たまには私が愛した馬の話でもしようか…?











2005年、京王杯SC。

その日、私は東京競馬場にいた。

狙っていた馬が出てきたからである。

馬の名はアサクサデンエン。

父親はジャパンカップを勝ったシングスピール。

このシングスピールという馬も好きだった。

この年、アサクサデンエンはニューイヤーSを2着。

続く東京新聞杯はハットトリックの4着。

オープンの岡部幸雄特別では1人気に支持されるも4着。

そして、マイラーズCを3着して、京王杯に出走してきた。

少差で敗れたいずれのレースも私は単勝を買う事をしなかった。

アサクサデンエンは好きな馬。

東京か京都で必ず穴を空ける。

それも1着に来ると思っていた。

虎視眈々と単勝を狙えるレースを探っていたのである。

好きな馬だからこそ毎レース買うのではなく慎重に買うレースを見極めたい。

これが惚れた馬との私的付き合い方。

少し話が逸れるが…2004年末あたりからこの頃までに1600万クラスにいてオープンへと上がった馬に好きな馬が非常に多く、当時の私はそれらの馬達をしきりにチェックしていた。

後のG1馬オレハマッテルゼを筆頭にアサクサキニナル・ニシノシタン・アルビレオ…

いずれの馬も条件クラスにいた頃から複数回、単勝をとった思い入れのある馬達である。

そんな強豪に揉まれてきたアサクサデンエン。

前走のG2マイラーズカップを10人気ながら33.2秒の脚でローエングリンの3着。

そのレースを見て、『次戦、東京なら勝負』と心に決めていた。

一ヶ月後…早くも“その時”は来た。

タイムイズカム。

東京競馬場1400mで争われるG2レース京王杯スプリングカップにアサクサデンエンが出走してきたのである。

しかも、鞍上は好きな騎手の一人である後藤。

私は当日、迷わず東京競馬場へと車を走らせた。

当時、付き合っていた彼女には一言『好きな馬で勝負してくる』とだけ伝えた。

真剣勝負の場にオンナもトモもいらない。

勝っても負けても…結果を一人で受け入れる。

目に焼きつける。

そんな気持ちで私はパドックにいた。

アサクサデンエンだけを見ていた。

馬がパドックに表れてどれくらい経ったか…。

突然の雨。

かなり強い雨だった。

傘を持っていなかったが私はパドックを離れなかった。

1番人気は名手デザーモのダンスインザムード。

2番人気は東京を庭としていたテレグノシス。

3番人気は前走の高松宮記念を出遅れ、連勝が4で止まったプレシャスカフェ。

それらの強い馬に紛れ、アサクサデンエンは6番人気だった。

私はアサクサデンエンの単複、東京大得意のテレグノシスとのワイド馬券を購入。

迷いはなかった。

レースはそれまで追い込み馬だったアサクサデンエンを先行させた後藤が早め抜け出しから押し切る強い内容だった。


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最後の直線…私にしては珍しく…思わず『後藤!』と声が出た。

車に戻る頃には、雨も上がり、濡れていた髪も乾いていた。

私は彼女に電話をかけた。

東京競馬場からの帰り道が本当に清々しかった。

風が気持ちよかった。


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単勝 1820円

複勝 420円


そして…アサクサデンエンは次戦の安田記念を私の勝負騎手、藤田と共に勝ち、G1馬へと昇りつめた。

私はあの日…雨の中で見た君を忘れない。

安田記念を勝った君を忘れない。


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彼は今、種牡馬として活躍している。

やがて彼の子供がターフを翔けることだろう。

こうして競馬のドラマは続いていく…。

競馬ってホントに素晴らしいですね(笑)