俺は高校生の頃、無気力な学生生活を送っていた。
部活も入らず、勉強もせず、もちろん彼女もいなかった。
スーパーと焼肉屋でアルバイトをしていたので、週末の競馬をただ楽しみにしていた。
土曜日は学校をよくサボり、駅のトイレで私服に着替え、WINS水道橋に1レースからいた。
高校生の分際で1つのレースに20万円を賭けた事もある。
俺が通っていた高校は、比較的ゆるい学校だったので、授業中は常に漫画か競馬雑誌を読んでいた。
そんな高校3年の頃、ある漫画に出会った。
原秀則先生の『冬物語』である。

優柔不断な浪人生の主人公が予備校で可愛い子と出会い、希望の大学入学を目指すラブストーリーである。
俺は原秀則先生の切なく、ちょっとほろ苦い世界に魅せられ、浪人する事を心に決めた(笑)
だから、当時、形だけ受けた大学(日大)にもし合格していたら、俺は非常に困った事だろう。
結果、見事、不合格となった俺は代々木ゼミナールに入学した。
行くなら代ゼミの代々木校と決めていた。
その理由はこの人がいたから。

吉野敬介先生。
『だからお前は落ちるんだ、やれ!』という先生の著書に感動し、どうしても生で授業を受けたかった。
だから、家から近い池袋校ではなく、代々木本校に入学した。
“俺も『冬物語』のような浪人生活がしたい。恋愛をし、吉野先生の授業を受け、いい大学にも受かる”という二兎も三兎も追うような甘い考えとかなりの期待を持って迎えた浪人生活…
だが。
やはり甘くなかった…
当時、女の子との交際経験もなかった自分は予備校の同じクラスに幼なじみの女の子が偶然いたにも関わらず、なんと1度も話す事が出来なかった…
さらに、シャイだった俺は友達が出来ない…
高校時代のようにクラスのイベントや係のようなものは予備校にはもちろんない。
代ゼミの食堂…
ソロで食べる飯がきつかった…
1日中、会話をしない日々が続いた…
どんどん息も臭くなる…
『冬物語』の甘い世界はどこにもなかった…
次第に俺は授業に出るのが億劫になっていった。
だが5月。
古屋(仮名)登場。
突然、後ろから話しかけてきたその茶髪の男はなかなかの明るさを持っていた。
初めて友達が出来た。
返す刀で隣にいた…弱冠、影のあるロン毛野郎…清水(仮名)に話しかけた。
結果。
成功。
女の子どうこうより…まずは話し相手が欲しかった俺はかなり嬉しかった…
そして。
この頃から。
授業をサボるようになった(笑)
予備校は高校時代のように担任が管理してくれる場所ではない。
毎日、出席し、いくら勉強しようが…毎日、欠席し、いくらサボろうが本人の自由である。
先生に怒られる事はない。
代ゼミの場合は教室がある建物の入口にカードリーダーがあり、これに学生証を通すと、一応、出席した事になる。
何ヶ月かに1度、実家に代ゼミの出欠表が送られてくる為…
朝、このカードリーダーに学生証を通す作業のみを行い…
速攻、古屋・清水とファミレスに行く日々が続いた…
正直、浪人時代で、この頃が1番楽しかった…
ファミレスで話し飽きたら、新宿まで歩いて出て、遊んだ。
そんな俺だったが、週1回の吉野先生の古文の授業には必ず出た。
そんなこんなで季節は夏を迎えようとしていた。
勝負と言われる夏期講習が近づいてきたのである。
サボりまくっていた俺だが“勝負の夏期講習”と言われれば、なんとなく気もはやる。
代ゼミの場合、夏期講習は…普段の授業はお休みの為、別料金になる。
つまり、自分で科目・先生・受講時期を選び、カリキュラムを組まねばならない。
よく分からなかった俺は…夏期講習の相談の為、梅雨の時期にいつものファミレスに古屋と清水を呼び出す事にした。
だが、清水が来なかった…
清水は…この日を境に突然、消えたのである…
続
部活も入らず、勉強もせず、もちろん彼女もいなかった。
スーパーと焼肉屋でアルバイトをしていたので、週末の競馬をただ楽しみにしていた。
土曜日は学校をよくサボり、駅のトイレで私服に着替え、WINS水道橋に1レースからいた。
高校生の分際で1つのレースに20万円を賭けた事もある。
俺が通っていた高校は、比較的ゆるい学校だったので、授業中は常に漫画か競馬雑誌を読んでいた。
そんな高校3年の頃、ある漫画に出会った。
原秀則先生の『冬物語』である。

優柔不断な浪人生の主人公が予備校で可愛い子と出会い、希望の大学入学を目指すラブストーリーである。
俺は原秀則先生の切なく、ちょっとほろ苦い世界に魅せられ、浪人する事を心に決めた(笑)
だから、当時、形だけ受けた大学(日大)にもし合格していたら、俺は非常に困った事だろう。
結果、見事、不合格となった俺は代々木ゼミナールに入学した。
行くなら代ゼミの代々木校と決めていた。
その理由はこの人がいたから。

吉野敬介先生。
『だからお前は落ちるんだ、やれ!』という先生の著書に感動し、どうしても生で授業を受けたかった。
だから、家から近い池袋校ではなく、代々木本校に入学した。
“俺も『冬物語』のような浪人生活がしたい。恋愛をし、吉野先生の授業を受け、いい大学にも受かる”という二兎も三兎も追うような甘い考えとかなりの期待を持って迎えた浪人生活…
だが。
やはり甘くなかった…
当時、女の子との交際経験もなかった自分は予備校の同じクラスに幼なじみの女の子が偶然いたにも関わらず、なんと1度も話す事が出来なかった…
さらに、シャイだった俺は友達が出来ない…
高校時代のようにクラスのイベントや係のようなものは予備校にはもちろんない。
代ゼミの食堂…
ソロで食べる飯がきつかった…
1日中、会話をしない日々が続いた…
どんどん息も臭くなる…
『冬物語』の甘い世界はどこにもなかった…
次第に俺は授業に出るのが億劫になっていった。
だが5月。
古屋(仮名)登場。
突然、後ろから話しかけてきたその茶髪の男はなかなかの明るさを持っていた。
初めて友達が出来た。
返す刀で隣にいた…弱冠、影のあるロン毛野郎…清水(仮名)に話しかけた。
結果。
成功。
女の子どうこうより…まずは話し相手が欲しかった俺はかなり嬉しかった…
そして。
この頃から。
授業をサボるようになった(笑)
予備校は高校時代のように担任が管理してくれる場所ではない。
毎日、出席し、いくら勉強しようが…毎日、欠席し、いくらサボろうが本人の自由である。
先生に怒られる事はない。
代ゼミの場合は教室がある建物の入口にカードリーダーがあり、これに学生証を通すと、一応、出席した事になる。
何ヶ月かに1度、実家に代ゼミの出欠表が送られてくる為…
朝、このカードリーダーに学生証を通す作業のみを行い…
速攻、古屋・清水とファミレスに行く日々が続いた…
正直、浪人時代で、この頃が1番楽しかった…
ファミレスで話し飽きたら、新宿まで歩いて出て、遊んだ。
そんな俺だったが、週1回の吉野先生の古文の授業には必ず出た。
そんなこんなで季節は夏を迎えようとしていた。
勝負と言われる夏期講習が近づいてきたのである。
サボりまくっていた俺だが“勝負の夏期講習”と言われれば、なんとなく気もはやる。
代ゼミの場合、夏期講習は…普段の授業はお休みの為、別料金になる。
つまり、自分で科目・先生・受講時期を選び、カリキュラムを組まねばならない。
よく分からなかった俺は…夏期講習の相談の為、梅雨の時期にいつものファミレスに古屋と清水を呼び出す事にした。
だが、清水が来なかった…
清水は…この日を境に突然、消えたのである…
続