わたしは、性同一性障害の問題には近しい。
セクシャルマイノリティのことがらに
深々と入れ込んでいた頃からの友人が
まさにその障害と闘っているからだ。
そういうわけがあって、気になっていたといったら、
まったく嘘じゃないのだけれども。
去年の紅白で、こころが震えた。
昔、中谷美紀の『砂の果実』に気持ち引かれたとき、
おはずかしくもひとに、「これって、自分のことのようだ」と話した。
話し相手になってくれた人は、
「これはそういう普遍を歌っているのだよ」
という意味のことを言って諭してくれたのだけれども。
そのときと同じような、なにか、いわく言いがたいものが
あたしのきもちをかき乱した。
そんなわけで、中村中『天までとどけ』。
誰ですか、「舞い上がれ風船の憧れのように♪」と口ずさんだひとは?!
あたしだよ。
思えばこってりと歌謡曲なんだけどさぁ。
『汚れた下着』とかさ。
中島みゆきに似てるという話もあるけど、
そう思わないこともないけど、
なんか、明確に違うような気がするなぁ。
あたしは中島みゆきの、『ファイト』とか、なんだろな、
あたしの子どもになりなさい的なものが嫌いだ。
(そうでないところは好きだ)
中村中には、そういうものがない。
友達の詩。
そんなものにセンチメントをあずけてしまって(『センチメントの季節』を唐突に思い出す)、
『わたしの中の「いい女」』という唄のように、前を向こう。