数年後に

大復活を遂げるワケです!

(続く、、、のか?)